地域創造

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財団からのお知らせ

第19回地域伝統芸能まつり開催

写真:第19回地域伝統芸能まつりのステージから
左:熊本新町獅子舞(熊本県熊本市)
右:フィナーレには出演者が勢揃い

 これまで全国各地の183の地域伝統芸能を紹介してきた「地域伝統芸能まつり」が、2月24日(日)にNHKホールで開催されました。今年のテーマは「躍る(おどる)〜身も、心も、弾む。〜」。日本各地の地域伝統芸能7演目と古典芸能1演目が披露され、直近10年間で最多となる2,600人を超える観客を魅了しました。
 オープニングでは、この日の出演者が、地域伝統芸能まつりテーマ曲『曼陀羅21』に乗って一斉に登場し、会場を活気づけました。最初の演目は、岩手県盛岡市から「盛岡さんさ踊り」。「サッコラ チョイワヤッセ」の掛け声がリズミカルな太鼓の音色とともに、会場に響き渡り、ぴたりと揃った見事なフォーメーションに目が釘付けになりました。
 次に登場したのは、熊本県熊本市から「熊本新町獅子舞」。赤と黄色の獅子舞が、ドラと笛の音に合わせて力強く舞いました。2頭の獅子が大きく首を振って踊る勇壮な姿に、引き込まれました。続いて、栃木県足利市から「八木節」。軽快なリズムに合わせて、コミカルで可愛らしい踊りを披露するのは、地元の足利女子高の創作ダンス部のメンバーたち。盆踊り唄の美声と女子高生ダンサー、足利八木節連合会の踊りがマッチし、独特の世界観を演出しました。
 続いて、秋田県鹿角かづの市から「花輪ばやし」。壮大で豪華絢爛な屋台が、舞台の上をゆっくりと旋回。腰抜け屋台と言われる屋台には床がなく、演奏者たちは歩きながら、太鼓のバチを高く掲げてのパフォーマンスを披露しました。華やかな屋台と陽気なお囃子に、現地を訪れたかのような雰囲気を体感しました。
 第2部は、フェスティバルのもうひとつの柱である古典芸能から始まりました。幕が上がると、ステージ上には能舞台が設置されています。今回は、狂言『呼声』(大蔵流)を、人間国宝の山本東次郎さんらが演じられました。わかりやすく楽しい演目に、自然と引き込まれました。
 舞台は伝統芸能に戻り、山口県周南市から「三作みつくり神楽」。4人の舞人たちが、軽快なテンポで飛び跳ねたり、回転したりの踊りを見せました。ラストには吊るされた太綱を昇って降りるアクロバティックな演技に息を飲みました。
 そして、宮城県気仙沼市から「早稲谷鹿踊わせやししおどり」。竹を割って結束した4メートル以上のササラを背中に立てた8頭の鹿が、腰に太鼓を下げ、頭には本物の鹿の角をつけて、囃し手役の化け坊主と唄いながらステップを踏みました。ザザンコザンザンという独特の太鼓のリズムで躍動感を演出しました。
 最後に登場したのは、長崎県長崎市から「長崎くんち 龍踊じゃおどり」。舞台上には諏訪神社の桟敷が再現され、出演者が見守る中、全長20メートル、総重量150キロの龍体が、龍踊独特の音楽「唐楽拍子」に合わせ、まるで生きているかのように、勇ましくエキゾチックに舞台を泳ぎました。アンコールを意味する「もってこーい」の掛け声が鳴りやまず、会場の熱気は最高潮に達しました。
 興奮冷めやらぬ中、全出演者が「まつり」の手ぬぐいを振ってのフィナーレ。客席からは、出演者の方々への敬意と今後への期待を込めた盛大な拍手が惜しみなく送られ、第19回地域伝統芸能まつりは幕を閉じました。

