浪曲「藤十郎の恋」文楽「曽根崎心中/天神森の段」
新作能「夢浮橋」スーパー狂言「クローン人間 ナマシマ」


浪曲「藤十郎の恋」 [3/30 上演]
 都万太夫座の座元、坂田藤十郎は、新作狂言での密夫の所作(身のこなし方)をどうつけていいものやら苦心しています。ある日、座付茶屋宗清(むねせい)の妻お梶に、20年来の恋心を打ち明け、お梶はそのはなしに真剣に聞き入ります。やがて舞台も初日をむかえ、都万太夫座の楽屋では、藤十郎が狂言の稽古に、人の女房に偽りの恋を仕掛けたと噂がたちます。お梶は、『偽りにもせよ、藤十郎様の恋の相手に一度でもなれば、女子に生まれた本望』と言って自らの命を絶ちます。
 関西浪曲界の大御所、春野百合子の出演でお送りします。


文楽「曽根崎心中/天神森の段」 [3/31 上演]
 近松門左衛門が実際にあった事件を取材して脚色した作品。世話物の第1作で、文楽史上の最高傑作の1つとして知られています。
 大阪内本町の醤油屋平野屋九右衛門の手代徳兵衛は、北の新地の遊女天満屋お初と恋仲でありました。九右衛門は徳兵衛の叔父で、女房の姪を徳兵衛の妻にしようとしていました。一方徳兵衛は、友人の久平次に頼まれて店の金を貸してやりますが、実はこれがかたり。徳兵衛は生玉神社の境内で、久平次にさんざん辱められます。縁談、金、義理にさいなまれる徳兵衛。天満屋で徳兵衛から話を聞いたお初は、打掛けの裾に徳兵衛を隠して縁側に腰掛け、座敷で徳兵衛が偽版を使ったと言い触らす久平次を前に、独り言になぞらえて足で“心中をたてる”のでした。やがて人も寝静まった夜更け、天満屋を抜け出したお初は徳兵衛と曾根崎の森につき、棕櫚と松とが一本の相生になった下を死に場所と決め、徳兵衛はお初を刺し、自分の喉を刺します。

 出演は、豊竹嶋大夫、吉田玉男[人間国宝]、吉田簑助[人間国宝]ほかでお送りいたします。


新作能「夢浮橋」 [3/30 上演]
 51才で出家得度した瀬戸内寂聴尼。出家の身だからこそ見えてくる世界があります。新作能「夢浮橋」は、寂聴尼の心血をそそぎ完訳した源氏物語の世界を、千年の時を越えて立体化し、見る人の心に伝えます。初演は平成12年3月国立能楽堂。
  演出は梅若六郎と山本東次郎。能と狂言それぞれの立場から、性格を異にする演出も注目されます。
  物語では、陸奥で師の死を知った阿闍梨が比叡山に向かいます。阿闍梨は昔、師の高僧とともに浮舟を助け、出家させた僧でした。実は、浮舟の出家のとき髪を切ったのがこの阿闍梨で、あまりにも美しくなまめかしい黒髪だったため、一掴みをふと懐に忍び込ませてしまったのです。その煩悩のため、阿闍梨はこの世で地獄をみます。
  出演は、阿闍梨:梅若六郎、匂宮:金剛永謹、浮舟:梅若晋矢、地謡:山本順之ほかでお送りいたします。


スーパー狂言「クローン人間 ナマシマ」 [3/31 上演]
 衝撃のクローン羊・ドーリーから6年、クローン技術は超スピードで進んでいますが、ここに新たな驚愕の真実が明らかになります。それはクローン人間の誕生です。
  大リーグのスカウトに主砲を全部もっていかれた東京ジャイガンツのオーナーは、科学博士に、往年のスーパースター・ナマシマのクローン人間を作ることを依頼します。出来上がったクローン人間・ナマシマたちは全部で7人!大喜びのオーナーたちですが、大勢集まればいいというものではありません…。
  平成12年末にスーパー狂言「ムツゴロウ」を書き、本来、社会風刺の色彩が強い演劇である狂言に風刺精神を復活させて大好評を博した、梅原猛氏の新作スーパー狂言第2弾です。4月12・13日に、千駄ヶ谷・国立能楽堂で全編が初演されます。
  装束のデザインを横尾忠則が担当。出演は、茂山千作(人間国宝)、茂山千之丞、茂山千五郎、茂山七五三 ほかでお送りいたします。