アイヌの古式舞踊梵天黒川能「道成寺」越中おわら節新野の雪祭り
壬生狂言「桶取」石見神楽「大蛇」山鹿灯籠踊り奄美の島唄・六調

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アイヌの古式舞踊 [3/30 上演] 北海道
 アイヌの古式舞踊は、大自然をカムイ(神々)と敬う信仰から生まれ、イオマンテ(熊の霊送り)を始めとする祭祀の祝宴や様々な行事で踊られます。自然の描写を巧みに取り入れた丹頂鶴の舞やバッタの踊り、子供たちの弓の舞、また乙女の恋心を、ムックリ(口琴)で奏でます。特に、男の恋心、女の恋心をユーモア豊かに演じる色男の踊りは、観客を魅了します。
文化庁の重要無形民俗文化財の指定を受けたアイヌ古式舞踊は、北海道内に17の保存会があります。今回の出演メンバーは、その保存会で活躍している人の中から選抜して構成します。


梵天 [3/31 上演] 秋田県横手市
 2月17日に行われる横手市旭岡山神社の伝統行事。「梵天」とは神社に奉納する御幣の一種で、秋田県内には各地に梵天奉納の風習があります。250年以上の伝統を誇る旭岡山神社梵天の特徴は、他に類を見ないほど大型であることと、頭飾りが豪華絢爛なところです。年明けから1ヶ月半かけて製作した70本もの梵天が、「ジョヤサ」の掛け声とともに雪の舞う横手市内を練り歩く姿は、心を揺さぶられるほど壮観です。
 旭岡山神社の梵天は、毎年70を越える団体からの参加があり、横手市をあげてのお祭りです。今回は、伝統を継承し続ける各団体からの有志が連合会を組み、横手市のオールスターともいえる陣容で出演します。


黒川能「道成寺」 [3/30 上演] 山形県櫛引町
 黒川能は、櫛引町大字黒川の鎮守、春日神社の神事能として、すべての氏子たちの手によって500年もの間、連綿と守り伝えられてきました。
 能の曲目の中で、恋をテーマにした曲は色々ありますが、道成寺は叶わぬ恋をあつかった究極の作品で、物語性と内面的な情念の移ろいが基調となって強烈な印象を与える曲となっています。そして、日本人の感情形成に少なからぬインパクトを与え続けています。
 黒川能は、240戸の氏子が上座と下座に分かれて能座を形成し、それぞれの能太夫を中心に座の運営がなされています。今回は上座の上演となります。


越中おわら節 [3/31 上演] 富山県八尾町
 三百年もの伝統を有し、「風の盆」で知られる「越中おわら節」と「踊り」。9月1日の宵闇迫る頃、豊年を願い、風よ収まれと千万無量の願をかけて始められるおわら「風の盆」は、三日三晩唄いつづけ、踊りつづけられます。
 「かかし踊り」ともいわれる勇壮な「男踊り」、「四季踊り」ともいわれる春夏秋冬それぞれに異なった所作がある「女踊り」、町流しや輪踊りを中心とした「豊年踊り」を披露します。越中おわら節から早稲の香りを感じていただければ幸いです。


新野の雪祭り [3/30 上演] 長野県阿南町
 長野県の最南端、海抜800mの阿南町新野に伝わる雪祭りです。古来より「雪が豊年の兆し」と伝わっており、新しい年を予祝する祭りとして1400年頃より始められ、小さな山村で 700年余も伝承されてきました。昭和27年に、国の無形民俗文化財に指定されています。
 大松明の下、五穀豊穣の神「幸法(さいほう)の舞に始まり、「茂登喜(もどき)の舞」、悪霊退散を占う「競馬(きょうまん)」、作物の稔りを促す「神婆(かんば)の舞」など、14種の舞が徹夜で繰り広げられます。


壬生狂言「桶取」 [3/31 上演] 京都市
 京都の壬生寺で行われる黙劇の狂言。
 照子という美女が閼伽水を手桶で汲み、本尊に備えるべく、壬生寺に参詣していた。そこへ、金持ちの大尽が照子を見初め、口説く。照子も大尽の誠意にうたれ、踊りを教える。これを知った、懐妊中の大尽の本妻が現れ、二人を責める。大尽は迷うが、照子と逃げて行く。残された本妻は…。
 「桶取」は、約700年の伝統を連綿と伝承している壬生狂言の代表的な演目で、京舞や歌舞伎などにも影響を与えています。


石見神楽「大蛇」 [3/30 上演] 島根県益田市
 日本古来の有名な神話を基に展開される神楽。
 スサノオノミコトが出雲の国、斐の川で嘆き悲しんでいる老夫婦と娘を見つけ尋ねてみると、この山奥に大蛇(おろち)が住み、毎年里に現れ娘をさらってゆき、8人の内、今はこのイナダヒメ一人になったと言う。ミコトは娘をもらいたいと約束し、早速毒酒を用意させ、酔った大蛇と大格闘の末退治する。そして、ミコトと娘はめでたく結ばれる。
 石見神楽の代表的演目「大蛇」の勇壮華麗な舞、そして古代のロマンとドラマをお楽しみに。


山鹿灯籠踊り [3/30 上演] 熊本県山鹿市
 その昔、菊池川一帯にたちこめた濃い霧に進路を阻まれた景行天皇のご巡幸を、山鹿の里人が松明を掲げてお迎えしました。その松明の灯が山鹿灯籠の由来です。
 山鹿灯籠まつりは、毎年8月15・16日に行われます。千人もの女性が金灯籠を頭に掲げて踊る千人灯籠踊りは圧巻で、幻想的な美しさに包まれる郷土芸能です。
 今回ご紹介する灯籠踊り、しっとりと優雅に舞う踊りの中でも一番の見せ場は、組踊りのラストに見せる「山」。1列に並んだ踊り手が山の隊形を組んだところで会場が暗転。灯籠の明かりだけが浮き上がり、幻想的な雰囲気に包まれます。


奄美の島唄・六調 [3/31 上演] 鹿児島県名瀬市
 奄美六調は、本来、祝儀や宴席を盛り上げるために最後に「締め」として行われる縁起物の音楽です。
 今回は、奄美の伝統的な結婚式と披露宴の形式を再現します。新郎の家の大広間での祝い唄で始まり、三々九度の儀式に続いて祝宴に入ります。威勢のよいナンコ(数あて遊び)で景気をつけ、続いて、奄美独特の島唄、男女交互の恋唄の掛け合いで祝い気分を出し、最後に全員の六調で盛り上げます。
 奄美民謡(島唄)の独特な響きと男女の恋唄の掛け合いの味わい、にぎやかな六調の妙味をお楽しみください。