ステージラボ富士見セッション参加者募集

 ステージラボは、公立文化施設等の職員を対象に、ワークショップなど体験型プログラムやグループディスカッションなど、講師と参加者の双方向コミュニケーションを重視したカリキュラムに取り組む、少人数形式の実践的な研修事業です。
 2019年度前期セッションは、富士見市民文化会館キラリ☆ふじみを会場に開催します。概要は以下のとおりです。詳細および申し込みについては、当財団ウェブサイトから募集要領、参加申込書、申込アンケートをダウンロードし、必要事項をご記入の上、メールでお申し込みください。皆様のご参加をお待ちしております。

募集締切:4月22日(月)必着

◎ホール入門コース(定員20人程度)
[コーディネーター]
ヤッシー(トロンボーン奏者/BBBB(ブラック・ボトム・ブラス・バンド)リーダー)
[対象者]
公共ホール・劇場(開館準備のための組織を含む)において、業務経験年数1年半未満(開館準備のための組織にあっては年数不問)の職員
[コース特色]
皆さんが面白いと思ってること。その面白いが、今回のテーマです! ワークショップや、実験的なプログラムを体験しながら「面白い」が、ホールの楽しさ、地域の皆さんの楽しさにどう繋がっていくのか。大いに考え、大いに語り合っていくなかで、探していきたいと思います。

◎自主事業コース(定員20人程度)
[コーディネーター]
多田淳之介(演出家/東京デスロック主宰/富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ芸術監督(2019年3月末任期満了))
[対象者]
自主企画による事業を実施している公共ホール・劇場において、業務経験年数が2〜3年程度の職員
[コース特色]
地域のホールとして、ホールに来てもらうだけではなく、ホールが地域にあることで何が生まれるかを考えるプログラムづくり、ホールで生まれた関係が地域で広がっていくためのプログラムづくりを考えます。鑑賞、創造、アウトリーチの連動について改めて考えてみましょう。

平成30年度「公立美術館出前(オーダーメイド)型ゼミ」報告

札幌会場の様子

 この事業は、公立美術館のマネジメントに関する研修を行うもので、昨年度から開始しました。地域創造と申請館の共催で、申請館の関心のあるテーマの下、2年間にわたって複数回講師を派遣し、半日ほどの研修を行います。今年度は、昨年度から事業実施をしていた、札幌芸術の森美術館と熊本県立美術館と共催で、それぞれ1回ずつのゼミを開催しました。
 札幌市では、昨年度オープンしたばかりの札幌文化芸術交流センターSCARTSを会場に、札幌市内、近隣市の公立美術館や、美術館の所管部局の行政職員を対象に開催しました。「美術館の付加価値 より親しまれる場になるために」というテーマの下、雑誌「ミュゼ」編集長の山下治子氏を講師に招き、歴史系・自然史系の博物館の館キャラなどの取り組みの事例について講義を聞いた後、ミュージアムグッズについて考えるワークショップを行いました。山下さん持参の全国の工夫あふれるミュージアムグッズを参考にしながら、それぞれの館のオリジナルグッズを持ち寄り、アイディアを共有する時間となりました。
 熊本県では、昨年から引き続いた関心事に、新たな観点としてインバウンド対策を付け加え、「観光と使命(ミッション)」というテーマの下、熊本県内の公立美術館、博物館や図書館の職員、美術館の所管部局の行政職員を対象に、熊本県立美術館を会場に開催しました。
 全国通訳案内士の古屋絢子氏から、インバウンドを案内する視点を生かした具体的なお話を聞いた後、碧南市藤井達吉現代美術館の木本文平館長のお話から地域の美術館の社会的意義について考える時間を持ちました。そうした2人のお話を伺った後に、さまざまな役割が公立美術館に求められる昨今において、今後の目指す方向性について全員でディスカッションを行いました。
  2年間にわたり、それぞれの興味のもと開催した研修を通して、美術館同士の相互交流やマネジメントに関する意識向上に繋がった事業となりました。

