地域創造

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地域創造レター

News Letter to Arts Crew

9月号-No.089
2002.09.10(毎月10日更新)

●今月のニュース

●制作基礎知識シリーズ


●平成15年度支援事業助成要綱が決定
 −10月25日まで申請受付中−



●平成15年度地域の芸術文化環境づくり支援事業助成要綱決定・申請受付開始
 地域創造では、地方公共団体等が自主的に実施する、創造的で文化的な芸術活動の環境づくりに資する事業に対して財政的支援を行っています。平成15年度においても、引き続き支援していくために、助成要綱を策定しました。
 平成15年度の助成要綱は、様式の内容や事務手続きの変更等、いくつかの改正を行いましたが、平成14年度の要綱を基本にしており、大きな変更はありません。
 各地方公共団体等の皆様におかれましては平成15年度の芸術文化の振興による地域づくりを一層推進していくため、ぜひ本事業の活用についてご検討ください。

●支援事業の内容
 支援事業は、次の4つのプログラムで構成されています。これらについて、変更はありません。
【創造プログラム】
 地域の芸術文化活動の環境づくりに関し、段階的・継続的に推進する事業の支援(最大3年間)
【連携プログラム】
 3以上の地方公共団体等が共同で企画・制作して行う事業の支援
【単独プログラム】
 地域の人々の参画を伴いながら地方公共団体等が自ら企画・制作する事業の支援(次年度の1年間に限り継続助成可能)
【研修プログラム】
 地方公共団体等で企画運営に携わる職員等を対象とした研修の場を提供する事業の支援

なお、助成対象は、地方公共団体及び地域の芸術創造活動の振興を目的として設立された公益法人が実施する事業に限ります。

●主な変更点
【創造プログラム及び単独プログラム】
 創造プログラムは最大3年間、単独プログラムは同じ分野の事業について翌年度に限り、継続的に助成することができますが、今回、次年度以降においても申請を予定している場合、各助成希望年度の収支計画を記載していただくよう要綱、様式等を変更し、事業規模を把握することとしました。
【提出時期】
 実績報告書の提出期限を事業完了の日から30日以内に明確化しました(3月16日以降に完了する事業は4月15日までを提出期限としました)。
【その他】
 宝くじの普及広報の実効性を高めるため、要綱内の宝くじの普及広報に係る規定を太字等で強調しました。

●要綱の送付時期
 要綱は、8月上旬に各都道府県及び各政令指定都市に送付しています(市区町村へは、都道府県経由で送付します)。

●申請方法
 申請書は、10月25日(金)までに当財団へ提出してください。
 なお、市区町村、公益法人が申請する場合は、都道府県を通じて提出してください。

●平成15年度 地域の芸術文化環境づくり支援事業助成要綱
1 趣旨
 この事業は、美しく心豊かなふるさとづくりの推進を目指し、地方公共団体等の自主事業のプロデュース能力の向上、公立文化施設の利活用の活性化等を図るため、地方公共団体等が自主的に実施する、創造的で文化的な芸術活動の地域における環境づくり(以下「地域の芸術文化環境づくり」という。) を支援するものとする。
 なお、この事業を通じて、宝くじの普及広報を図る。

2 事業内容及び実施方法
(1) 事業の名称
この事業の名称は、「地域の芸術文化環境づくり支援事業」とし、次の4プログラムをもって構成する。
1) 創造プログラム
2) 連携プログラム
3) 単独プログラム
4) 研修プログラム

