地域創造

WWW を検索 jafra.or.jp を検索 powered by google

書庫

戻る

地域創造レター

News Letter to Arts Crew

2月号-No.178
2010.2.10(毎月10日更新)

今月のニュース

平成21年度地域創造大賞(総務大臣賞)表彰式

平成21年度地域創造大賞表彰式 写真:平成21年度地域創造大賞表彰式
左:金澤和夫総務省大臣官房審議官から表彰を受ける大豆生田実足利市長
右:出席者記念撮影



 「JAFRAアワード」は、平成16(2004)年度に財団法人地域創造設立10周年を記念して創設された総務大臣賞です。この賞は、地域における文化・芸術の振興による創造性豊かな地域づくりに特に功績のあった公立文化施設を顕彰し、公立文化施設のさらなる活性化を図り、美しく心豊かなふるさとづくりの推進に寄与することを目的としています。これまでに42館が表彰され、その活動は広く全国に紹介されています。
  今年度から地域のさらなる発展を願って、名称を「地域創造大賞」と改め、審査委員会において厳正な審査を行った結果、全国から右頁の8施設が選ばれ、1月19日、東京・グランドアーク半蔵門において表彰式が行われました。
  はじめに主催者の財団法人地域創造理事長の林省吾より、「私どもの財団は、文化・芸術を通じて元気な地域づくりをしている地方公共団体を応援することを本分としています。地域社会が抱えている深刻な問題に対して、文化・芸術は総合的な処方箋となり、多大な行政効果をもたらしてくれるものと確信しています。これからも皆様のさらなるご活動を期待しています」との挨拶がありました。
  映像による受賞施設紹介の後、表彰状および記念の盾の授与が行われ、原口一博総務大臣からは、「少子高齢化・人口減少社会が到来する中にあって、地方においては、地域主権の確立、低炭素社会への転換等の改革の推進が強く求められています。そのため総務省では、地域の豊かな自然環境、地域において生産される食料、エネルギー、あるいは歴史文化資産等の地域資源を最大限活用し、地域の活性化、絆の再生を図ることにより、『地域から人材、資金が流出する中央集権型の社会構造』を『地域の自給力と創富力(富を創り出す力)を高める地域主権型社会』へと転換する『緑の分権改革』を推進しています。今後とも全国の公立文化施設のモデルとして、それぞれの地域の暮らしをより心豊かなものにしていただけるよう期待しています」との祝辞(金澤和夫総務省大臣官房審議官代読)をいただきました。
  次に受賞施設を代表して、岩手県西和賀町の細井洋行町長が銀河ホールの歩みを振り返りながら、「合併前、人口約5,000人の湯田町が演劇専用ホールを建設するには紆余曲折がありましたが、ぶどう座という地域劇団とともに一人でも多くの町民に舞台に立ってもらいたいと高齢者演劇などに取り組んでまいりました。こうした活動を高く評価していただけたことを町民ともども大変喜んでおります」と、感謝の言葉を述べられました。
  最後に、審査委員を代表し、扇田昭彦氏より「ユニークな施設が多く選考するのが大変困難でした。限られた予算の中で尽力されている市町村施設を特に評価しようと審査を行いましたが、特徴的な取り組みをしている県・政令市の施設の応募が多く、今回の結果となりました。今後もぜひさまざまな施設の方々にご応募いただき、この賞を支えていただければと思います」という総評をいただきました。
  今回の賞は、受賞された施設のみならず、それらの施設を支え、文化・芸術による地域づくりに参加していただきました地域の皆様のご協力に対する感謝を込めて贈られるものです。心よりお祝い申し上げますとともに、今後のさらなるご活躍を期待しております。


●地域創造大賞 受賞施設
西和賀町文化創造館 銀河ホール│岩手県西和賀町

“高齢者演劇”により町民の福祉を向上
高齢者の社会参加と生きがいづくりを目的とした高齢者演劇や、地域間交流を目的とした地域演劇祭など、特色ある事業を展開。人口約7,000人というきわめて小規模な町の演劇専用ホールとして、演劇を通じた町民福祉の向上に貢献した。
[開館年]1993年
[設置者]岩手県西和賀町
[運営者]岩手県西和賀町