平成29・30年度「公共ホール音楽活性化アウトリーチフォーラム事業」鹿児島セッション報告

左上:伊佐市でのアウトリーチ(平出水小学校)
右上:知名町でのアウトリーチ(上城小学校)
左下:宝山ホールでのガラコンサート
右下:宝山ホールでのアウトリーチ研修(通し稽古)

 アウトリーチフォーラム事業は平成16年度に始まり、地域創造が都道府県と連携し、地域での演奏活動を通して創造性豊かな地域づくりに資することを目的とした事業です。今回の開催地は23・24年度に続き2回目となる鹿児島県です。公益財団法人鹿児島県文化振興財団(宝山ホール)が主体となり、県内4市町(姶良市、伊佐市、長島町、知名町)と連携して実施しました。
 平成29年10月に行われた宝山ホール主催のアウトリーチ・セミナーでは、講師に仲道郁代(ピアニスト)とセレノグラフィカ(コンテンポラリーダンスの振付家)を迎え、音楽とダンスという異なるジャンルの芸術が、互いにリスペクトすることにより生まれる「新たな世界」を参加者がワークショップを通して体感し、その後のシンポジウムで、地域や社会における芸術の役割や可能性について語り合いました。
 2カ年事業の2年目となる今年度は、市町担当者向けの研修のあと、6月末に6日間の合宿形式によるアウトリーチ研修を行いました。オーディションによって選ばれた2組のアーティスト、「トリオ・リラ(ピアノトリオ)」と「Glück Saxophone Quartet(サクソフォン四重奏)」が、現代演劇の演出家(田上豊)とコンテンポラリーダンスの振付家(セレノグラフィカ)らコーディネーターと共に、45分間の限られた時間で「自分たちは何を伝えたいのか」「どうすれば伝わるのか」をひたすら試行錯誤し、音楽に演劇やダンスの手法を取り入れたオリジナルのプログラムが出来上がりました。
 そして、平成30年9月から翌年1月にかけて、それぞれのアンサンブルが担当する2市町(トリオ・リラ:姶良市・伊佐市、Glück Saxophone Quartet:長島町・知名町)で、小学校等でのアウトリーチ6回とホールでのコンサートを実施しました。多くの子どもたちや地域の人との出会いを重ね、彼ら自身も得難い経験となりました。
 この事業の集大成となったガラコンサート。市町公演で行ったプログラムを中心に、前半はトリオ・リラが自分たちも大好きな曲「ピアノ三重奏曲第1番ニ短調Op.49」(メンデルスゾーン作曲)を、後半はGlück Saxophone Quartetが担当コーディネーターであるセレノグラフィカの2人とコラボによる「ジャズ・ワルツNo.2」(ショスタコーヴィチ作曲、ヴェルハート編曲)などを披露したほか、アンコールでは、2組のアーティストによる合同演奏をお届けしました。昨年、鹿児島が舞台となった大河ドラマ『西郷どん』のオープニングテーマ曲が流れると、場内が一気に沸き上がり、大成功のうちに幕を閉じました。
 今回、県の担当者としてこの事業に携わった川原誠さんは、「2年にわたる事業実施を通して、アーティストはもとより、さまざまな人の思いが込められて各種の演奏会が成り立っていることを、改めて実感しました。また、公共ホール相互の連携に加え、地域の方々とのネットワークづくりを強化することが、県全体の文化芸術活動の活性化に繋がるのだと再認識しました。今回学んだ手法を活用し、今後も文化芸術の振興に努めていきます」と言います。
 コンサートではアウトリーチで出会った子どもたちとの再会もあり、この事業を通して、今後の鹿児島県内における、さらなる連携の可能性と展開が期待できるものとなりました。来年度は、秋田県内でプログラムづくり、アウトリーチとコンサートを、長野県でシンポジウムを実施します。

