地域創造

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地域創造レター

News Letter to Arts Crew

6月号-No.278
2018.6.1(毎月1日更新)

今月のニュース

平成30年度「公共ホール音楽活性化事業」全体研修会報告

 平成30年度公共ホール音楽活性化事業(おんかつ)の参加団体やコーディネーター、登録アーティストが一堂に会する全体研修会が、4月23日から25日まで地域創造会議室とHAKUJUホール(東京都渋谷区)を会場にして開催されました。今回の研修会では、今年度から2カ年にわたって活動する新規登録アーティスト(平成30・31年度)8組による公開プレゼンテーションに加え、今年度の事業に参加する担当者を対象にしたワークショップやレクチャーが行われました。

担当者の熱意が伝わる事例

 初日の研修では、公共ホール現代ダンス活性化事業(ダン活)支援登録アーティストの赤丸急上昇(赤松美智代・丸山陽子)による元気いっぱいのコミュニケーション・ワークショップが行われ、一気に緊張がほぐれました。続いて、今年度事業を実施する11施設の担当者に向けて、おんかつについて学ぶ基礎講座や実際の現場を学ぶ事例紹介が行われました。
 昨年度の実施事例としては、マリンバの塚越慎子さんを招聘して、議場コンサートなどを実施したくすまちメルサンホール(大分県玖珠町)の岳尾かおりさんから取り組みを学びました。3年前に幼稚園からホールに異動になったという岳尾さんは、「ノウハウもなく不安でしたが、コーディネーターなどと頻繁に相談することができてとても助かりました。議場コンサートでは、議長の提案により中学生の議場体験を兼ね、中学生たちが議員席、町議会議員や職員などが傍聴席というアクティビティが実現しました。また、マリンバとダンスのコラボなどに新しく挑戦したことで協力者が生まれ、仲間がいることも実感できました」と、おんかつの成果に言及されていました。
 また、演奏家から取り組みを学ぶ講義には、平成28・29年度登録アーティストとして上里町総合文化センター、南砺市文化創造センターなど5地域に派遣されたヴァイオリニストの坂口昌優さんが登壇。おんかつコーディネーターの丹羽徹さん、花田和加子さん、山本若子さんと共に、市職員に理解を深めてもらうための活動や絵本の朗読とのコラボレーションなど、クラシック音楽との親しみやすい関係づくりについて有意義な意見交換が行われました。

新登録アーティストによるフレッシュなプレゼンテーション

2日目には新たに平成30・31年度登録アーティストになった8組のフレッシュなメンバーによる公開プレゼンテーションが行われました。
 トップバッターのアーバン・サクソフォン・カルテットは、地域創造が実施しているアウトリーチフォーラム事業(地域との共催により若手演奏家のアンサンブルとアウトリーチの手法を開発する事業)をきっかけに生まれたグループ。音を使ったキャッチボールやパフォーマンス付き演奏など工夫を凝らしたアウトリーチプログラムを披露しました。アルトサックスの田中拓也さんは、「サックスはソプラニーノからバリトンまで幅広い音域のある楽器であり、その表現の可能性を感じてもらいたいと思っています。新しい楽器でオリジナル曲が少ないので、自分で編曲してレパートリーをつくっています」とアピールしていました。
 15歳から12年間、フランスに留学していたピアノの岡田奏さんは、ラヴェルが自らのオーケストラ曲を「ピアノでどう再現できるか」編曲したという『ラ・ヴァルス』を力強く演奏。同じくピアノでニューヨーク留学時代にジャズも勉強したという中野翔太さんは、参加者を舞台に上げてガーシュウィンを披露。明るく、怒っているようになど『The Man I Love』の一節をさまざまなテイストで演奏し、「同じ一節なのに弾き方を変えるだけでいくらでも多彩な情景を生み出すことができる。これが音楽の特徴であり、これを楽しむのに知識はいりません。アウトリーチで子どもたちが元々もっている音楽を楽しむ力を引き出していければ」と中野さん。また、酒井有彩さんはショパン一本槍で勝負し、4曲を披露。「ピアノは300年前から美しい音を出すためだけに改良に改良が重ねられてきました」とピアノ愛をアピールしていました。
 登録アーティストとしては初のフルート&クラシックギターの泉真由さんと松田弦さんは高知県出身。南米のタンゴや現代奏法による武満徹、クラシックなど幅広いプログラムで参加者を魅了していました。また、言葉を失ったオペラ歌手というトリッキーな登場で会場を沸かせたのが、テノールの糸賀修平さんです。「歌手は言葉も音楽も演技も使える。その力を使って、感じることの大切さを伝えていきたいと思っています」。
 今回新たな発見となったのが、おんかつとして初めて取り上げられた「オカリナ」です。自宅には200本のオカリナがあるという山本奈央さんは、「オカリナは今も進化を続けている楽器で、100年後には完成型になっているかもしれません。その進化の過程に立ち会えるのは幸せなことだと思います」と言い、おもちゃのオカリナしか知らない参加者の想像をはるかに超える楽器としての能力・表現力に誰もが引き込まれていました。

平成30年度「公共ホール音楽活性化事業」全体研修会スケジュール

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