地域創造

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地域創造レター

News Letter to Arts Crew

8月号-No.136
2006.08.10(毎月10日更新)

●今月のニュース

●ステージラボ長久手セッション報告
●制作基礎知識シリーズ



●ステージラボ長久手セッション報告 2006年7月11日〜14日

指定管理者についての議論が白熱


 今回のステージラボは、愛知県の「長久手町文化の家」を会場に7月11日から14日まで開催されました。長久手町は、愛・地球博会場にもなった、名古屋駅から地下鉄東山線で約30分、リニアモーターカーの走る田園風景と新興住宅地が交錯する人口4万4千人余りの町です。
 文化の家は、1998年にオープンした町直営の複合文化施設(馬蹄形の森のホール・819席、風のホール・300席、生涯学習施設等)で、町民劇団の活動やオペラの普及活動など、活発な自主事業で知られています。閉講式には7月15日にオープンする愛・地球博記念公園からモリゾーとキッコロも挨拶に訪れるなど、和気あいあいとしたラボになりました。共催者として全面的にご協力をいただきました文化の家の皆様には心よりお礼申し上げます。

●白熱した議論が随所で展開
 長久手セッションでは、指定管理者制度導入期限を9月に控え、いつもよりも座学やディスカッションに多くの時間が割かれました。
 「文化政策企画・文化施設運営コース」では、コーディネーターの熊倉純子さんが文化政策の基礎について講義。日本の将来像として「開かれた文化創造国家」を目指すとした「日本21世紀ヴィジョン」や、文化に関する関心の低下を指摘した内閣府の世論調査などの最新トピックスを紹介し、問題提起を行いました。そして指定管理者の講義を踏まえ、4班に分かれて2日間にわたる専門家を交えたグループ・ディスカッションを行いました。今回の特徴は、各グループに2名ずつ、東京藝術大学でアートマネージメントを学ぶ学生が参加したことです。その中のひとりは、「現場の方々の切迫感を目の当たりにし、私たちもそういう緊張感をもって文化政策について考えていかなければと感じた。一緒に状況を変えて、顔の見える文化政策がつくれれば」と4日間を振り返っていました。
 また、実務現場の講師陣が揃った「音楽コース」では、明日からでもすぐに会館運営に役立ちそうな豊富な事例が紹介されました。教えたい人を市民から公募し、低料金の講座を開講して収益を上げている多治見市文化振興財団のオープンキャンパス事業、多彩なロビーコンサートなどを実施しているかすがい市民文化財団、倒産の危機から地域の楽団としてNPO化し建て直しに成功した関西フィルハーモニー管弦楽団の取り組みなど。「自分で自分の身を助けられるというのがわかり、目からウロコだった」と好評でした。コーディネーターの善積俊夫さんは、最終日の締めくくりとして、長年にわたってクラシック業界に関わっている自らの経験を踏まえ、企画のための心得を披露。「Plan-Do-Checkとよく言うが、Planの前には“想”が必要。想というのは難しいことではなく、ちょっとした発想。思いつきでいいから、まずはそれを実行してみよう」「アプローチには目的に従ってやるものと試行錯誤するものがあるが、その両方が必要」といった含蓄ある言葉にみんな静かに耳を傾けていました。