小美玉市四季文化館(みの〜れ) │茨城県小美玉市

“市民参画型運営”でまちづくりの人材を育成
徹底した市民参画によるホール運営を推進。約200名の市民実行委員会が毎年、各種事業計画に携わり、市民劇団・楽団を含むボランティア組織の「みの〜れ支援隊」約160名がホールを支えるなど、ホール事業を通じたまちづくりの新たな人材育成のあり方を提示した。
[開館年]2002年
[設置者]茨城県小美玉市
[運営者]茨城県小美玉市

足利市民会館 │栃木県足利市

“質の高い鑑賞事業”により生涯学習を推進
1966年に開館して以来、小学生、中学生等を市民会館に招いた質の高い芸術鑑賞教室を開くなど、40年以上にわたり鑑賞者の育成に尽力。2007年からは現代版「足利学校」の創設プロジェクトを発足し、市民ミュージカルやユースオーケストラへの取り組み、さらには伝統芸能の継承・普及など、市民の生涯学習に長年にわたって貢献した。
[開館年]1966年
[設置者]栃木県足利市
[運営者](財)足利市みどりと文化・スポーツ財団

彩の国さいたま芸術劇場 │埼玉県

“アーティストとの交流”により文化力を向上
芸術監督を擁する首都近郊の大型複合文化施設として、開館以来、クラシック音楽・コンテンポラリーダンス・現代演劇の国際的なプロダクションを精力的に展開。また、蜷川幸雄が立ち上げた二つの演劇集団、55歳以上のメンバーからなる「さいたまゴールド・シアター」および若手俳優による「さいたまネクスト・シアター」への支援に取り組み、公立劇場の新たな道と演劇の可能性を拓いた。
[開館年]1994年
[設置者]埼玉県
[運営者](財)埼玉県芸術文化振興財団

石川県立音楽堂 │石川県

“地域オーケストラ”によるホール運営に新境地
公立ホールと地域オーケストラの一体運営を実現。オーケストラ・アンサンブル金沢のノウハウを活かし、邦楽・ポピュラー等とのコラボレーション、地域間連携と市民協力によるオペラ、アウトリーチなどを定期的に実施し、地域オーケストラによるホール運営と地域活性化への新たな道を拓いた。
[開館年]2001年
[設置者]石川県
[運営者](財)石川県音楽文化振興事業団

静岡音楽館AOI │静岡市

“芸術監督制”により音楽文化の発展と普及に尽力
高い理念を掲げ、芸術監督と専門家の企画会議委員などによりクラシック音楽を中心とした事業を推進。1995年に開館して以来、若い音楽家を積極的に登用し、現代音楽の新作委嘱を続けるとともに、特色ある「子どものための音楽ひろば」を運営するなど、音楽文化の発展と普及の両立に尽力した。
[開館年]1995年
[設置者]静岡市
[運営者](財)静岡市文化振興財団

福岡アジア美術館 │福岡市

アジアと地域を結ぶ“交流型美術館”の旗手
アジアの近現代美術作品を系統的に収集・展示する専門館として、日本におけるアジア美術の評価を高めた旗手。「福岡アジア美術トリエンナーレ」やアジアの美術作家・研究者の招聘事業を通じて、アジアと地域を結ぶ多文化交流を実現した。
[開館年]1999年
[設置者]福岡市
[運営者]福岡市

熊本県立劇場 │熊本県

“ネットワーク型運営”により県域の文化力を向上
県立劇場としてのノウハウを活かし、市町村ホールに対するソフト事業の提供、職員の研修受け入れ、舞台制作スタッフの育成、市町村との共催によるアウトリーチ事業などに尽力。リーダー館として県域の文化力向上に貢献した。
[開館年]1982年
[設置者]熊本県
[運営者](財)熊本県立劇場

●地域創造大賞審査委員会
◎委員長
扇田昭彦(演劇評論家)
◎委員長代理
田村孝子(静岡県コンベンションアーツセンター グランシップ館長)
◎委員
・ 加藤恒夫(社団法人企業メセナ協議会専務理事)
・熊倉純子(東京芸術大学音楽学部音楽環境創造科 准教授)
・ 小林真理(東京大学大学院人文社会系研究科 准教授)
・ 坪池栄子(株式会社文化科学研究所研究プロデューサー)
・仲道郁代(ピアニスト)
・ 林省吾(財団法人地域創造 理事長)
・ 柳沢秀行(財団法人大原美術館 学芸課長)
・ 吉本光宏(株式会社ニッセイ基礎研究所 芸術文化プロジェクト室長)
*五十音順


