フェスティバルの目的及び経緯 プログラム 当日の様子 出演地域伝統芸能 出演古典芸能 実行委員会 事業実績 地域伝統芸能まつりトップへ 地域創造トップへ
当日の様子

第12回 地域伝統芸能まつり テーマ「縁(えん)」

 日本各地で脈々と受け継がれている地域伝統芸能と古典芸能を一堂に会して紹介する「地域伝統芸能まつり」が、2月25日(土)、26日(日)の両日、東京・渋谷のNHKホールで開催されました。
  大変多くの皆様にご応募ならびにご来場をいただき、誠にありがとうございました。
  12回目を迎える今年は「縁(えん)」をテーマに、全国から10の地域伝統芸能と2つの古典芸能が集い、実演と同時にその歴史や地域性などもご紹介しました。

全体画像

第1日 2月25日(土)

・谷汲踊/岐阜県揖斐川町
・福田十二神楽/福島県新地町
・三重の獅子舞/佐賀県佐賀市
・菅窪鹿踊・剣舞/岩手県田野畑村
・狂言「舟渡聟」(和泉流)/野村万作 ほか
・加賀獅子舞/石川県金沢市

三重の獅子舞 加賀獅子舞

三重の獅子舞

加賀獅子舞

第2日 2月26日(日)

・小園臼太鼓踊/宮崎県門川町
・鷺舞/島根県津和野町
・小國神社 十二段舞楽/静岡県森町
・半能「融」(観世流)/梅若玄祥 ほか
・雄勝法印神楽/宮城県石巻市
・沼田祇園囃子 おぎょん/群馬県沼田市

小園臼太鼓踊 小國神社 十二段舞楽

小園臼太鼓踊

小國神社 十二段舞楽

谷汲踊

 1日目、全演目のトップバッターを務めたのは岐阜県揖斐川町の「谷汲踊」です。竹と切り紙でできた彩り豊かな「シナイ」を背負い、大太鼓を打ち鳴らしながら豪快に舞い踊ります。演者は一糸乱れぬ動きで総重量30キロにもなるシナイと太鼓を巧みに操って、オープニングにふさわしい華やかで迫力ある舞台が繰り広げられました。


福田十二神楽

 福島県新地町からは、お囃子も舞もすべて十代の少年が演じる「福田十二神楽」が登場。小学生の頃から7年間務めあげたという神楽師たちが、その集大成となる最後の舞台を見事に演じきりました。お囃子に合わせ鮮やかな剣さばきをみせた彼らは次世代への指導・継承にも意欲をみせ、震災復興に対しても「自分にできること、少しでも役に立てることをしていきたい」と頼もしいコメントを残していました。


 岩手県田野畑村からの出演となった「菅窪鹿踊・剣舞」では、鹿踊を舞った演者が早変わりで剣舞も演じるという珍しい舞を披露しました。色鮮やかな衣装を身にまとい、軽やかな動きで観客を魅了。成人を迎えたばかりという若手継承者のひとりが「まつりを通して応援してもらえることが励みになる。自分たちが一生懸命踊ることで地元に勇気を与えたい」と力強くコメントすると、会場からは拍手がわき起こりました。



鷺舞

 2日目には、島根県津和野町から「鷺舞」が登場。鉦や太鼓、唄に合わせて雄雌一対の白鷺が羽を広げて舞います。檜でできたその羽は15キロもの重さがあるにもかかわらず、それを感じさせない優雅で風情に満ちた舞い姿に、会場中が酔いしれました。最後は雄が雌の肩にそっと羽を添えて終わる、夫婦の縁をも感じさせる演目となりました。



雄勝法印神楽

 また、宮城県石巻市からは「雄勝法印神楽」が出演しました。渡会の川に橋を架けようと何度も挑戦する様子はユーモアたっぷり。最後には神のお告げをもとに見事に橋が架かる、楽しく魅力的な舞となりました。演技のなかで、全国からの震災復興支援に対する感謝の言葉や、復興への決意が述べられる一幕もありました。


 地域伝統芸能まつりのもうひとつの柱が、古典芸能です。1日目には狂言『舟渡聟』が登場し、不思議な縁でつながった舅と婿のやりとりに会場が笑顔に包まれました。また、2日目に登場した半能『融』では、被災者への追悼の思いが込められた白装束でじっくり舞う、優美な舞台が披露されました。
 
 2日間にわたるステージの大トリを飾ったのは、群馬県沼田市の「沼田祇園囃子 おぎょん」です。子どもたちが山車の上で演奏するお囃子のなか、まずは男性約50人による神社みこしが威勢良く登場。続いて、女性約50人に担がれた巨大で真っ赤な天狗みこしが登場し、2つのみこしがステージいっぱいに広がると、盛り上がりは最高潮に達しました。
  会場がまつりの熱気に満ちあふれるなか、最後はこの日の出演団体が舞台に再登場し、皆でみこしを担ぎ上げました。客席からは盛大な拍手が送られ、会場全体がひとつとなって、まさにテーマの「縁(えん)」さながらの雰囲気に。全国各地で受け継がれている伝統芸能は、土地と土地を結び、人の心をつないで地域を支えている、そのことを再認識させてくれるような感動的なフィナーレとなりました。

全体画像

地域情報PRコーナー

 ホール2階の客席ロビーには、出演団体の地元物産展として、岩手県、宮城県(26日のみ)、宮城県石巻市、福島県、群馬県沼田市、石川県金沢市(25日のみ)、岐阜県揖斐川町、静岡県森町(26日のみ)、島根県津和野町の9団体が出展しました。また、その他の出演団体の地元観光文化パンフレット等を自由にお持ち帰りいただける地域情報コーナー等も設けました。どのブースもたくさんの方にご利用いただき、地域情報に対する注目度の高さがうかがえました。

当日のアンケートに寄せられたご意見

・いずれもその地に根ざした伝統ある演目ばかりで、大変感銘を受けました。
・日本各地で素晴らしい伝統が受け継がれていることを知り、感激しました。
・若い方たちが一生懸命踊る姿に、未来や希望が感じられました。
・地域の人々をつなぎ、先人と未来の人をつなぐ伝統芸能を守り続けることの意義を改めて感じました。
・伝統芸能を守り、受け継いでいく苦労やその立派さを知り、心を打たれました。
・なかなか観にいくことのできない芸能・文化に触れられて嬉しかったです。
・その地域を訪ねて本場で行われる伝統芸能を実際に観てみたいと思いました。
・様々な種類の伝統芸能が観られる、素晴らしく貴重な企画だと思います。

ページトップへ↑

Copyrights (C) 2006-2010 Japan Foundation for Regional Art-Activities. All rights reserved.