地域創造

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財団からのお知らせ

第18回地域伝統芸能まつり開催

写真:第18回地域伝統芸能まつりのステージから
左:鬼太鼓(新潟県佐渡市)
右:フィナーレの模様

 これまで176の全国各地の地域伝統芸能を紹介してきた「地域伝統芸能まつり」が、2月25日(日)にNHKホールで開催されました。今年のテーマは「鬼〜山に棲む、里に棲む、心に棲む」。日本各地の地域伝統芸能7演目と古典芸能1演目が披露され、2,200人以上の観客を魅了しました。
 オープニングでは、鼓の音とともに緞帳が上がると、ステージは空舞台。司会者の合図で、数々の舞台をつくり上げてきた美術方がセットを組み上げる演出に、観客は圧倒されました。最初の演目は、千葉県野田市から「野田のつく舞」です。高さ10メートルにも及ぶ柱を立て、「ジュウジロウサン」と呼ばれる演者が、柱や樽の上、柱から張られた縄の上で妙技を披露する様子に、客席は緊張感が漂いつつも、歓声が上がりました。
 次に登場した、新潟県佐渡市の「鬼太鼓」は、佐渡独自の伝統芸能として、島内の120を超える集落で伝承されています。子ども・青年会・保存会の3世代による共演で、このフェスティバルが目指す、地域の伝統芸能を継承する一端が垣間見えました。続いて、高知県梼原町の「津野山神楽」。テンポの速い楽(囃子)に合わせた舞で、18節の中から「鬼神退治」を披露しました。長年コンビを組んできた鬼と神の絶妙な舞に観客は魅了され、神が鬼のかしらを取ると勝利のムードに包まれました。
 兵庫県姫路市の「中野獅子舞」は、梯子をピラミッド型に組む初めての形で、釣り子と言われる猿とひょっとこに煽られた雄獅子は徐々に梯子を登り始め、頂上で離れ業を演じます。曲芸的に舞う獅子に観客は引き込まれていきました。そして第2部は、フェスティバルのもう一つの柱である古典芸能から始まります。今回は、福島県二本松市を舞台にした能『安達原』を大槻文藏らが演じ、これまでの地域伝統芸能から一転、ステージ上に能舞台が設置され、前半のしみじみした場面から老女が般若の姿へと変わる展開に目が離せませんでした。舞台は伝統芸能に戻り、実行委員会の鎌田委員が岩手県北上市「鬼剣舞」の起源を語り幕が開けます。鬼は仏の化身とされ、角のない面が特徴の鬼剣舞は、雪山風景を背に、自分でつくったお面を着けて踊る子どもたちと、大人の勇壮で力強い踊り振りで観客を魅了しました。
 そして、鹿児島県日置市は「伊作太鼓踊」。重さ18キロの装備を身に纏い、太鼓を叩きながら矢旗を大きくゆすって勇壮に躍る“平打ち”と、その輪の中で踊る子どもたちの“中打ち”が奏でるリズムがホール全体に響き渡りました。最後に登場したのは、島根県浜田市の「石見神楽」。下重委員による解説を交え、石見神楽を代表する「大蛇」が披露されました。色鮮やかな8つの大蛇がうねり立ち、激しく演舞すると、会場は一気に最高潮に盛り上がりました。会場の興奮が冷めやらぬ中、フィナーレには全出演者が再登場。客席からは、各地域で伝統芸能を保存・継承してこられた出演者の方々への敬意と今後への期待を込めた盛大な拍手が惜しみなく送られ、第18回地域伝統芸能まつりは幕を閉じました。

ステージラボ滋賀セッション参加者募集

 ステージラボは、公立文化施設等の職員を対象に、ワークショップなど体験型プログラムやグループディスカッションなど、講師と参加者の双方向コミュニケーションを重視したカリキュラムに取り組む、少人数形式の実践的な研修事業です。
 平成30年度は、2018年7月3日(火)〜6日(金)に滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールで開催します。概要は以下のとおりです。参加ご希望の方は、当ウェブサイトでお申し込みください(右欄参照)。皆さまのご参加をお待ちしております。
 なお、今年度のステージラボは、滋賀セッションの1回のみの開催となります。
募集締切:5月6日(日)必着