平成21年度「邦楽モデル事業」開催

平成21年度「邦楽モデル事業」開催 写真
左上:益田市ワークショップの様子(会場:ふれあいホールみと、アーティスト:山野安珠美・市川慎・小池摩美)
右上:雲南市ワークショップの様子(会場:雲南市古代鉄歌謡館、アーティスト:奥山u勢、佐久間景子、樋口千清代)
左下:津和野町アウトリーチの様子(会場:津和野町立津和野中学校、アーティスト:片岡リサ、岡村慎太郎、清野樹盟)
右下:ガラコンサート(いわみ芸術劇場)



 地域創造では、これまで行ってきた伝統文化による地域づくりの支援や、公共ホール活性化事業での取り組みを踏まえ、邦楽による地域活性化のための事業を検討してきました。特に、平成14(2002)年度より小中学校において日本の伝統楽器の教育が取り入れられたこともあり、ホールと学校の連携を意識して検討を進め、平成21年度8月より、島根県立いわみ芸術劇場をパートナーとしてモデル事業を実施しました。


●県立ホールが主体となった邦楽モデル事業の枠組み

 邦楽にあまり馴染みのない公共ホールも多いことから、今回の邦楽モデル事業では県立ホールが主体となってコーディネートを行い、市町村ホール、演奏家、地域創造が派遣するコーディネーターが協働して、研修会や打ち合わせを行いながら事業を進める方式を取りました。
  主なプログラムは、邦楽アウトリーチの手法を開発する研修会、県立ホールのサポートにより県内市町村で実施する地域交流プログラム(学校アウトリーチと市町村ホールプログラム)、県立ホールでの演奏家全員が参加する総括的演奏会などです(下記データ欄「事業の流れ」参照)。
  特にいわみ芸術劇場の山ア篤典館長がディレクターとなって現地事業を統括したことで、県立ホールの役割が明らかになり、地域の実情やニーズに沿った事業企画が実現しました。
  地域交流プログラムは益田市、雲南市、津和野町で実施しました。小学4年生から中学3年生まで9校12クラスでアウトリーチを行い、ホールプログラムとしては、ふれあいホールみと(益田市)、古代鉄歌謡館(雲南市)、日原山村開発センター(津和野町)でワークショップを実施しました。事前のヒアリングで学校からの邦楽器の体験に関するリクエストが多かったことを受け、学校と地域のホールの役割分担も意識しながら、学校アウトリーチは鑑賞に主眼を置いた内容とし、市町村ホールのプログラムは体験型ワークショップにしました。
  事業に参加した演奏家は、公共ホール音楽活性化事業の登録アーティストの経験もある筝曲の片岡リサさんをはじめとした9名で、3人1組のチームを組み、各チームが1市町村を担当しました(演奏家詳細は下記データ欄参照)。


●研修会の充実

 今回特に力を入れたのが研修会です。8月25日に関係者が一堂に会した「全体研修会」では、チーフコーディネーターを務めた児玉真さんから邦楽事業の趣旨やホールがアウトリーチを実施する意義と注意点などについてのレクチャーを受けました。続いて、片岡さんによる参加者を生徒に見立てたアウトリーチのデモンストレーションも行われ、参加者はアウトリーチの具体的なイメージをつかみました。
  また、今回挑戦したことのひとつに、「各学校の先生にもプログラムづくりに参加してもらいたい」という山アディレクターの呼びかけのもと、先生たちに最初の全体研修会から事業に参加していただいたことがあります。これにより、演奏家と市町村ホールやアウトリーチ先の学校が現地打ち合わせを行う10月の「市町村個別研修会」ではより具体的な企画打ち合わせが行われ、先生たちの意見を取り入れたプログラムづくりが可能となりました。また、生徒への事前の関連学習を実施された学校も多く、大きな成果がありました。
  11月24日から26日まで実施された「手法開発研修会」では、コーディネーターと演奏家が地域のホールや学校の先生のニーズを踏まえたプログラムづくりを2泊3日の集中合宿で行いました。片岡さん(箏)、岡村慎太郎さん(三味線)、清野樹盟さん(尺八)による津和野中学校での先行アウトリーチを参考にしながら、益田市チームと雲南市チームのメンバーがプログラムの最後の詰めを行いました。「邦楽での共演者との練習は緩急や呼吸の合わせを確認するぐらいのことが多いので、2泊3日と聞いた時には驚いたが、やってみると納得。共演者とこんなに長い時間一緒に準備をしたことは初めてで、とても新鮮な体験だった」と雲南市チームの奥山u勢さん。現代邦楽を得意とする益田市チームと、古典を得意とする雲南市チームがお互いのランスルーを見学し、それぞれ自分たちのプログラムの特徴を再確認した場面もありました。