(2) 助成対象者
地域の芸術文化環境づくり支援事業(以下「事業」という。) を実施する次に掲げる者
1)  地方公共団体
2)  地域における芸術創造活動の振興に資することを目的として民法第34条の規定により設立された法人のうち、地方自治法施行令第173条の3の要件を満たすもの(以下「公益法人」という。)
(3) 助成対象事業
1)  創造プログラム
地域における創造的な芸術活動と芸術創造者の養成及び地域間の交流を進め、地域の人々が多彩な芸術活動を享受できる環境づくりを目指すもの
上記(2) に掲げる地方公共団体及び公益法人(以下「地方公共団体等」という。) が独自性・主体性をもって実施する次に掲げる事業
ア  芸術分野において創造的な環境づくりに必要な次に掲げる事業
a 地域において先進性・テーマ性を有する自主企画作品の制作・公演や自主企画展覧会の開催
b 地域の芸術文化環境づくりを段階的・継続的に実施していく上で、事業運営・住民参画の手法において、顕著な工夫が認められる事業
イ  上記アの事業を実施するための企画調査・実施準備事業
ウ  前記事業の内容・運営手法などについて各地の芸術文化環境づくりに携わる関係者の参考となるよう、ビデオ・CD制作などの方法により情報を提供する事業
2)  連携プログラム
地域における自主事業のプロデュース能力の向上による公立文化施設の利活用の活性化を推進することを目指すもの
3以上の地方公共団体等が連携して自主的に企画し、共同で制作して行う次に掲げる分野のソフト事業(公演・展覧会、ワークショップ・レクチャー(公演・展覧会を伴うもの) 等)
ア 
イ 
ウ 
エ 
音楽分野(交響楽、室内楽、オペラなど)
演劇・ダンス分野(演劇、ミュージカル、バレエなど)
伝統芸能分野(能、狂言、歌舞伎などの古典芸能のほか、地域で伝承されている芸能など)
美術分野(絵画、彫刻・工芸、写真など)
その他(映画、映像、ハイビジョンなど)
3)  単独プログラム
地方公共団体等が単独で行うソフト事業で、地域の芸術文化環境づくりの企画能力の向上による公立文化施設の利活用の活性化を推進することを目指すもの
上記2)に掲げる分野に関し、地方公共団体等が自ら企画・制作し、地域の人々の芸術に対する理解・共感を広げるような参画を伴いながら取り組む事業
4)  研修プログラム
公立文化施設等で企画運営に携わる職員又は地域の芸術文化環境づくりを担う者に対する実践的な研修の場を提供することを目的として地方公共団体等が自ら企画、実施する広域的な研修事業で、受講者が複数の地方公共団体等にわたるもの
(4) 会場
助成申請する地方公共団体等の区域に所在する公立文化施設又は実施する事業の開催に最適と判断される施設・場所
(5) 入場料・参加料
各助成対象事業のうち、公演・展覧会等の開催に際しては、適正な額の入場料・参加料を徴収することを要する。
(6) 助成対象期間
助成期間は、単年度とする。
ただし、創造プログラムについては、助成決定の年度以降3ヶ年以内とし、具体的な助成期間(1年ないし3年) については、各年度ごとの申請を審査したうえで、当該プロジェクトの性格に応じて決定することとする。
また、単独プログラムについては、助成決定を受けた事業と同一の芸術分野の事業について、当該助成決定を受けた年度の翌年度に限り継続して助成することができるものとし(以下「継続助成」という。) 、各年度ごとの申請を審査したうえで、決定することとする。