●ラボ名物のアウトリーチとワークショップ
 今回最もワークショップが充実していたのは、演出家の内藤裕敬さんがコーディネーターを務めた「演劇コース」です。鑑賞・育成・普及事業を企画する前提となる演劇の創造を体験することを目的に、全員が劇作と俳優に挑戦。「戯曲の書き方には大きく分けて“テーマ主義”と“モチーフ主義”の2つがある。前者はテーマを表現するためにモチーフを探して書く方法で、これはどちらかというと緻密で整った戯曲になる。後者は面白いと思ったモチーフを遊んでいくうちにテーマが出てくるというもの」と内藤さん。今回は後者の方法で、「ある日、部屋に帰ってみると脅迫状が届いていた」「冷蔵庫を開けると、真っ白なウサギが入っていた」というありそうもないシチュエーションを遊ぶ戯曲づくりを行いました。ラボ参加者全員が観客となった最終日の発表では、演出家のダメだしの模様を公開。演出家の一言で演技が見る見る変わる様子に、創作の秘密を垣間見た思いがしました。
 「ホール入門コース」では、最新のトピックスである指定管理者やアートNPOについての講義に加え、定番のアウトリーチ見学が行われました。アウトリーチでは長久手町立東小学校にマリンバの浜まゆみさんと金管五重奏のBuzz Fiveが出かけ、3・4年生を対象に事業を実施。図工室で行われたマリンバ演奏では、鍵盤の振動でピンポン球を1メートル近く撥ねさせたり、固いマレット・柔らかいマレットで弾き比べをするなどユニークな楽器紹介が行われ、子どもたちと受講生の興味を大いにそそっていました。授業終了後、受講生たちも浜さんにマリンバを触らせてもらい、目をキラキラさせていました。音楽を担当している鈴木環先生は、「今回の浜さんのアウトリーチは、話からではなく曲から入り、楽器の説明、身体を動かすなど、子どもたちの興味・関心を繋げていく内容で組み立てられていて、とても参考になりました」と子どもたちの集中ぶりに感心しきりでした。盛岡市のベテラン文化担当職員としてコーディネーターを務めた坂田裕一さんは、「初めてホール担当になった頃を思い出します」と受講生の初々しい様子に目を細めていました。
  このほか、共通ゼミでは、着物の着付け、扇の差し方、すり足から初心者が必ず習う「寿」までを体験した日舞ワークショップ、チャンバラ好きの大人心をくすぐり、斬り役、斬られ役を体験した殺陣ワークショップ(下写真)、名古屋を拠点に活動する劇団ジャブジャブサーキットを主宰する劇作家はせひろいちさんの演劇ワークショプが行われました。

西濱秀樹(NPO法人関西フィルハーモニー管弦楽団 理事・事務局長)発言要旨

  1996年に関西フィルハーモニー管弦楽団に入って10年になる。学生時代から関西フィルが好きだったので、その経営危機を訴えるシンポジウムを聞きに行ったら、あれがない、これがないという話ばっかりでだんだん腹が立ってきた。それで、「関西フィルに何があるのかから出発しないと何も生まれない。関西フィルには聴衆との距離を縮める楽しそうな雰囲気があるし、600人の会員がいるじゃないか」と発言した。それをきっかけに楽団に誘われ、何の実績もなかった26歳の自分が営業をやることになった。
 ヨーロッパでは、まず最初にクラシック音楽を聞きたい聴衆がいて、ホールがつくられ、そこで演奏するオーケストラを立ち上げるという経緯があり、クラシック音楽を支える社会的な基盤がある。しかし、日本はまず音楽家ありきで、それを支える社会的な基盤をつくってこなかったと思う。その基盤となるのが「地域」であり、ファンとの交流なのではないかと考え、関西フィルの稽古場がある弁天町(大阪市港区)を本拠地と定めて、まずは地域の人たちに関西フィルを知ってもらうところから活動をスタートした。
 稽古場が弁天町に出来て5年も経っていたのでいろいろと問題があったが、地元のお店や自治会に通い、信頼関係を取り戻す中で、回覧板などでも紹介してもらえるようになった。年4回、稽古場でコミュニティ・コンサートを開催しているし、常任指揮者の就任披露コンサートも稽古場から始めた。楽団の運営に当たっては、どうやってこのコンサートが開催できるようになったかの経緯を必ず担当者から説明させるし、主催者やホールの担当者を紹介するなど、みんなで一緒にコンサートをつくるという意識をもつことを一番の方針にしている。
 地域文化の貢献をオーケストラの柱に据えたことで、現在、野洲文化ホール、文化パルク城陽、小野市民会館などいくつかのホールと継続的な事業が実施できる関係が構築できている。

●ステージラボ長久手セッション カリキュラム

ホール入門コース 自主事業 I
(音楽)コース
自主事業II
(演劇)コース
文化政策企画・
文化施設運営コース

1
開講式・全体オリエンテーション・地域創造紹介
長久手町文化の家 事業紹介・施設見学
「コミュニケーションワークショップ」
坂田裕一
「日本のクラシック音楽の現状」
善積俊夫
「自己紹介」
内藤裕敬
「オリエンテーション」
熊倉純子
全体交流会

