地域創造

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出版物・報告書

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財団からのお知らせ

6月号-No.290

「地域創造フェスティバル2019」開催のお知らせ(7月30日、31日)

地域創造が取り組んでいるさまざまな事業を紹介し、公共ホールや自治体が事業を企画・実施する上で参考になる情報を提供することを目的に、「地域創造フェスティバル2019 」を東京芸術劇場(豊島区西池袋1-8-1)で開催します。予定しているプログラムは以下のとおりです。
◎シンポジウム「2021年以降の地域社会とこれからの公立文化施設─少子高齢化、福祉と向き合う劇場・ホールの事例から」
◎公共ホール音楽活性化支援事業(おんかつ支援)のプレゼンテーション・セミナー
◎公共ホール現代ダンス活性化事業(ダン活)のプレゼンテーション
◎令和2年度「地域の文化・芸術活動助成事業」および「地域伝統芸能等保存事業」の助成要綱に関する説明会
◎令和2年度「リージョナルシアター事業」に関する説明会
◎令和2・3年度「公立美術館活性化事業」に関する説明会
◎都道府県・政令指定都市文化行政担当課長会議
 また、各日ともに情報交換会を設けており、アーティストや他の公共ホール等とのネットワークづくりや情報交換の場としてもご活用いただけます。
 昨年度のフェスティバルには、300名を超える方々が全国各地から参加し、今後の事業計画の参考となる情報の入手に役立てておられました。
 出演者情報等のプログラム詳細および参加者募集につきましては、次号(7月号)でご案内します。皆様のご参加をお待ちしております。

令和元年度「地域創造大賞(総務大臣賞)」の募集開始時期について

 地域創造大賞(総務大臣賞)は、地域における創造的で文化的な表現活動のための環境づくりに特に功績のあった公立文化施設を顕彰し、全国に広く周知することにより、公立文化施設の活動の更なる活性化を図り、美しく心豊かなふるさとづくりの推進に寄与することを目的としており、平成16年度から30年度までの15年間で116施設が受賞しました。
 実施要領・応募書については、5月下旬に当財団のウェブサイトに掲載する予定です。多くのご応募をお待ちしております。

令和元年度「公共ホール音楽活性化政令指定都市アウトリーチセミナー事業」(京都市開催)参加者募集

 京都コンサートホールでは、2019年4月より登録アーティスト制アウトリーチ事業がスタートしたこともあり、「公共ホールとアウトリーチ活動の未来」と題し、公共ホールとして果たすべき役割とアウトリーチ活動の可能性についての研修会を8月29日、30日に開催します。
 専門家による講演「@社会における芸術の役割〜京都を例に(建畠晢)」「Aアウトリーチから始まる地域の活力創出(吉本光宏)」「B地域のアーティストと公共ホール〜新潟の取り組みから(榎本広樹)」「Cアウトリーチのいま〜研究的観点からみえる現状と課題(梶田美香)」やパネルディスカッション、演奏家によるアウトリーチデモンストレーションなどを行います。
 アウトリーチ事業などに関心のある公共ホールや、文化行政ご担当者等の参加を募集しますので、この機会にぜひご参加ください。事前登録制となりますので、参加を希望される方は、京都コンサートホール宛にお申し込みください。
[募集期間]6月10日〜8月23日
※応募多数の場合は先着順

「公立文化施設の管理運営状況に関する事例調査研究」報告書を作成しました

 「公立文化施設の管理運営状況」をテーマに、6つの異なる管理運営形態の文化施設を対象として、個別に事例調査を行いました。公立文化施設の管理運営形態には、それぞれメリット・デメリットがあるなかで、設置者たる地方公共団体の目的意識や地域特性に合わせてベストな管理運営形態を選択することが重要であることを示すものと考え、その実態や背景に焦点を当てようとヒアリングによる事例調査を実施しました。報告書は当財団ウェブサイトに掲載しています。
◎調査対象
【直営】長久手市文化の家(愛知県長久手市)
【直営(制度導入後に直営に変更)】城崎国際アートセンター(兵庫県豊岡市)
【指定管理・非公募(財団)】滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール(滋賀県大津市)
【指定管理・非公募(NPO法人)】白河文化交流館(福島県白河市)
【指定管理・公募(財団)】JMSアステールプラザ(広島市)
【指定管理・公募(民間事業者)】山梨県立県民文化ホール(山梨県甲府市)

「市町村長特別セミナー」報告〜全国の市町村長等51名が参加

上:平田オリザさん/下:首長もヴァイオリン演奏を体験された早稲田姉妹によるミニコンサート

 毎年全国の市町村長等を対象に、文化・芸術による地域づくりへの理解を深めていただくために開催している「市町村長特別セミナー」が、4月18日、19日に千葉市の市町村アカデミーで開催されました。今回は1日目に財団の事業紹介およびその一環としておんかつ支援登録アーティストによるミニコンサートを実施し、2日目に当財団理事であり、演劇界のオピニオンリーダーとして各界で幅広い活躍をされている平田オリザさん(劇作家・演出家、青年団主宰)による講義が行われました。

◎ミニコンサート
 今回登場したのは、ヴァイオリンの早稲田桜子さん(平成18・19年度登録アーティスト)とピアニストの早稲田眞理さん姉妹です。桜子さんはおんかつを契機に全国で数多くのアウトリーチを実践してきたエキスパート。名曲『愛の挨拶』に始まり、ヴァイオリンの一番太い弦(G線)のみを使って演奏する『G線上のアリア』、多彩な奏法が楽しめる『中国の太鼓』、一番好きだというバッハの『無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番よりアダージオ』など計6曲を披露しました。
 一番細いE線とG線の聞き比べ、小学校ではクラス全員にやってもらっているというヴァイオリンの演奏体験(2名の首長が実際にチャレンジ)など、ナチュラルな人柄で市町村長との壁を取り払い、音楽によるリラックスした交流を実現。最後はみんなの笑顔で締めくくるというアウトリーチの効用を実感したパフォーマンスになりました。