平成30年度「公共ホール演劇ネットワーク事業」報告

上:落語ワークショップ参加者のリレー落語披露(2018年10月21日/高知市文化プラザかるぽーと)
下:富田林公演の一場面(2018年9月22日/すばるホール)

 複数の公共ホールが共同して演劇作品の上演とワークショップなど地域交流プログラムを行う公共ホール演劇ネットワーク事業が終了しました。
 平成30年度は9月のすばるホール(富田林市)を皮切りに、全国7つの公共ホールで『桂九雀で田中啓文、こともあろうに内藤裕敬。笑酔亭梅寿謎解噺〜立ち切れ線香の章』を上演しました。この作品は、小説家・田中啓文の古典落語をキーワードに繰り広げられる人気ミステリー小説を基に、南河内万歳一座座長の内藤裕敬さんが脚本・演出を手がけ、上方落語家・桂九雀さんが演じる演劇と落語を融合させた珍しい舞台で、演劇ファン、落語ファン双方が楽しめる公演となりました。
 地域交流プログラムは、それぞれの地域の特色に合わせて、内藤さんの演劇ワークショップ、九雀さんの落語ワークショップの2種類のプログラムを行いました。一部会場では落語ワークショップ参加者に公演本番で落語を披露するという体験もしていただきました。
 参加したホールの担当者は「公演制作に関する見識を深めるとともに、地域の人たちとのネットワーク、地域文化の発信拠点としての役割など、改めて公共ホールが果たす役割の大切さを実感できました」と事業を振り返っていました。
 平成31年度は、藤田貴大作・演出『めにみえない みみにしたい』の公演と地域交流プログラムをさいたま市、富良野市、士別市、伊達市、札幌市、久留米市、福岡市、熊本市、東松山市で実施する予定です。

平成30年度「リージョナルシアター事業」報告

上:多田淳之介さんと百景社メンバーによる小学校アウトリーチ(牛久市)/下:福田修志さんによる「小牧・長久手の戦い」を再現するワークショップ(小牧市)

 演出家を公共ホールに派遣し、アウトリーチやワークショップを実施するリージョナルシアター事業。今年度は岩手県西和賀町(西和賀町文化創造館)、茨城県牛久市(牛久市中央生涯学習センター)、埼玉県東松山市(東松山文化まちづくり公社)、埼玉県秩父市(秩父宮記念市民会館)、新潟県魚沼市(魚沼市小出郷文化会館)、愛知県小牧市(小牧市市民会館)、愛知県武豊町(武豊町民会館)、三重県鈴鹿市(鈴鹿市文化会館)、岡山県(岡山県天神山文化プラザ)の計9地域で開催しました。街の規模もホールのミッションもさまざまな中で、5名の派遣アーティスト(多田淳之介、田上豊、有門正太郎、福田修志、ごまのはえ)は各々の担当地域において、ホール担当者と対話を重ねながらプログラムをつくっていきました。
 牛久市では、地域の劇団「百景社」と協働して「ファシリテーター養成ワークショップ」を実施。派遣アーティストの多田さんと共に、ワークショッププログラムの開発を目指しました。実際に小学校で実施したアウトリーチでは、劇団メンバーにアシスタントとして参加してもらうなど、実地経験も積んでもらうことができました。事業担当の中島祥子さんは「小学校アウトリーチは来年度も継続して実施する予定なので、劇団との連携を強め、二人三脚でプログラムをつくっていきたいです」と今後の展望を話してくれました。
 また、小牧市では戦国時代の合戦「小牧・長久手の戦い」を参加者で再現するワークショップを実施。親子で参加する人が多く、キャンセル待ちが出るほどの人気となりました。地域資源を生かした内容とすることで、普段は演劇に馴染みのない層にもアプローチすることができました。
 このように当事業は、多様なプログラムによってホールと地域の抱えるさまざまな課題や資源と向き合うことができます。2020年度の参加団体募集は後日詳細をお知らせいたします。多くの応募を心よりお待ちしております。

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