2
「課題発表(1)」
坂田裕一



「アウトリーチについて」 善積俊夫 「自主事業への取り組み(1)」 津村卓((財)地域創造プロデューサー) 「専門講義:指定管理者制度の現状」 草加叔也((有)空間創造研究所代表取締役)
「アウトリーチプログラムを体験する」 山本若子((有)N.A.T)
入門コース:浜まゆみ(マリンバ)、羽田めぐみ(ピアノ)
音楽コース:Buzz Five(金管五重奏)
「市町村連携とホール運営」 新田満(西和賀町生涯学習課長/銀河ホール) 「表現者とどう向き合うか」 細川紀彦(金沢市民芸術村 村長) 「自主事業への取り組み(2)」 津村卓 「基礎概論:文化政策の現状と課題」
熊倉純子
「ステージラボから9年」 榎本広樹(魚沼市文化振興課/小出郷文化会館)、坂田裕一 「オーケストラからみた地域の音楽文化との連携」 西濱秀樹(関西フィルハーモニー管弦楽団理事・事務局長) 「演劇をつくろう(1)」
内藤裕敬
「事例研究:取手アートプロジェクト」
熊倉純子
共通プログラム  (1)演劇ワークショップ
  (2)殺陣ワークショップ
  (3)日本舞踊ワークショップ
 講師:はせひろいち(劇団ジャブジャブサーキット主宰)
  講師:杉本明朗(アクションクラブ中部代表)
  講師:西川まさ子(日本舞踊西川流師範・舞踊家)
「課題発表(2)」
坂田裕一
番外ゼミ 「演劇をつくろう(2)」
内藤裕敬
番外ゼミ
番外ゼミ
番外ゼミ

3
「指定管理者制度の現状について」 草加叔也 「指定管理者制度の変革で変わるホール運営」 林健次郎((財)かすがい市民文化財団 舞台グループマネージャー) 「観客との間に」 吉原高志(関東学院大学教授) 「グループ討議(1)〜グループごとに実施」 熊倉純子
「ワークショップ(1)」 吉田重幸((株)ストーリー・レーン) 「ホールを中心とした文化活動の展開」 菱川浩二((財)多治見市文化振興財団 文化会館課長代理) 「演劇をつくろう(3)」
内藤裕敬
「グループ討議(2)〜講師を交えて」 草加叔也、林健次郎、熊倉純子
「ワークショップ(2)」
吉田重幸
「音楽企画を立てるにあたって」 桧森隆一(ヤマハ(株)静岡企画推進室室長/地域文化貢献プロデューサー) 「演劇をつくろう(4)」
内藤裕敬
「グループ討議(3)〜発表準備」 草加叔也、熊倉純子
「ワークショップ(3)」
吉田重幸
「シンポジウム『地域の音楽事業の発展のために』」 善積俊夫、西濱秀樹、桧森隆一、菱川浩二、林健次郎 「演劇をつくろう(5)」
内藤裕敬
「グループ発表」 草加叔也、吉本光宏((株)ニッセイ基礎研究所芸術文化プロジェクト室長)、熊倉純子
番外ゼミ 番外ゼミ 番外ゼミ 番外ゼミ

4
「NPOとの協働」
吉本光宏
「分科会での検討」
善積俊夫
「演劇をつくろう(6)」
内藤裕敬
「事例研究:長久手町文化マスタープラン」 清水裕之(名古屋大学大学院環境学研究科教授)、籾山勝人(長久手町文化の家事業係長)
演劇コース・発表公演
「参加者からの提言」
坂田裕一
「グループ発表とまとめ」
善積俊夫
「大ダメだし大会とすべてのまとめ」
内藤裕敬
「総括討論:これからの文化政策」
熊倉純子
全体会・閉講式

マリンバ奏者、浜まゆみさんのアクティビティの模様
長久手町立東小学校で行われたアウトリーチ。マリンバ奏者、浜まゆみさんのアクティビティの模様

自主事業II(演劇)コースの発表公演の様子
自主事業II(演劇)コースの発表公演
西濱秀樹さんの講義の様子
関西フィルハーモニー管弦楽団・西濱秀樹さんの講義
日舞ワークショップの様子
共通プログラムとして行われた日舞ワークショップ

コースコーディネーター
ホール入門コース
坂田裕一(盛岡市観光課主幹兼ブランド推進室長)
自主事業 I (音楽)コース
善積俊夫(社団法人日本クラシック音楽事業協会常務理事)
自主事業 II (演劇)コース
内藤裕敬(劇作家・演出家、南河内万歳一座座長)
文化政策企画・文化施設運営コース
熊倉純子(東京藝術大学助教授)
ステージラボに関する問い合わせ
芸術環境部 関根健 Tel. 03-5573-4164