●子どもたちに邦楽の魅力を伝える鑑賞型アウトリーチ

 学校アウトリーチでは、演奏家が子どもたちの集中力を引き出すために、曲の情景やその曲への想いを語りかけながら演奏を行いました。『六段の調』や『鹿の遠音』などの古典曲から地歌、宮城道雄作品など幅広い内容の曲で邦楽の魅力を伝えた津和野町チーム、通常の十三弦箏に加えて低音を奏でる十七弦箏を用意し、沢井忠夫作品を中心に箏の響きと表現の多様さを伝えた益田市チーム、自分たちの所属する山田流筝曲の特徴である箏歌を出雲地方が題材となった古典曲で伝えた雲南市チームと、それぞれに特徴あるプログラムを展開しました。本物の邦楽にふれた子どもたちは、「テレビで聞いたりした音と違って驚いた」「お箏や三味線を弾きながら歌うのが凄いと思った」などの感想を述べていました。


●市町村ホールでの体験型ワークショップと県立ホールでのガラコンサート

 市町村ホールでのワークショップでは、箏を20面使っての体験プログラム(益田市)、箏歌の発声法の体験や、同じ歌詞が使われている出雲神楽の神歌と山田流筝曲の曲との比較(雲南市)、箏と尺八の体験プログラム(津和野町)が行われ、学校アウトリーチを体験した生徒をはじめ、幅広い年代層の参加者が邦楽を楽しく学びました。
  1月17日には、プログラムの最後を飾るガラコンサートがいわみ芸術劇場で開催され、チームごと3組の演奏の後、今回の公演のために作曲者の寺嶋陸也さんにより邦楽版にアレンジされた、グラントワ「いわみ合唱塾」の委嘱作品『星の美しい村』を、全演奏家9名が流派を越えて合奏しました。合唱パートは益田市ジュニア合唱団が担当し、事業の締めくくりにふさわしい共演となりました。
  地域創造では本年度の邦楽モデル事業の成果を踏まえ、平成22年度より邦楽事業を本格的に実施します。各団体の皆さまにおかれましては、今後事業へのご参加をぜひご検討ください。


図 邦楽モデル事業のフレーム
平成20年度JAFRAアワード表彰式

●平成21年度「邦楽モデル事業」
[主催]島根県、財団法人島根県文化振興財団
[共催]財団法人地域創造
[地域交流プログラム実施団体]益田市、雲南市、津和野町
[実施日程]2009年8月25日〜2010年1月17日
◎ディレクター
山ア篤典(島根県芸術文化センター「グラントワ」いわみ芸術劇場 館長)
◎コーディネーター
児玉真(いわき芸術文化交流館アリオスチーフプロデューサー、地域創造 プロデューサー)、壹岐達朗(NPO法人舞台芸術21ネットワーク 代表、NPO法人和のメソッド 理事)、谷垣内和子(社団法人日本芸能実演家団体協議会 芸能文化振興部)、米澤浩(邦楽演奏家、NPO法人日本音楽集団運営委員長)
◎演奏家(カッコ内は今回の担当楽器)
益田市担当:山野安珠美、市川慎、小池摩美(以上箏)
雲南市担当:奥山u勢(箏)、佐久間景子(箏・三味線)、樋口千清代(箏)
津和野町担当:片岡リサ(箏)、岡村慎太郎(箏・三味線)、清野樹盟(尺八)

●邦楽モデル事業の流れ
【8月】
◎全体研修会・市町村ホール担当実務研修会(25日/いわみ芸術劇場)
*顔合わせ、事業説明、基礎講座、アウトリーチ体験、学校・市町村担当者と演奏家・コーディネーターの打ち合わせ
【10月】
◎市町村個別研修(益田市:19日/雲南市:21日/津和野町:28日)
*現地下見、学校現地打合せ、市町村プログラム内容確認
【11月】
◎地域交流プログラム手法開発研修会(24日〜26日/いわみ芸術劇場)
*開講式、モデルアウトリーチ、グループディスカッション、手法開発ワークショップ、ランスルー、全体ミーティング、地域交流プログラム内容最終打合せ、交流会
【12月〜1月】
◎地域交流プログラム
・アウトリーチプログラム(学校:各市町4クラス)
益田市:12月3日、1月15日/雲南市:12月3日、4日/津和野町:11月24日、1月12日、13日
・ホールプログラム(ワークショップ)
益田市:12月5日/雲南市:12月5日/津和野町:1月16日
◎総括的演奏会(ガラコンサート)(1月17日/いわみ芸術劇場)