3 助成措置など
(1) 助成額
助成額については、以下のとおりとする。ただし、各事業実施の結果、実施申請の際の助成対象事業経費、入場料等収入などに変動を生じた場合においても、事業実施後に交付される助成金の額は、助成決定の際承認した額の範囲内において決定するものとする。
1)  創造プログラム
当該年度の助成額は、別表に掲げる当該年度の助成対象事業に係る直接経費(入場料・参加料収入及び有料頒布する図録・パンフレット等の販売収入(以下「入場料等収入」という。) がある場合には、当該収入を控除した額) の2分の1以内とし、1,000万円(助成対象事業に係る直接経費が1億円以上の場合にあっては1,500万円) を上限とする。
2)  連携プログラム
助成額は、別表に掲げる当該年度の助成対象事業に係る直接経費から入場料等収入を控除した額の3分の2以内とし、500万円(助成対象事業に係る直接経費が5,000万円以上の場合にあっては1,000万円) を上限とする。
ただし、事業開催期間が長期に渡るもの(実演芸術分野においては概ね5日間以上、視覚芸術分野においては概ね30日間以上) で、助成対象事業に係る直接経費が2,000万円以上の場合については、1,000万円(助成対象事業に係る直接経費が5,000万円以上の場合にあっては1,500万円) を上限とすることができる。
なお、連携して実施する一事業に対する助成額の総額は、2,500万円を上限とする。
3)  単独プログラム
助成額は、別表に掲げる当該年度の助成対象事業に係る直接経費から入場料等収入を控除した額の3分の2以内、500万円(継続助成の年度にあっては3分の1以内、300万円) を上限とし、助成対象事業に係る直接経費が5,000万円以上の場合にあっては1,000万円(継続助成の年度にあっては600万円) を上限とする。
ただし、継続助成の年度である場合を除き、事業開催期間が長期に渡るもの(実演芸術分野においては概ね5日間以上、視覚芸術分野においては概ね30日間以上) で、助成対象事業に係る直接経費が2,000万円以上の場合については、1,000万円(助成対象事業に係る直接経費が5,000万円以上の場合にあっては1,500万円) を上限とすることができる。
4)  研修プログラム
助成額は、以下に掲げる当該年度の助成対象事業に係る直接経費の2分の1以内とし、200万円を上限とする。
ア  会場借上料
イ  講師等謝金(講師に係る交通費及び宿泊・日当費を含む。)
ウ  研修用資料の印刷製本費(ただし、書籍購入費は除く。) (以下省略)

●支援事業に関する問い合わせ
地域創造総務部振興助成課
永田・右谷・田中
Tel. 03-5573-4055

制作基礎知識シリーズVol.16 ホールの防災と安全管理(3)

●ホールの安全管理−安全機器の適切な使用と舞台従事者の意識改革が重要−


 講師 稲田智治(九州大谷文化センター)

●舞台従事者に関する安全管理の考え方
 
安全管理は、防災の考え方と同じように事故事例から学ぶことが多い。どんな時にどのようなケースで事故が発生したかを検証すれば、発生や再発を未然に防止することができる。また、労働安全衛生法(地域創造レターNo.86「制作基礎知識」参照)には、従事者の労働災害防止のためのさまざまな規定が設けられている。しかし、安全ベルトやヘルメットの着用義務も、作業の邪魔になる、能率が低下するといった思いから守られないことが多いのも事実である。
 実は安全管理を考える上で一番の問題は、安全ベルトさえ着用しないで高所に上ってしまう、こうした舞台技術者の認識不足にあると言っても過言ではない。意識改革を促すさまざまな対策を講じるとともに、安全管理を実践している先進施設の情報を積極的に収集し、啓発していくことが必要であろう。
 また、舞台上に一般利用者や出演者がいる時に、バトンの昇降や音響反射板の組立を行う「危険行為」をどう防ぐかといった、舞台運営上の安全管理の考え方も確立されていない。これには、安全管理に関わる舞台機構の技術者に資格制度が設けられていないことも大きく影響していると思われる(音響、照明には技能認定制度がある)。資格化も含めた検討が望まれるところだ。

●代表的な危険作業と対策
◎照度の確保
 照明のシュート(指定された場所に光を当てること)など、舞台従事者には暗いところでの作業が多く、ホールでの作業というのは暗いところでやるものだという認識がある。しかし、必要以上に作業環境が暗いと事故の原因ともなるため、人が近づくと点灯するセンサー付きの照明機器を設置するなど、照度の確保に留意すべきだろう。

◎高所作業(1) 安全帯と命綱
 高所作業を行う場合の安全具がヘルメット、安全帯、命綱である。安全帯にはウエストのみを固定するものと、背中吊りをするハーネストタイプのものがあるが、有事の際の衝撃を考えると後者の方が安定性があり、チョッキ状のフルハーネストタイプが最も安全である。
 命綱には水平命綱と垂直命綱がある。命綱を用いるには舞台上部の美術バトンやサスペンションバトンに墜落防止ワイヤーを設置する必要がある。公演ごとにバトンへの吊り込み状況が変わる舞台上部でどうすれば墜落防止ワイヤーの位置が確保できるかが課題となるが、工夫の余地は充分にあるのではないだろうか。

