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制作基礎知識シリーズ番外編
公立文化施設職員のためのインターネット活用術
〜概況と便利サイト

講師 坪池栄子

 制作基礎知識シリーズでは、1999年11月号〜2000年2月号の4回にわたってインターネット活用術を紹介しましたが(*)、現在では、ネットを通じて入手できる情報量も飛躍的に増え、各種データベース(DB)の整備も進んでいます。今回の番外編では、今号で概況と公立文化施設職員のための便利サイトを紹介するとともに、次号以降では、特に注目される美術領域のデータベース化の動向などについて紹介します。


●概況

 2000年に森内閣によって「e-Japan」が提唱されて以来、インフラの整備が進み、2006年2月現在のインターネット世帯普及率は57.3%(接続場所を問わずインターネットを利用している人がいる世帯は85.4%)に上っています。
  また、2003年には、政府が重点計画の中で「コンテンツ政策の活性化」を掲げ、「日本文化への理解向上を図るため、さまざまな情報のデジタル化・アーカイブ化および国内外への発信を推進」するとして、この領域への具体的な支援に着手しました。これにより、地域の伝統芸能や古典芸能などのアーカイブ化が進展するなど、ネット上でこれまでにない情報が入手できる状況になってきています。
  加えて、ネット上の膨大な情報を有効に活用するために不可欠な検索サイト(「Google」「goo」など)の機能が向上し、また、利用者の共同執筆により日々増殖しているフリー百科事典「Wikipedia(ウィキペディア)」が日本語20万語、英語100万語以上を収録し、文化芸術領域についてもアニメや古典芸能をはじめとしてジャンルによってはかなりの基礎情報を提供しています。
  日本では、2002年頃からブログ(簡単にHPが作成できるだけでなく、その内容が自動的に要約配信され、トラックバック機能によって自動的にネットワークが構築される)が急速に広まり、今では多くの人がブロガーとして情報の受発信をするようになりました。文化芸術の領域でもアーティスト、ジャーナリスト、プロデューサー、アートアドミニストレーターなど現場に関わる人が自ら発信者になるケースが増えています。日記的なものから、「指定管理者」のような専門情報の切り抜きをアップしたものまで玉石混淆ですが、注意してウオッチングすると思わぬブロクを発見することもできます。ただし、個人ブログの情報はオフィシャルサイトと異なり、情報の信憑性についてはよく調べる必要があります。
  また、CDや本、チケットのネット販売など商用サイトが発展してきたのに伴い、活用の仕方によってはそこから無料でニュースや最新情報を入手できるジャンルもあります。
  このように、インターネットは公立文化施設職員が業務を行うためのリソースとしてなくてはならないものになっています。以下、レファレンスとして活用できる便利サイトをご紹介します。


●便利サイト(美術は次号以降で紹介)

◎クラシック音楽
  日本のクラシック音楽を概観できるサイトはありませんが、アーティストのDBとしては、NECが社会貢献として日本クラシック音楽協会と共同で取り組んでいる「NEC Navigates JAPAN'S CLASSICAL MUSIC ARTISTS」が最も充実しています。英語での情報発信をメインにしていましたが、順次日本語への翻訳を進めていますので、演奏家(邦楽含む)のプロフィール情報はここで十分入手できます。トピックスもありますので定期的にチェックするといいでしょう。また、国内外のオーケストラ、オペラハウスなどのリンク集は老舗個人サイトの「CLASSICA」が便利です。リンクには、ヨーロッパのオペラ・音楽祭のスケジュールを検索できる「Operabase」などもリストアップされています。

◎邦楽
  邦楽(日本の伝統音楽)については、Wiki-pediaでかなり広範な基礎知識を入手することができます。また、日本伝統文化振興財団が運営する「じゃぽ音っと」には演奏家のDBや解説が充実しているほか、コロムビア・ミュージック・エンタテインメントが運営する「日本の伝統芸能」には楽器や歴史が詳しく解説されています。全国の和太鼓奏者・団体を調べたい場合は、「和太鼓ドンドン・ドットコム」にDBがあります。雅楽もWikipediaに詳しい基礎知識が掲載されているほか、個人サイト「雅楽」も充実しています。また、「邦楽ジャーナル」には演奏家などのリンク集があります。

◎歌舞伎
  歌舞伎の基本知識もWikipediaが充実しています。財団法人日本芸術文化振興協会が運営する「文化デジタルライブラリー」では入門者向きの歌舞伎基礎知識がヴィジュアルに紹介されているほか、映像を見ることもできます。また、日本でも屈指の演劇関係の資料を収集した「早稲田大学坪内博士記念演劇博物館」のサイトには、 同博物館に所蔵されている4万7,000枚もの歌舞伎の浮世絵DBを検索できる「浮世絵閲覧システム」があります。このほか、伝統芸能専門誌「KENSYO」のサイトでは古典芸能の役者のロングインタビューを読むことができます。個人サイトには、英語ですが、歌舞伎の基礎知識や役者・演目のDBなど非常に充実した「KABU KI21」、地域で継承されている農村歌舞伎など187カ所をリンクした「歌舞伎・農村歌舞伎リンク」もあります。

◎能・狂言/文楽
  「能・狂言」「文楽」が世界無形遺産に認定されたのを機にサイト情報を充実する動きがでてきましたが、まだ数は限られています。能の総合サイトとしては、日本芸術文化振興会(Japan Arts Council)による「能楽への誘い」の基礎知識が充実しており、映像を見ることもできます。また、社団法人日本能楽協会のサイトには能楽の曲目(作品)のDBと全国約70カ所の能楽堂のDBがあります。イベント情報が充実している「能 狂言」、能楽師のホームページへのリンクが充実しているNPO法人せんすのHPなども便利です。 文楽の総合サイトとしては、日本芸術文化振興会の「文楽への誘い」と文楽協会のサイトがあります。読売新聞関西発の「文楽の招待」というニュースのコーナーでは、文楽のホットニュースを配信していますので、興味のある方はぜひチェックしてください。

