当日の様子

「第17回地域伝統芸能まつり」 テーマ:妖(あやかし)

 日本各地で脈々と受け継がれている地域伝統芸能や古典芸能が一堂に会する「地域伝統芸能まつり」を、2月26日(日)にNHKホールで開催しました。今年は「妖~惑わされ、引き込まれ、狂わされ~」をテーマに、日本各地の地域伝統芸能7演目と古典芸能1演目が披露され、2,400人以上の観客を魅了しました。

 まず、オープニング前に伝統的な手品「江戸手妻」を藤山大樹が披露。妖しい雰囲気の中、あっと驚く七変化に観客は引き込まれていきました。

江戸手妻

 続くオープニングでは、この日の出場者が、テーマ曲「曼荼羅21」にあわせて元気よく ステージに登場。たくさんの観客を前に士気を高め、まつりの始まりを活気づけました。

オープニング

 最初の演目は沖縄県うるま市の「エイサー」が登場。沖縄の青い空と海を模した舞台で沖縄民踊に合わせて、パーランクーという片張りの太鼓を叩く色鮮やかな衣装の踊り手たちが舞台を埋め、華やかな幕開けとなりました。

エイサー

 次に、和歌山県御坊市の「御坊祭の“獅子舞”“四つ太鼓”」。力自慢の男性が12mの幟を差し上げ、獅子舞が勇ましく舞い、歌舞伎風化粧をした乗り子が叩く四つ太鼓が勢いよく舞台に担ぎこまれました。担ぎ手が太鼓台を高く持ち上げ、乗り子が大きく体を反らすと、会場からは歓声が上がりました。

獅子舞
四つ太鼓

 岩手県大船渡市の「浦浜念仏剣舞」は、面を付けた踊り手が、供養のために香炉を掲げて焼香する動作で舞が始まりました。続いて壮烈な剣舞と子どもたちの舞が披露され、舞の妙技に魅了されました。

浦浜念仏剣舞

 広島県安芸高田市からは「ひろしま安芸高田神楽」を代表する「滝夜叉姫」が披露されました。きらびやかな衣装の登場人物たちが颯爽と舞い踊り、物語の展開とともに増す緊張感と舞の激しさに目が離せませんでした。

ひろしま安芸高田神楽

 ここで趣向を変えて、古典芸能の狂言「梟山伏」が野村又三郎らによって演じられました。あやしげな梟に取り憑かれた狩人と山伏の滑稽な動作や「ホホーン」という鳴き声に笑いが溢れました。

梟山伏

 そして、地域伝統芸能に戻り、実行委員会の鎌田委員が秋田県羽後町の「西馬音内盆踊り」の起源や魅力を語り、石笛を奏でる中、幕が上がりました。やぐらの囃子方が唄い、舞台の両袖からは笠や頭巾で顔を覆った踊り手がゆったりと踊り出ます。踊り手たちが輪になると、舞台は夕方から夜に変わり、静かで幻想的な世界が広がりました。

西馬音内盆踊り

 続く熊本県湯前町の「東方組太鼓踊り」は、大きな兜をかぶった踊り手が源氏と平家に別れて合戦の様子を表現します。抱えた太鼓を力強く打ち鳴らし、声を上げて入り乱れる迫力に観客は圧倒されました。

東方組太鼓踊り

 最後の演目は、東京都中央区の「つきじ獅子祭」が登場。巨大な重さ約1 トンの雄獅子を男性120 人が担ぎ、約700 キロの雌獅子を女性100 人が担ぎました。ワッショイと威勢よく獅子頭を担ぎ上げると、その熱気に会場が一体となって盛り上がりました。

つきじ獅子祭

 会場の興奮が冷めやらぬ中、フィナーレには全出演者が再登場。客席からは、各地域で伝統芸能を保存・継承してこられた出演者の方々への敬意、そして今後への期待を込めた盛大な拍手が惜しみなく送られました。各地域の演目から伝統芸能が持つ魅力を再発見するとともに、その歴史や人々の暮らしに思いを馳せ、第17回地域伝統芸能まつりは幕を閉じました。

フィナーレ

地域情報PRコーナー

 ホール2階の客席ロビーには「地域情報PR コーナー」を設置し、各出演団体の地元地域のパンフレットの配布や地元自慢の特産品のグッズの販売を行いました。
 今回は、6ブース(岩手県大船渡市・秋田県羽後町・和歌山県/御坊市〈共同出店〉・広島県安芸高田市・熊本県湯前町・沖縄県)が出展。どのブースもたくさんの方にご利用いただき、地域への理解をより深めていただきました。

当日のアンケートに寄せられたご意見

・各地域の祭をいつまでも残してほしい。
・現地に行って、実際に見てみたくなった。
・日本各地にこんな素晴らしい伝統芸能が残っていることに感激した。
・熱心に若い人たちが受け継いでいるのが嬉しい。
・どの演目も迫力があり、引き込まれた。
・皆さん一生懸命でとても素敵なステージだった。
・1日で日本中を旅した気分になった。
・とても良かった。また次回を楽しみにしている。

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