制作基礎知識シリーズVol.25 チケット営業(2)

●営業の実務と実践

 講師 佐藤和久(北九州芸術劇場)
 販売目標を定め、チケットの動きを確認しながら多角的に販売

営業実践
 営業する準備が整ったら実践の活動に入ろう。営業スタイルは個人によってさまざまだが、ここでは一例を挙げるので参考にしていただきたい。
 ある企業が販促キャンペーンとして公演チケットをプレゼントするなど、チケットを販促ツールとして扱うケースがあるように、私たちが日々生活する環境の中にも、営業先になるであろうヒントは数多く存在する。私が営業担当になった当初、これまで意識していなかったビルのテナントにも目を配るようになるなど、町全体が営業先に見えたほどだが、いずれにしても自分なりに意識を高めながら日々、足で稼ぐことが大切だ。

1.営業(訪問)先へのアプローチする

  営業先へのアプローチとしては、基本的に担当者にコンタクトを取って直接会う方法をお勧めしたい。電話だけでは入手できる情報には限界がある。面会してコミュニケーションを図ることで、さまざまな情報を入手することが可能となってくるし、次回からの展開にも役立つ(*)

ダイレクトメール
一方的なDMではほとんど効果は望めないので、担当者を確認した上で、公演資料と挨拶文を同封して郵送し、その後、コンタクトを取って訪問すること。電話で担当者を確認する際に、内容等の説明も必要となるので、この段階である程度の感触を掴むことができるし、資料を郵送しても効果が無いとの判断材料にもなる。
直接訪問
電話で訪問する趣旨(内容)を伝え、直接訪問する。
紹介
関係者や知人などから営業先を紹介してもらい、コンタクトを取って訪問する。

2.営業販売枚数を設定する

  営業で販売するチケット枚数の目標を立てる。目標といっても経験や実績が伴わないと想定することが出来ないので、まずは無理がない販売枚数を設定するところからスタートして、それに近づける営業努力を行うことが大切である。毎公演、営業・会員・一般流通で販売するチケット枚数を想定して、自分なりに公演事業を組み立てる意識が重要である。経験と実績を積むことにより、公演規模や公演内容が違ってもある程度、予測が立てられるようになる。
 ちなみに北九州芸術劇場の場合は、総販売枚数の5割を営業と会員で販売、残り5割を一般流通で販売するイメージでチケット販売を組み立てている。

3.営業スケジュールを立てる

  営業の動きは大きく、一般発売前の「買取営業」と、一般発売前後からの「斡旋営業」に分けられる。
 買取営業は、発売前の3〜4カ月前(これより早く動く場合も多々ある)から営業に入る。早めの動きとなる要因は、(1)流通へのチケット委託(発売前に配券が必要)、(2)貸切の場合(チラシに表記が必要)、(3)大口の団体が成立した場合(チケットの確保が大前提となるので、発売後に大口団体が成立してもチケットが用意できない場合がある)などである。
 斡旋営業は、企業や団体によって取扱い形態がさまざまなので、訪問した際に担当者と斡旋方法及び受付方法の確認が必要となる。当然、チケット代金の支払方法も異なる。
 北九州芸術劇場の場合は、買取・斡旋営業については、流通に配券する一般発売日前までにある程度確定できるスケジュールで組み立てている。一般発売前に団体販売枚数を確定させることにより、一般発売後にチケットの動きが悪い場合でも、その後の営業対策を立てることがスケジュール的に可能となるからだ。