◎民俗芸能/文化財
  このジャンルでは、国や自治体のプロジェクトとして、日本の芸能や文化財を発信するための情報のデジタル化が図られています。「国指定文化財等データベース」、国や地方の有形・無形文化財の情報発信を目的とした「文化遺産オンライン」、地域創造の運営により地域の伝統芸術等の映像を公開している「地域文化資産ポータル」、北海道の運営により産業遺産から文化施設まで道内のさまざまな文化的資源をジャンル別に紹介している「北海道文化資源データベース」など。まだ実験運用中のものもありますが、今後ますます充実していくと思われます。また、地域伝統芸能活用センターのホームページには全国の地域伝統芸能野DBがあります。

◎現代演劇/現代ダンス
  現代演劇や現代ダンスについては、古典と比べて、Wikipediaの基礎知識は決して充実しているとは言えません。個別カンパニーや個人の評論サイトはたくさんあるものの、包括的な情報を入手できるサイトは限られています。イベント情報はありませんが、国際交流基金が運営している月刊のバイリンガルウェブマガジン「Performing Arts Network Japan」は、アーティスト・戯曲DB、フェスティバルカレンダー、アーティストのロングインタビューなどが充実しています。現代演劇については、チケット情報を発信している商用サイト「シアターガイド」がニュースや記者会見情報なども掲載し、最新の公演情報を入手するには便利です。また、早稲田大学演劇博物館が運営する「デジタル・アーカイブ・コレクション」には現代演劇の上演記録のデータベースがアップされており、公演記録を調べるのに役立ちます。現代ダンスについては、NPO法人Japan Contemporary Dance NetworkのHPに100名を超えるアーティスト・カンパニーの情報が写真付きでアップされています。

◎その他劇場、ウェブマガジンなど
  Theatre Supportが運営する「HALL IN ONE」では全国約1,500カ所のホールがDB化されています。また、旬のアーティストやイベントを取り上げるトレンドマガジンには「TOKYO SOURCE」「REAL TOKYO」などがありますので、チェックしてみてはいかがでしょう。

http://www.jafra.or.jp/j/library/letter/055/

●検索、事典
◎「Google」
http://www.google.co.jp/
◎「goo」
http://www.goo.ne.jp/
◎「Wikipedia」
http://ja.wikipedia.org/

●クラシック音楽
◎「NEC Navigates JAPAN'S CLASSI CAL MUSIC ARTISTS」
http://japansclassic.com/top_j.html
◎「CLASSICA」
http://www.classicajapan.com/
◎「Operabase」
http://www.operabase.com/

●邦楽
◎「じゃぽ音っと」
http://japan.japo-net.or.jp/
◎「日本の伝統芸能」
http://jtrad.columbia.jp/jpn/index.html
◎「和太鼓ドンドン・ドットコム」
http://www.wadaikodondon.com/
◎「雅楽」
http://www.gagaku.net/
◎「邦楽ジャーナル」
http://www.hogaku.com/link.html

●歌舞伎
◎「文化デジタルライブラリー」
http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/
◎早稲田大学坪内博士記念演劇博物館
http://www.waseda.jp/enpaku/
◎「KENSYO」
http://www.iijnet.or.jp/NOH-KYOGEN/kensyo/index.html
◎「KABUKI21」
http://www.kabuki21.com/
◎「歌舞伎・農村歌舞伎リンク」
http://www.asahi-net.or.jp/~tq7k-wtnb/link01.htm

●能・狂言/文楽
◎日本芸術文化振興会「能楽への誘い」
http://www2.ntj.jac.go.jp/unesco/noh/jp/
◎社団法人日本能楽協会
http://www.nohgaku.or.jp/
◎「能 狂言」
http://www.iijnet.or.jp/NOH-KYOGEN/
◎NPO法人せんす
http://www.sense-nohgaku.com/
◎日本芸術文化振興会「文楽への誘い」
http://www2.ntj.jac.go.jp/unesco/bunraku/jp/
◎財団法人文楽協会
http://bunraku.or.jp/
◎読売新聞関西発「文楽の招待」
http://osaka.yomiuri.co.jp/bunraku/news/

●民俗芸能/文化財
◎「国指定文化財等データベース」
http://www.bunka.go.jp/bsys/
◎「文化遺産オンライン」
http://bunka.nii.ac.jp/Index.do
◎「地域文化資産ポータル」
http://bunkashisan.ne.jp/
◎「北海道文化資源データベース」
http://www.pref.hokkaido.jp/kseikatu/ks-bsbsk/bunkashigen/index.html

●現代演劇/現代ダンス
◎「Performing Arts Network Japan」
http://www.performingarts.jp/
◎「シアターガイド」
http://www.theaterguide.co.jp/
◎「演劇博物館デジタル・アーカイブ・コレクション」
http://enpaku.waseda.ac.jp/db/
◎Japan Contemporary Dance Network
http://www.jcdn.org/

●その他劇場、ウェブマガジンなど
◎「HALL IN ONE」
http://www.hall-in-one.com/
◎「TOKYO SOURCE」
http://www.tokyo-source.com/japanese/index.php
◎「REAL TOKYO」
http://www.realtokyo.co.jp/japanese/

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