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1日目[2/23]: 松前神楽伏木一宮の獅子舞遠州大念仏佐原囃子知立の山車文楽

2日目[2/24]: 綾南の親子獅子舞村上の田植踊鶴崎踊南沢神楽(南部神楽)御所の献灯行事

松前神楽 (北海道 小樽市) [2/23上演]

松前神楽は、江戸時代初期に道南の松前周辺で行われていた様々な神楽、田楽などの伝統芸能を集大成し、松前城内の神事として伝承されてきました。江戸時代に起きた陰惨なお家騒動による亡霊を鎮めるため、祈祷の演舞を行ったのが起源とも伝えられています。鰊漁の繁栄とともに伝播し、現在は小樽市、函館市、松前町、福島町などを中心に保存継承活動が行われています。神楽の演目は23の舞を含む33の舞楽と神事で構成されており、今回はその中から荒馬舞、神遊舞、獅子舞を上演します。

伏木一宮の獅子舞 (富山県 高岡市) [2/23上演]

伏木一宮の獅子舞は、毎年4月18日に高岡市の氣多(けた)神社春季例大祭で奉納される神事です。例大祭は奉幣使出立の儀の後、「神輿渡御・にらみ獅子・祭礼獅子」の順で進行しますが、このうち社殿の前で行われる「にらみ獅子」が特に知られています。獅子が悪霊を鎮めるために「神輿渡御」の先導をする行道(ぎょうどう)形式のお旅行事は、神道と仏教の神仏混交に起源があるといわれ、古い獅子舞形式を知る上で貴重です。にらみ獅子の儀が終わると、「祭礼獅子」が奉納されます。にらみ獅子の緩やかなテンポから一転し、例大祭は賑やかに盛り上がって終わります。

遠州大念仏 (静岡県 浜松市) [2/23上演]

浜松市など遠州地方では、昔から大念仏と呼ばれる盆行事が行われています。戦国時代、武田信玄と徳川家康が争った三方ヶ原の戦いで亡くなった死者の霊を供養したのが始まりと伝えられ、江戸時代に最盛期を迎えました。初盆を迎えた家からの依頼で大念仏を行う集団(組)が庭先で念仏を詠唱し、死者の霊を供養します。組ごとに独自の節回しや踊りを持ち、また回向する対象により異なった歌詞で殊更に賑々しく弔うのが特徴です。三方ヶ原古戦場の史跡である浜松市犀ヶ崖(さいががけ)では、毎年7月15日に合戦の死者を弔い、今も遠州大念仏が行われています。

佐原囃子 (千葉県 香取市) [2/23 上演]

豪華な山車や大人形が祭りを盛り上げる佐原囃子は、天正年間 (安土桃山時代) の神楽囃子に端を発すると伝えられます。江戸時代、利根川の水運により江戸との交流が盛んになるなか、歌舞伎や浄瑠璃などの影響を受けながら、賑やかな祭りに合う独特の囃子に練り上げられてきました。曲目は 40 以上あり、その多さは他の囃子に類例がありません。地元では囃子を「下座 ( げざ ) 」、囃子方を「下座連」と呼び、佐原地区内には多くの下座連があります。下座連は、それぞれ使用する笛の調子が異なり、旋律やリズムに独特の味わいを楽しむことができます。

知立の山車文楽 (愛知県 知立市) [2/23上演]

江戸時代から270年余り続く、知立神社の祭礼「知立まつり」は、初夏の五月を彩る華やかな祭りです。祭礼は1年おきに本祭と間祭が行われ、本祭では5つの町から高さ7m、重さ5tの豪壮な山車が5台繰り出し、神舞と呼ばれる囃子に合わせて町内を賑やかに巡行していきます。この山車の上で、文楽と呼ばれる人形浄瑠璃が上演されるところから「山車文楽」と呼ばれるようになりました。山車の上で文楽を上演するのは知立だけの貴重なものです。文楽は、大夫・三味線・人形遣いが一組となって演じられ、知立では芸事というより神事として大切に継承されています。

