地域創造

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地域創造レター

News Letter to Arts Crew

6月号-No.170
2009.6.10(毎月10日更新)

今月のニュース

平成21年度公共ホール音楽活性化事業全体研修会
2009年4月21日〜23日

平成20・21年度おんかつ登録アーティストプレゼンテーションの模様(第一生命ホール) 写真:平成20・21年度おんかつ登録アーティストプレゼンテーションの模様(第一生命ホール)
左上:ピアノトリオ・ミュゼ
左下:小谷口直子(クラリネット)&福島青衣子(ハープ)
右上:今野尚美(ピアノ)
右下:研修会の模様(地域創造会議室)



 12年目を迎える公共ホール音楽活性化事業(以下、おんかつ)の参加団体の担当者を対象にした全体研修会が、4月21日から23日まで地域創造会議室と第一生命ホールを会場にして開催されました。
  おんかつは、オーディションにより選ばれた登録アーティスト(2年入替制)とコーディネーターを市町村の公共ホール等に派遣し、地方公共団体との共催でコンサートと4回のアクティビティ(アウトリーチをはじめとする演奏交流プログラム)を企画・実施するものです。参加団体担当者、コーディネーター、登録アーティストが一堂に会する全体研修会では、具体的な事例を参考にしながら実務を学ぶ研修に加え、登録アーティストの実演を見るプレゼンテーションが行われます。参加団体の担当者はこの研修会を参考にアーティストを決め、コーディネーターの協力を得て企画づくりを行い、年度内に事業を実施します。
  今年度は全国19団体が参加し、登録2年目を迎える8組のアーティストや12名のコーディネーター・サブコーディネーターと意見交換を行い、交流を深めました。


●一層アクティビティ初心者に配慮したケーススタディ

 参加団体には、地域資源を活用するなど、高度な企画力やコーディネート力が求められるアクティビティを企画するところもあれば、学校に初めてアウトリーチに出掛ける参加団体もあります。今回のケーススタディでは、徳島県海陽町の海南文化館と片岡リサさん(箏・地歌三味線)、岩手県北上市の北上市文化交流センター・さくらホールと大熊理津子さん(マリンバ)、山口県阿武町の阿武町町民センターと小野明子さん(ヴァイオリン)の取り組みが紹介されましたが、より初心者に配慮した視点からケーススタディが行われました。
  日本語の美しさを伝えたいと日本の歌コンサートを継続的に実施していた海南文化館の池内実さんは、「日本の歌をテーマにした企画をイメージして第一案として声楽家の派遣を希望していた。片岡さんはプレゼンテーションのときに歌を歌いながら箏を弾かれたのが印象的で、その箏の音に圧倒された。スケジュールの関係で第二案の片岡さんに来ていただくことになったが、正直、邦楽は初めてだったのでとてもとまどった」と企画変更から話をスタート。中学校3校、箏と三味線の愛好家グループへのアウトリーチ・プログラムを、流派や初心者・経験者の違いなどに悩みながら試行錯誤して組み立てたプロセスを丁寧に説明。「コーディネーターも付いているので、これまでとは違う取り組みを目指すのもいいと思う」と控え目ながら力強いエールを送っていました。
  また、北上市の事例では、アウトリーチ先の小学校の選定について詳しく紹介されました。北上市では実施の1年以上前から構想がスタート。実際にアーティストが決まり、アウトリーチ先などと調整していく間に内容が固まっていき、最終的に小学校2校でアウトリーチが行われました。担当の千葉真弓さんは、「教育委員会に文書を出し、校長会で説明して、市内20校に改めて文書を配布したが申し込みはゼロだった。教育委員会からは平等に声を掛けてほしいと言われていたので、個別交渉するのもためらわれ、校長会会長にもう一度相談にうかがった。文書だけだと忙しい先生たちに内容を伝えることが難しいというのがよくわかった」と経験談を披露。コンサート終了後、アーティストを囲んだスープトークを企画するなどの関係づくりを図った結果、2年目からは10数校から申し込みがあり、地元のNPOから手伝いたいとの申し出もあるなど、丁寧なアウトリーチの成果を報告されていました。
  阿武町の事例では、全校生徒14人の小学校で保護者や地域の人たちにもオープンにして行われたアウトリーチや、全校生徒23人の小学校と全校生徒15人の中学校の合同でのアウトリーチなど、過疎地域ならではの取り組みが紹介され、参加団体の関心を集めていました。


●登録2年目の落ち着きあるプレゼンテーション

 2日目には、アクティビティの事例を映像で紹介した後、平成20・21年度登録アーティストによるお披露目のプレゼンテーションが各30分、計約4時間にわたって行われました。
  アウトリーチ・プログラムのプレゼンテーションというより、選曲を工夫したパフォーマンスが多かったのが今回の特徴です。その中で楽器説明、楽器の音色を活かした楽曲演奏などアウトリーチらしいステージングを見せたのがアウトリーチ・フォーラム出身のピアノトリオ・ミュゼと木管五重奏のQui ntet「Hアッシュ」です。また、バリトンの吉川健一さんも『魔王』の絵本を朗読するなどのチャレンジで笑いを誘っていました。
  その他、昨年度のおんかつでコンビを組んで地域に出掛けたというクラリネットの小谷口直子さんとハープの福島青衣子さんは、息の合ったセッションを披露。廃校となる小学校へ贈った曲を演奏した今野尚美さん、連弾や2台ピアノの魅力をブラームス、ショパンなどの熱演で伝えたピアノデュオ・ドゥオール、ヴァイオリンの代表曲を並べた高橋和歌さんと、力の入った演奏が続きました。


●平成21年度「公共ホール音楽活性化事業」全体研修会スケジュール


●平成20・21年度公共ホール音楽活性化事業登録アーティスト
今野尚美(ピアノ)
高橋和歌(ヴァイオリン)
小谷口直子(クラリネット)
福島青衣子(ハープ)
吉川健一(バリトン)ドゥオール/藤井隆史&白水芳枝(ピアノデュオ)
ピアノトリオ・ミュゼ(ピアノトリオ)
Quintet「H」(木管五重奏)

●公共ホール音楽活性化事業平成21年度実施団体(19団体)
NPO法人たきかわホール(北海道滝川市)/斜里町教育委員会(北海道)/(株)アート&コミュニティ(青森県八戸市)/白鷹町教育委員会(山形県)/那珂市教育委員会(茨城県)/(財)東松山市施設管理公社(埼玉県)/大町市教育委員会(長野県)/川上村(長野県)/多気町教育委員会(三重県)/(財)城陽市民余暇活動センター(京都府)/(財)河内長野市文化振興財団(大阪府)/(株)双葉化学商会(兵庫県西宮市)/日高川町教育委員会(和歌山県)/新見市教育委員会(岡山県)/真庭市教育委員会(岡山県)/勝央町教育委員会(岡山県)/(財)高知市文化振興事業団(高知県)/ NPOとさしみず(高知県土佐清水市)/(株)イズミテクノ(熊本県八代市)

●公共ホール音楽活性化事業に関する問い合わせ
芸術環境部 沼田・瀬川
Tel. 03-5573-4093

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