◎高所作業(2) 高所作業台
 舞台上部に吊り込まれた照明機器の調整のために用いられるのが、ライトタワーと呼ばれる高所作業台である。転倒事故防止のためのアウトリガーと呼ばれる補助の足のついた製品が開発されている。メーカーの仕様では高所作業台に人が乗ったまま移動させることは禁止されているが、1回1回上り下りしながら作業するのは効率的ではなく、守られていないのが現状でメーカーの仕様と利用実態に隔たりがある実例である。

◎綱元作業
 いろいろな吊り物昇降用の「引き綱」がまとめられているところが綱元である。吊り物の重さとバランスをとるウェイト(おもり)を未経験者などが操作している時に落下などの事故を起こすケースが多い。主操作を熟練者が担当し、バトン監視に補助者2名、中継者1名、計4名で操作するなど体制の見直しが効果的である。ちなみにコンピュータ制御の場合も各バトンに安全装置が付いていないため監視者は不可欠である。

◎特殊効果
 最近の舞台イベントには特殊効果がよく使われるが、どのような科学的作用で効果が起きるのかなど、その内容がわからないものが多い。ものによっては火災の危険性や舞台床の損傷などが考えられるので、事前に持ち込み業者や消防などの関係機関との打ち合わせが欠かせない。場合によっては、舞台上に防炎シートや設備保護シートが必要となる。
 また、かつては舞台上での使用が禁止されていたレーザー光線は、特殊効果の中でも特に危険性の高いものだが、ホール管理者でそうした認識を持っている人は大変に少ない。ある程度の出力以上のレーザーは目と皮膚に障害を発生させるため、客席に向かっての使用が禁止されているが、「レーザー製品の放射安全基準」を遵守すればホールでの使用が認められている。
 使用に際しては、大量の冷却水を必要とするものなどがあるので、事前に安全性を十分に確認してから許可する必要がある。使用許可条件としては、1)実施計画書の提出、2)レーザー安全管理者の確認、3)操作員の知識・経験の確認、4)レーザー機器のクラスおよび表示の確認、5)非常時におけるレーザー機器の停止の権限の確認、6)レーザー機器の出力制限、などが挙げられる。

◎機器の故障
 機器の故障は、時としてその催事にとって致命的な結果を招く。調光器・音響機器・舞台機構などが本番中に故障すると催事は停止または中止せざるを得ないし、防災機器などが故障した場合は、致命的な事故に繋がってしまう。
 そこで【表】のような点検表を用いて日常的に機器の点検を行うとともに、故障した場合のシミュレーションを行い、対策を立てておくことが必要となる。例えば、緞帳が上がらないなど考えたこともないかもしれないが、モーターに接続している回路が断線して幕が上がらなくなるケースがある。幕が上がらなければどんな催事も開演できない。万が一の場合に備え、日頃から、使用後は緞帳を上げたままにしておくか、予備の回路さえ設けてあれば中止は避けられる。
 このように、機器の故障に対しては、予備の回路やCPUを予め機器に組み込んでおくことや、予備の機材を持っている業者の把握、深夜でも繋がる緊急連絡先リストなどを日頃から準備しておくことが必要である。

【表】 舞台始業点検表


●舞台技術者等への対応
 このほかの安全対策としては、危険作業中のサインの表示や危険行為を行う場合の声かけ、利用者(主催者)や委託業者との事前打ち合わせなどの徹底が挙げられる。また、関連団体などが実施している「安全衛生管理講習会」への参加などを通じて、従事者の安全管理技術と意識を向上していくことも必要となる。
 特にホールの場合、利用者側の「乗り込み技術者」(ホール専属の技術者以外の技術者)が機器を操作することがあり、安全管理上、問題になることが多い。事故に繋がりやすいホールの特性を打ち合わせで伝えるといったことに、ホールの技術職員が留意すべきである。

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