4.営業実務

  実施する公演の販売予測(営業・会員・一般)を立て、営業方針および営業販売目標を決めて活動に入る。営業先との取り扱いが決定したら、販売(斡旋)方法に関する詳細を決める。その後、作成した仮おさえ表に必要な情報を随時入力して、販売(斡旋)管理を行う。また、営業先で案内する情報の掲載締切日までに公演情報やチラシ、写真などを手配する。別途作成する案内状や斡旋用のチラシが必要な場合は、指定される期日までに納品する。
 「販売週報」を作成し、一般発売後のチケットの動きを毎週確認する。人気公演で即日完売するような公演は少ないので、一般流通の販売状況を見ながらチケットの販売予測を立て、販売状況が悪い公演の新たな営業計画やプロモーションプランを組み立て直していく。一般的には発売から3〜4週目である程度、一般流通の伸び率が推測できるだろう。
 北九州芸術劇場の場合は、チケットの販売期間は約2カ月と比較的短く設定しているので、販売状況が悪い公演の場合は、早めに対応策を立てるようにしている。営業は新規の開拓や今回取り扱いのない取引先に斡旋の依頼を行いながら、事業の担当者と動員対策(有料・招待)を講じる。例えば、公演に関連する団体や類似公演の観劇者、ワークショップ参加者などへ優待案内DM、新聞での公演記事に絡めたプレゼント告知、パブリシティ効果を見込んでプレス会見を設定し、その際に情報番組のブッキングや新聞・雑誌等のインタビュー取材等を仕込むなど、有効と思われることをさまざまに仕掛けていく。
 その際に留意すべきことは、動員対策が必要だからといって、むやみに招待券を配布しないこと、優待チケットの単価を下げすぎないこと。このような状況が続くと、定価でのチケット販売に悪影響を及ぼすことになりかねないからだ。

[企業や団体の斡旋方法(例)]
 企業や団体が社員等にチケットを斡旋する方法としては、自社の媒体(会員誌・季刊紙)に斡旋情報を掲載する、公演チラシに斡旋の案内を添付する、斡旋用のチラシを別途制作する、社内の掲示板等にポスターなどを掲示する、社内メールやウェブ上に情報を掲載するなど、さまざまな募集方法がある。

[チケット受付・決済方法(例)]
 企業や団体の担当者が取りまとめて、一括で発注する場合、および企業や団体に申し込みが入り次第、随時発注する場合があるが、いずれもチケット代金は企業(団体)からの支払いとなる。希望者が直接申し込む場合は、チケット代金は個人が直接指定先に入金する。

[委託・斡旋販売業務の流れ]
 チケット販売の全体の流れをまとめたのが右頁の図である。販売方法によって異なる業務内容は以下のとおり。
  • 委託販売の場合
    卸価格・販売価格・販売手数料・委託枚数・締切日の設定→チケット納品(納品書発行)→案内→確定→チケットの引き取り(請求書発行)→入金確認
  • 企業や法人が窓口となって斡旋販売する場合
    卸価格・販売価格・販売手数料・チケット抑え枚数・締切日の設定→案内→確定→チケット一括納品(請求書発行)→入金確認
  • チケットセンターや営業で直接申し込みを受ける場合
    斡旋価格・受付期間の設定→案内→受付→指定口座への入金確認→チケット郵送

[販売週報の作成]
 一般流通からの券売状況は毎週報告がある。それに営業の確定数字(週の動き)を加えたデータ表を発券ベースで作成する。販売週報を作成することにより、現在の販売状況や今後の販売推移を予測することができる。

[営業報告書の作成]
 企業・団体名称、担当者、連絡先、訪問状況や決定事項など、訪問した際の情報を報告書にまとめる。再度訪問する際に参考となる資料なので、なるべく詳細な内容にして作成すること。

[営業会議の設定]
 販売週報をもとに営業会議を設定する。チケット券売状況や営業報告、今後の営業方針などを会議のテーマとして実施する。

[公演当日の役割]
 招待受付、営業先アテンド、チケットのトラブル処理、お客様のクレーム対応など、劇場の表周りは営業が担当します。表周りを担当することで、来客層も確認できるので、作品によった客層の分析も可能になり、今後の営業や宣伝展開などに活かすことができる。

5.年間の営業計画

  北九州芸術劇場では、年間のラインナップが大枠決まった段階で、ラインナップ一覧表を作成し、大口の団体や互助会組織など、早めに情報が必要な団体へ情報提供を行う。同時期に、4月〜9月(上期)に上演される作品の統一チラシを制作(下期も同様)する。この統一チラシは、営業ツールとして活用しながら、本公演のチラシが制作されるまで、公演の度にチラシ折り込みを行う。こうした早め早めの情報提供を心がけることが大切である。公演ラインナップは、年2回、上期と下期に分けてプレス会見を実施して発表している。
 また、年間ラインナップが決定した段階で、それぞれの作品の集客率を想定しながら、チケット販売を強化する公演を決定する。その後、各公演の一般発売日などの公演概要が決まったら、営業・会員・流通での販売予測を立てて、団体販売の営業活動に入る。

チケット販売の流れ
図:チケット販売の流れ

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