●邦楽モデル事業に関する問い合わせ
総務部 布施
Tel. 03-5573-4143

平成22年度公共ホール現代ダンス活性化事業全体研修会

平成22年度公共ホール現代ダンス活性化事業全体研修会 写真
左:楠原竜也さん
右:東野祥子さんによるプレゼンテーションの模様



●平成22年度「公共ホール現代ダンス活性化事業(ダン活)」全体研修会(後期)終了

 地域創造の新年を告げる公共ホール現代ダンス活性化事業(ダン活)の平成21・22年度登録アーティストによるプレゼンテーションが1月6日、7日に東京芸術劇場リハーサル室で開催されました。
  ダン活では、実際に地域で事業を実施するまでに、事業に参加するホール職員を対象にした2度の研修会が企画されています。1度目は昨年11月に実施された、コーディネーターを講師にした基礎知識研修です。2度目が今回で、登録2年目になる8組のアーティストが各30分ずつプレゼンテーションを行うとともに、各館の企画についてコーディネーターを交えた意見交換会が併せて行われました。
  今回のプレゼンテーションでは、アーティストの活動をより理解していただけるよう、短い時間でしたが、ダンスのデモンストレーションと22年度にダン活を実施する10館の担当者全員に参加してもらうワークショップの両方を実施しました。昨年はイタリア留学中のためビデオでの参加だった楠原竜也さんが初めてのプレゼンテーションに挑戦。俳優経験を活かした軽快なトークで、二人の参加者が鉛筆を指で挟んで行う子どもたちにも人気のワークショップなどを披露しました。
  このほか、アーティストとしての独特の言葉遣いが文学研究者の研究対象になっているという黒沢美香さんは、参加者に手をクロスさせて歩かせながら「動きにくくてもその動きにくさを肯定することがダンスになる」と、簡潔な言葉で黒沢流ダンスの極意を伝授。また、踊りで触れ合いながら子どもたちの輪の中に入っていくウェルカムダンスを披露したセレノグラフィカ、小指の爪や足の踵を合わせるワークショップでユーモアに富んだ身体の動きを引き出した伊藤千枝さん、言葉のリズムや語感を活かした身体遊びを披露したキリコラージュ、懐中電灯を使って光の軌跡を描くなどダンスの造形的な魅力を伝えた新井英夫さん、ボールが体の中を通っていくイメージで普段意識しない体の部分を動かす方法を提示した東野祥子さん、有無を言わせない強靱な身体が繰り出す独特の動きで参加者を驚かせた鈴木ユキオさんなど、コンテンポラリーダンスの幅の広さが実感できる個性豊かなパフォーマンスとなりました。
  コンテンポラリーダンスの事業を実施するのは初めてという調布市・せんがわ劇場の大久保有花さんは、「皆さん根底にある身体に向き合うという姿勢は同じなのに、こんなに多様な見え方やアプローチがあるというのがとても面白かった。アウトリーチは初めてなので、今回をきっかけに学校との関係をつくっていければと思います」と話していました。
  平成22年度からは、事業を継続できるよう「公共ホール現代ダンス活性化支援事業」も本格的にスタートします。地域創造の事業を活用していただきながら、すべての基本となる身体に向き合い、身体を使ったコミュニケーションを図るコンテンポラリーダンス事業に取り組んでいただければと思います。

●公共ホール現代ダンス活性化事業
平成21・22年度登録アーティスト
新井英夫、伊藤千枝、キリコラージュ、楠原竜也、黒沢美香、鈴木ユキオ、セレノグラフィカ、東野祥子
*詳細はホームページ参照
http://www.jafra.or.jp/jinzai/dance/index.php

●公共ホール現代ダンス活性化事業に関する問い合わせ
芸術環境部 加藤・坂間・玉木・大澤
Tel. 03-5573-4056

ページトップへ↑