まつり当日の様子 地域伝統芸能まつり


3月1日 面浮立米多浮立ユカ継ぎ獅子綾子舞
狂言「神鳴」郡上おどり津軽情っ張り大太鼓
3月2日 新作「太鼓について」秋保の田植踊 オラショ(かくれキリシタン行事)
能「野守」 油井の豊年踊り四日市の大入道

【地域情報PRコーナー】
地域伝統芸能アンケートに寄せられたご感想


第3回 地域伝統芸能まつり
テーマ「天地(あめつち)」
 東京に居ながらにして、日本全国の伝統芸能が見られるとあって大人気の地域伝統芸能まつりも今年で3回目を迎えました。応募総数が2日間分の合計で1万3千通とたくさんの皆様から応募いただきました。応募いただきました皆様、誠にありがとうございました。
 さて、今回はテーマ「天地(あめつち)」にまつわる日本各地の地域伝統芸能のなかから11の伝統芸能をご披露いただきました。また、日本の伝統芸能の至宝である能や狂言、さらには太鼓とオーケストラのコラボレートなど見どころいっぱいの全14演目でした。


【司会】
 司会は今やNHKでもおなじみの阿部渉アナウンサーと昨年に引き続き2回目の女優の竹下景子さん。各地域の特色ある演目を、爽やかに紹介する阿部アナと出演者のなかに入って温かく話しかけ、また自ら踊りに加わりインタビューする竹下さん。そして、この地域伝統芸能まつりに欠かせないのが、演目の見どころを解説される方々。解説を聞いて「そうか、なるほど!」と思われた方もいたのではないでしょうか。



■第1日 3月1日(土) 午後3時開演
 さて、当日は生憎の雨。にもかかわらず会場は満員でした。さて、さて、照明が暗くなり、幕が開くと「まつり」の始まりです。民謡歌手の山本譲治さんによる「南部俵積み唄」のオープニングを皮切りに、今度は舞台上に米俵を抱えた人たちが集まってきます。この地域伝統芸能まつりのテーマ曲「曼荼羅21序章」にのせて、出演者全員が一つずつ米俵を積んでいきます。最後の一つが積み上がると会場はすっかり「まつり」ムード一色です。


面浮立<めんぶりゅう> 〔佐賀県鹿島市/浅浦浮立保存会〕

面浮立 まつりの最初を飾るのは、鬼面に赫熊「しゃぐま」(毛)という何とも恐ろしいいでたちの面浮立、その踊りは五穀豊穣を感謝する奉納舞踊です。見事に揃ったその舞いに練習の成果と苦労が感じられました。

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米多浮立<めたふりゅう> 〔佐賀県上峰町/米多浮立保存会〕

米多浮立 黒装束姿の頭上には高さ2メートルもあろうかという「天衝」を戴き舞う姿は勇壮でした。天を衝こうかという米多浮立には、わが国の農耕文化に密接な雨乞いの儀式を感じさせるものがありました。

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ユカ 〔北海道/(社)北海道ウタリ協会〕

ユカラ アイヌ語を母語として育った76歳の萱野茂さんが、いろり端で節をつけながら語るその神話の世界は、「金の雨が竜神の上にふりかかる」といったイメージ豊かな世界で、とても感動的でした。

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継ぎ獅子<つぎじし> 〔愛媛県今治市/高部獅子舞保存会〕

継ぎ獅子 村の宝の獅子児を下から父親が、地域の人たちが支えている様子は、地域を継いでいく獅子児をまわりの大人たちが一致団結して守ろうとする姿を見ました。上演後のインタビューもとっても感動的でした。

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綾子舞<あやこまい> 〔新潟県柏崎市/柏崎市綾子舞保存振興会〕

綾子舞 歌舞伎の元祖とも言われ500年前から伝わるこの綾子舞。今もなお、しっかりと受け継がれている姿を見せていただきました。思わずうっとりさせられました。

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狂言「神鳴<かみなり> 〔山本東次郎ほか〕

狂言「神鳴」 恐ろしい形相の神鳴様も大きな針にはさすがに参ったようです。客席から笑いがおこっていました。稲作には欠かせない雨ですが、天にこんなに人間味のある神鳴様がいると思うとなんだか楽しくなります。

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郡上おどり<ぐじょうおどり> 〔岐阜県八幡町/郡上おどり保存会〕

郡上おどり 舞台上に民家の街並みが再現され、提灯の下がった真ん中の屋台で囃子が始まると、まるで夏祭りがそこにきたような雰囲気。郡上おどりには、「かわさき」「春駒」「三百」「げんげんばらばら」などの踊りがあり、簡単に覚えることができ、浴衣に着替えた司会の竹下さんが踊りに参加すると、場内のお客様も次々と飛び入りされ、場内は大盛り上がりでした。