◎「本気の文化によるまちづくり〜豊岡市の挑戦」
 今年度には劇団の拠点を兵庫県豊岡市に移すことを発表している平田さんからは、1時間半にわたる示唆に富んだ講義が行われました。特に時間を割いて解説されたのが、2020年から始まる大学入試改革についてでした。四国学院大学で学長特別補佐を務め、2010年度に演劇コースを開設した平田さんのリアルな取り組みに市町村長は熱心に耳を傾けていました。
 「2021年春から行われる大学入学共通テストで『知識・技能』『思考力・判断力・表現力』に加え、『主体性・多様性・協働性』を評価する準備が始まっています。四国学院大学は小さな大学ですが、すでに前倒しで改革しています。例えば、入試ではチームに別れてレゴブロックで巨大な艦船をつくる。どういう艦船が出来たのかではなく、つくる過程で自分の主張を論理的、具体的にメンバーに説明できたかや、自分の役割を自覚して担えたかを見ます。本四架橋のうち2本を廃止するという要請に対して、受験生が利害の対立する各県代表になり、コンピューターで情報収集しながら議論する入試問題もあります。うちだけでなく、学ぶ力、友達と一緒に議論する力を問う入試を始めているところがたくさんあります。大学の授業もアクティブラーニングにシフトすることが求められていますが、それに学生が対応できるには、フランスの社会学者・哲学者のピエール・ブルデューのいう文化資本のひとつ、身体的文化資本(センス、マナー、コミュニケーション能力、美的感覚など)が重要になる。しかし、これは子どもの頃から培わないと身に付きません。都市と地方では、この身体的文化資本の格差が開く一方です。地方ほど、文化政策と教育政策を一体にして格差を解消する努力をする必要があります。演劇はこうした身体的文化資本の育成にとても有効だと考えています」
 こうした現状認識に立ち、平田さんは文化政策担当参与を務める豊岡市への移住を決めるとともに、演劇による人材育成を行う「国際観光芸術専門職大学(仮称)」の構想に学長予定者として関わっており、2021年4月の開校を目指しています。
 「これまで豊岡市では全小中学校で演劇によるコミュニケーション教育を行ってきましたが、但馬地域の全高校でもスタートします。地域とともにある大学として学生たちはフェスティバルで実践的に学ぶなど、地域と積極的に関わります。地域で人口が減少するのは、仕事がないからではなく、つまらないからです。教育政策と文化政策を一体でやり、面白いまち、出会いのあるまちをつくり、Iターンの切り札にしたいと思っています」 講義の後、市町村長の皆さんが上気しているように感じるほど、心に響いた講義となりました。

令和元年度「リージョナルシアター事業」研修会報告

 令和元年度リージョナルシアター事業の参加団体と派遣アーティストが集まりワークショップやディスカッション、打ち合わせを行う研修会が、4月15日(月)、16日(火)の2日間にわたって当財団事務所にて開催されました。今回は、今年度参加する5団体(秋田県能代市、京都府、愛媛県松山市、大分県九重町、宮崎県門川町)から7人の事業担当者が参加し、交流を深めるとともに当事業の趣旨や可能性を共有する2日間となりました。
 地域の課題やホールの展望などを踏まえながら、住民等を対象にしたワークショップや学校へのアウトリーチを行う当事業では、派遣アーティストと参加団体が協働しながらプログラムをつくり実施していきます。今回の研修では、地域・ホールのやりたいことや抱える問題意識を派遣アーティストと共有するための相互の対話がさまざまな場面で行われました。
 初日はまず、アドバイザーの内藤裕敬さんによるレクチャーとワークショップが行われました。「どんな演劇を面白いと思うか?」という内藤さんの質問から始まったレクチャーでは、ワークショップを実施していくうえでの重要なキーワードとして「想像」が挙げられました。その後、参加者全員で実際にワークショップを体験。モナリザの絵に新たなタイトルを付けてみる、音楽を聴いてイメージに合う絵を選ぶ、など、「想像で遊ぶ」ことに焦点を当てたワークを行うことで、レクチャーで話されたことをより実地で感じてもらうことができました。
 続いて「事例紹介&座談会」と題し、昨年度実施の茨城県牛久市、埼玉県秩父市から担当者をお招きし、事業実施の成果や苦労、今後の展望などをお話いただくとともに、アーティスト、参加者も交えてざっくばらんに質問や意見を交換し合いました。牛久市、秩父市ともに今年度もワークショップ事業を継続する予定であることから、リージョナルシアター事業を一過性のものにしないためにどういったことを考えて取り組んだのか、という話も聞くことができ、参加者たちは事業実施後についても思いを巡らせることになりました。
 2日目は前日のオリエンテーションを踏まえて、派遣アーティストと参加団体による企画打ち合わせが行われました。それぞれのミッションや課題をもとに、その地域ならではのプログラム実現に向けて熱心な話し合いがグループごとで行われ、最後には現時点での計画や事業実施後の展望についての発表がありました。宮崎県門川町の岩切義樹さんは「研修会を受けて、自分が固定概念にとらわれていることに気付いた。自由な考えで、町の人や自分がわくわくすることを企画したいと思います」と意欲を語ってくれました。その後、派遣アーティストと参加団体による個別の打ち合わせを行い、2日間の研修を締めくくりました。

左上・右上:内藤裕敬さんによるレクチャーとワークショップ 左下:事例紹介&座談会 右下:派遣アーティストとの打ち合わせ

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