◎ホール入門コース(定員20人程度)
[コーディネーター]吉本光宏((株)ニッセイ基礎研究所研究理事[社会研究部 芸術文化プロジェクト室長])
[対象者]公共ホール・劇場(開館準備のための組織を含む)において、業務経験年数1年半未満(開館準備のための組織にあっては年数不問)の職員
[コース特色]劇場やホールの仕事は地域にとってどんな意味や価値があるのか、そこにはどんな可能性があるのか、そして乗り越えなければならないハードルは何なのか。全国各地の先行事例に学び、アーティストのワークショップを体験しながら、参加者の皆さんと一緒に考えていきます。

事業入門コース(定員20人程度)
[コーディネーター]津村卓(上田市交流文化芸術センター館長/北九州芸術劇場顧問/地域創造プロデューサー)
[対象者]自主事業を実施している公共ホール・劇場において、業務経験年数が1〜3年程度の職員
[コース特色]芸術文化が子どもへの教育や、福祉そして街づくりといった社会の課題に対し大きな要素として取り上げられています。ただ並行して芸術本来の意味や、アーティストの存在の軽視も起こっている気がします。今回のラボは、公演やクリエーションを基に、劇場・ホールの必要性を考えたいと思います。

自主事業(音楽)コース(定員20人程度)
[コーディネーター]中村透(作曲家/芸術文化学博士/琉球大学名誉教授/静岡県コンベンションアーツセンターグランシップ芸術監督/地域創造顧問)
[対象者]自主事業を実施している公共ホール・劇場で、音楽の自主事業に積極的に取り組みたいと考えている、業務経験年数が2〜3年程度の職員
[コース特色]どんな場所であっても、そこに人の生きてきた歴史があり、その時の流れに今も人が生き続けているならば、そこはひとつの宇宙なのである。…劇作家井上ひさしが、宮澤賢治の“くに”の老婆に語らせたことばです。わずか150年前までの日本は、“くに”という名のたくさんの宇宙から成り立っていました。気づかないまま見過ごしてきた“くに”の宝を見つけ出しませんか? 見出した宝をまずはリスペクトし、その中から新しい音楽芸術を生み出す種をともに探りましょう。

雑誌「地域創造」第43号のご案内

 公立文化施設等の職員を対象とした芸術環境づくりのための雑誌『地域創造』第43号を、3月25日に発行します。今回の特集は、2007年の制度発足以降、近年ますます地域で重要な役割を担う「地域おこし協力隊」を取材。各地で活躍する現役隊員、隊員を卒業後も現地に定住し、さまざまな取り組みを行うOB・OGの姿に迫ります。
○特集「地域おこし協力隊の可能性」
・大分県竹田市
・新潟県十日町市
・熊本県菊池市
・概説 地域おこし協力隊の制度とこれまでの実績
○空間のエスプリ─国際的事例のビジュアルレポート
バタシー・アート・センター(英国)
○体験レッスン─公立文化施設職員・文化政策担当者へのノウハウ伝授
ひと・アート・コミュニティが繋がる
キラリ☆ふじみの入り口事業に学ぶ
○座談会
レジデンスを考える
○SCOPE─地域の注目事例レポート
・浦添市民ミュージカル『尚寧王』(沖縄県浦添市)
・「障害者の芸術文化について考える3日間」(滋賀県大津市)
○イラストSCOPE─伝統芸能・古典芸能・祭りなど伝承の取り組みのイラストレポート
横仙歌舞伎(岡山県奈義町)
○海外スタディ─海外の文化政策・制度紹介
リヨン(フランス)のダンス政策
○BOOK
『地域おこし協力隊 日本を元気にする60人の挑戦』