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津軽情っ張り大太鼓<つがるじょっぱりおおだいこ>
 〔青森県弘前市/津軽情っ張り大太鼓  津軽情っ張り大太鼓保存後援会 弘前市七夕会〕

津軽情っ張り大太鼓 この地域伝統芸能まつり実行委員会の委員である鈴木健二さんの解説で紹介された高さ3メートル30センチの「津軽情っ張り大太鼓」がドンドンと登場する様は、1日目のまつりの最後を飾るに十分迫力のあるものでした。

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■第2日 3月2日(日) 午後3時開演

新作「太鼓について<太鼓協奏曲>」 〔三枝成彰作曲/島田雅彦脚本〕

新作「太鼓について<太鼓協奏曲>」 「太鼓について」は、三枝成彰氏が「ドイツにおける日本年」(2000年)のために書き下ろした協奏曲で、日本の祭りの代表的な楽器の和太鼓と西洋のオーケストラの音色に、太鼓の起源を狂言師野村万之丞氏が謡曲で語るというコラボレーション作品。一見ミスマッチと思えるようなこれらの組み合わせが、不思議とぴたりと合い、とても美しいハーモニーを奏でていました。

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秋保の田植踊<あきうのたうえおどり> 〔宮城県仙台市/秋保長袋の田植踊保存会〕

秋保の田植踊 きらびやかな衣装をまとい、一生懸命踊る中学生・小学生の姿はとても感動的でした。田植えを思わせる華やかで美しい踊りには、こころ惹きつけられるものがありました。

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オラショ(かくれキリシタン行事) 〔長崎県生月町/長崎県生月町壱部かくれキリシタン信徒〕

オラショ(かくれキリシタン行事) 「オラショ」は、かくれキリシタン信徒により今日まで継承され信仰の中で唱えられてきた祈りの言葉。「唄オラショ」とその原形となった聖歌について解説された皆川達夫さん(立教大学名誉教授)の説明はとても印象的でした。

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能「野守<のもり> 〔梅若六郎ほか〕

能「野守」 能の世界が作り出す天界と地獄、何とも神秘的で不思議な世界に一流の能楽師ならではの迫真の舞台。皆さん息をのんだのではないでしょうか。

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油井の豊年踊り<ゆいのほうねんおどり> 〔鹿児島県瀬戸内町/油井集落会〕

油井の豊年踊り 舞台上に土俵とデイゴの木。まさに、そこは油井集落。力士達が杵をつく姿は何とも勇ましく、赤ん坊が土俵入りする様は、次世代に伝統を繋ぐ集落の希望の一筋を感じさせるものがありました。

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四日市の大入道<よっかいちのおおにゅうどう> 〔三重県四日市市/中納屋大入道保存会〕

四日市の大入道 身の丈4.5m、首の長さ2.7m、高さ1.8mの山車を台に立ち、首を伸ばすと高さは9mにもなる日本一のからくり人形の大入道。その大きさと愛嬌のある顔の表情に、会場からは笑い声がもれました。

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【地域情報PRコーナー】

地域情報PRコーナー 地域伝統芸能等の地元10団体に参加していただき、各地の伝統文化や観光等の地域情報や特産品等のPRを行う「地域情報PRコーナー」をNHKホール2階の北ロビーに設けました。
 イベント当日は、開演前や休憩時間を中心に、全国から集まった多くの観客がこのコーナーを訪れ、2日間とも大盛況でした。

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地域伝統芸能アンケートに寄せられたご感想


日本には数々の地域伝統芸能があるが、なかなか見る機会も少なく、このような形で紹介することにより、より多くの人が見て、知る機会となる。伝統芸能を守っている人たちにもはげみになり、大変意義のある企画だと思う。
地域の「まつり」というものは、ホントにパワーのあるものだと実感した。
子供から年輩の方まで、祭りに携わっている方の熱意と迫力を感じた。後継者の方には、引き継いでいくことの大切さを若い人に広め、これからもそれぞれの素晴らしい伝統をずっと保ち続けるよう頑張っていただきたい。
初めて見るものが多く、歴史の重み、伝統を守り育てていく姿に感動した。現地でも是非見たい。
日本の文化の素晴らしさを再認識した。農業を基とした伝統文化をどんなことがあっても、護り続けたい。日本人はもっともっと誇るべきものを身近に感じ大切にしなければと、心から思った。
国際理解の為にも、各国からの留学生など若い人にみてもらう座席も用意して、広く世界にこの素晴らしい伝統芸能を知ってもらいたい。
舞台の両端に電光の字幕がついていたので、難しい能とかの意味が字面で良く理解でき、良かった。
PRコーナーはパンフレットが沢山あって良かったが、物産品の販売や伝統芸能の情報をもっと充実してもらいたい。
各地の芸能それぞれ素晴らしかった。宝くじは買った人に夢を与えるだけではなく、地方の伝統芸能にも貢献していることがわかった。これからもこのようなイベントを続けて欲しい。


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