綾南の親子獅子舞 (香川県 綾川町) [2/24上演]

親子獅子舞は全国的にも珍しく、香川県内ではこの綾南の親子獅子舞だけとされています。その起源は諸説ありますが、もとは一頭獅子の獅子舞であったものが、工夫と改良により親子獅子舞が誕生したといわれます。親子獅子舞の特徴は、親獅子と子獅子の演技に尽きます。親子の獅子が楽しく遊ぶ「大せぎり」、寝ている親の背中に子がまたがり、親と子の頭を上下に振る「獅子てこ」、親が子を谷に突き落とす「坂落とし」、親が子の成長を喜ぶ「帆上がり」などの舞で構成されます。親獅子の子獅子に対する情愛と、子獅子が親獅子を慕う親愛の表現が心を打ちます。

村上の田植踊 (福島県 南相馬市) [2/24上演]

村上の田植踊は、貴布根神社と古四王社の4月の春祭りに1年おきに奉納されてきました。踊りは道化役のユーモラスな田植のしぐさから始まります。続く田植踊りは花笠を被った早乙女と万祝(まいわい)を着た弥八が7人~10人ずつ1列になって向き合い、その間に小太鼓を持った中打ちが入って踊ります。村上地区は東日本大震災により甚大な被害を受け、今なお「避難指示解除準備区域」に指定され、住民は避難生活を余儀なくされています。踊りの用具や衣装も全て津波で流失しましたが、各方面からのご支援により、平成24年の秋、念願の復興上演を果たしました。

鶴崎踊 (大分県 大分市) [2/24上演]

戦国時代の大友宗麟の時代から450年以上の伝統を持つ鶴崎踊は、大分県を代表する盆踊りです。大分市鶴崎地区の町内会や企業・各種団体の踊り手たち、総勢2千人が趣向を凝らした華やかな仮装で身を飾り、七重八重の輪になって踊るさまは、実に絢爛豪華です。肥後細川藩の飛び地であった江戸時代の鶴崎は、豊後水道に臨んだ参勤交代の発着地として、また京・大阪との交易の港町として大いに繁栄し、遊芸ごとなども盛んな町でありました。鶴崎踊の華やかで優美な踊りは、こうした歴史の上に磨き上げられ、現代に継承されているのです。

南沢神楽(南部神楽) (岩手県 一関市) [2/24上演]

南部神楽は、宮城県北部から岩手県南部の一帯に伝わる神楽です。修験者など一部の人により舞われてきた神楽が、明治初期一般にも広がり、ストーリー性豊かな大衆的な神楽として発展したと考えられています。今回上演する『五大領』は「土用」の由来を説く神楽です。春夏秋冬をそれぞれ司る四神がいました。そこに女神が生まれ「自分にも季節を分け与えてほしい」と四神に頼みますが拒否され、戦いとなります。仲裁の神が「鎮まれ」と現れ、四神に「各々が司る90日のうち18日を女神に分け与えよ」と裁定し、1年360日を5等分した72日ずつを五神が守ることになったという物語が演じられます。

御所の献灯行事 (奈良県 御所市) [2/24上演]

地元では「鴨の宮」と呼ばれ崇敬されてきた鴨都波神社で夏と秋に行われる行事です。7月の夏祭りと10月の秋祭りに五穀豊穣、無病息災を祈願して「ススキ提灯」と呼ばれる30基余りの提灯が奉納されます。3段に計10張の高張提灯を組み立て、先端部に白弊を掲げたススキ提灯は、高さ5m、重さは約10キロにもなります。この提灯を肩や額、あごに乗せ、太鼓のリズムに合わせ、振り回しや投げ合いなどを披露していきます。この行事の起源は定かではありませんが、江戸時代中期には現在に近い形態が生まれていたといわれ、奈良盆地南部における祭礼形態を示す行事として貴重です。

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