平成28・29年度「公共ホール音楽活性化アウトリーチフォーラム事業」愛知セッション報告

三井住友海上しらかわホールでのガラコンサート

 平成16年度より始まった本事業は都道府県と連携し、地域での演奏活動を通して創造性豊かな地域づくりに資することを目的として実施しています。今回、14回目の開催地となった愛知県では、愛知県芸術劇場と新城市、田原市、知立市、扶桑町、碧南市、豊川市の県内6市町が参加しました。
 平成29年7月に、オーディションにより選出された3組のアーティスト、Les Vents Japonais(木管五重奏)、Adam(サクソフォン四重奏)、Trio Minpia(ピアノトリオ)が参加し、愛知県芸術劇場で合宿形式の研修を実施しました。そこで45分間のアウトリーチプログラムをつくり上げ、名古屋市内の小学校を訪問し、アウトリーチを行いました。どのグループも試行錯誤を繰り返し、夜中までプログラムづくりに取り組んでいる姿が印象的でした。
 平成29年9月〜30年1月にはそれぞれのアンサンブルが担当する2市町で、小学校等でのアウトリーチ6回とホールでのコンサートを実施しました。いずれも好評を得ましたが、そこで満足することなく、子どもたちとふれあう中で感じた課題などについて、メンバー間はもちろん、担当コーディネーターやホール担当者とも議論を交わし、チーム一丸となってプログラムの内容を更に高めていきました。
 2月に三井住友海上しらかわホールで行われたガラコンサートでは、3組のアンサンブルが一堂に会して共演しました。オープニングの合同演奏に続いてアンサンブルごとに演奏を披露。最後は再び全員がステージに集結し、盛大に締めくくりました。それぞれのアンサンブルの魅力が詰まった特別なコンサートとなり、本事業の集大成と言える公演となりました。
 県および市町の担当者、その他事業に携わった方それぞれの立場で、学び多い事業となり、また、今後の愛知県内における連携の可能性と展開が期待できるものとなりました。

平成29年度「リージョナルシアター事業」報告

上:多田淳之介さんよるフリースクール合宿でのワークショップ(神奈川県)/下:ごまのはえさんによる地域の昔の写真を使ったワークショップ(舞鶴市)

 演出家を公共ホールに派遣し、アウトリーチやワークショップを実施する「リージョナルシアター事業」。今年度は福島県会津市(會津風雅堂)、富山県高岡市(高岡市民会館)、広島県三次市(三次市民ホールきりり)、神奈川県(神奈川県立青少年センター)、静岡県袋井市(袋井市メロープラザ)、広島県廿日市市(はつかいち文化ホール)、東京都豊島区(としま未来文化財団)、京都府舞鶴市(舞鶴市総合文化会館)の計8地域で開催しました。
 街の規模もホールのミッションもさまざまな中で、5名の派遣アーティスト(有門正太郎、ごまのはえ、多田淳之介、田上豊、福田修志)は各々の担当地域において、ホール担当者と対話を重ねながらプログラムをつくっていきました。
 なかでもユニークだったのが、不登校の子どもたちが通うフリースクールへアウトリーチを行った神奈川県立青少年センターの試みです。この施設は青少年育成を目的とした施設で、これまで協働で事業を行うことのなかった舞台芸術課と青少年サポート課が連携して新たな事業モデルづくりに取り組みました。「じっくり時間をかけて子どもたちと向き合ったことによって、単なる創作にとどまらずコミュニケーションツールとしての演劇を体感してもらえた」(ホール担当者・藤岡審也さん)と教育的効果を実感したようです。
 また、舞鶴市では3カ年計画による市民参加演劇プロジェクトの1年目として本事業を位置づけました。いわばキックオフ事業として高校へのアウトリーチや一般市民を対象としたワークショップを実施。派遣アーティストのごまさんは「3カ年計画にすることによって、ホール側も余裕をもって丁寧に地域と向き合えます」と本事業の新しい活用の仕方を示してくれました。
 このようにリージョナルシアター事業は、多様なプログラムによってホールと地域の抱えるさまざまな課題と向き合うことができます。平成31年度の参加団体募集は後日詳細をお知らせいたします。多くの応募を心よりお待ちしております。

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