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古典芸能というとちょっと敷居が高いような感じがしますが、例えば能や狂言の源流は庶民の芸能、田楽・猿楽にまで遡ります。このまつりでは、日本人が愛し、育み世界的な芸術にまで高めたすばらしい古典芸能の数々を、各地に伝わる地域伝統芸能と同じ舞台で紹介します。洗練された古典芸能の中に繰り広げられる「怨霊」の数々を堪能して下さい。 |
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美しい女御の姿に恋した菊づくりの老人は、その姿をみるため、中身が石と知らずに美しい錦で包んだ重荷を持ち上げることになる。事実を知った老人は悲嘆にくれ恨みを残し死んでしまう。恋はつらく恐ろしいものと嘆く女御の前に、凄まじい形相で怨霊となった老人が現れる。人間の心の闇や執心、妄執を室町時代の能役者、世阿弥が描いた名作。
古来より天王寺と法隆寺に伝わる舞楽の秘曲。聖徳太子の笛の音に合わせて山神が舞ったという伝説に基づいた舞。御笛役の笛に合わせたように、仮面をつけ蓑を着た異様な蘇莫者が激しく緩急のある舞を舞う。太子の霊を慰めるための聖霊会で舞われる蘇莫者は太子の怨霊を笛方が鎮めているようにも見て取れる。
「祇園精舎の鐘の声・・・」と琵琶法師によって語り継がれてきた、おなじみの平家物語。無惨に滅んだ平家一門の鎮魂とも聞こえるような一大叙情詩が、琵琶の音色にのせて語られる。
人形 吉田玉男(人間国宝)、大夫 竹本住大夫(人間国宝) 「義経千本桜」「仮名手本忠臣蔵」と並ぶ三大名作の一つ。天神様で有名な菅原道真を題材にした壮大な作品。この天拝山の段は、菅丞相(道真のこと)が時平の陰謀を知って天拝山(太宰府近郊)で雷神と化し、実際に口から火を吐き、生きながら怨霊となる凄まじい場面。
旅僧の前に表れた異様な亡霊は、渋皮をむかれ、張り蛸にされた苦しさを語り、舞う。実は、昨年大きな蛸が上がったので食べてしまったという、そのときの大蛸の亡霊だった。 ■上記出演日時は、変更の場合もございます。 |