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当日の様子

1日目[2/27]: 表児の米数河獅子河口の稚児の舞狂言「柑子俵」
能「菊慈童 遊舞の楽」黒石よされ芦別獅子

2日目[2/28]: 銚子はね太鼓武雄の荒踊白石踊大海の放下狂言「楽阿弥」
組踊「二童敵討」萩野鹿子踊| 長崎くんち 龍踊

地域情報PRコーナー
当日のアンケートに寄せられたご感想

第10回 地域伝統芸能まつり テーマ「楽」

日本各地で受け継がれている地域伝統芸能や古典芸能を紹介している「地域伝統芸能まつり」、節目となる第10回目を開催させていただきました。
たくさんの方からのご応募、ご来場誠にありがとうございました。
今回は「楽」というテーマを設定し、脈々と受け継がれてきた祭りの楽しさを感じさせる演目を全国から選出いたしました。
11の地域伝統芸能と4つの古典芸能の実演と同時にその歴史や地域性などもご紹介しました。

司会

司会は、初めてとなる女優の生稲晃子さんと3年目となるNHKの水谷彰宏アナウンサーでした。
お二人がわかりやすく演目を紹介するとともに、それぞれの演目が終わるごとに出演者に声をかけ、練習の様子や伝統芸能を受け継いでいる姿を会場のお客様に伝えていただきました。

第1日 2月27日(土)午後2時30分 開演

オープニングを飾ったのは、日本の古典奇術である「手妻」の「蝶のたはむれ」です。紙で作られた蝶があたかも本物の蝶のように舞い、次々に繰り広げられるショーに会場中が釘付けとなりました。最後に紙吹雪が舞い、めでたく地域伝統芸能まつりが開幕しました。

表児の米(ひょうこのこめ) 福井県坂井市/表児の米保存会

最初の地域伝統芸能の演目となったのは、福井県坂井市丸岡町の布久漏神社に数百年前から伝わる、女人禁制の神事です。白シャツ・下帯姿の男性が歌いながらリズミカルに初穂米を搗ち、その合間に臼を持ち上げて力自慢をします。コミカルな部分が会場の笑いを誘っていました。なかなか持ち上がらない臼が最後に持ち上がった時には会場から大きな拍手がおきました。

数河(すごう)獅子 岐阜県飛騨市/数河獅子保存会

数河獅子は、毎年9月5日に飛騨市古川町の白山神社と松尾白山神社の秋の例祭で豊穣への感謝をこめて交互に奉納されています。今回は村人たちが平和の中で狂喜乱舞する場面を表現したといわれる、雄と雌の2頭の獅子による「曲獅子」披露いただきました。二人1組になって肩車や倒立などが繰り返されるアクロバティックな演目で、厳しい練習の上での息の合った演技に大きな拍手が送られました。

河口(かわぐち)の 稚児の舞 山梨県富士河口湖町/河口の稚児の舞保存会

起源は諸説ありますが、864年の富士山大噴火の時に、鎮火の神である浅間明神をこの地に奉斎して鎮火祭りを行い、噴火を鎮めた祭神のご苦労をお慰めするために始めたとされおり、1,000年以上もの歴史を持つ稚児舞です。下方と呼ばれるお囃子に合わせて、7歳から12歳の少女が3種類の舞を鮮やかな姿で披露しました。舞を覚えるのが大変だったというほほえましい感想とともに今後への継承への力強いコメントがありました。

狂言「柑子俵(こうじだわら)」(和泉流) 野村小三郎ほか

友人の柑子売りに売る筈だった柑子を、別の業者に売ってしまった亭主が困っていると、太郎冠者(子方)が柑子の代わりに自分が俵の中に入って、後で逃げてきますと提案します。太郎冠者が入った柑子の俵を、何も知らずに背負って帰る柑子売りですが、俵の中からなにやら不気味な声が聞こえてくる・・・というお話です。子方(子供)がいないと上演できない珍しい狂言で、狂言の面白さが存分に楽しめた演目でした。

能 「菊慈童 遊舞之楽(きくじどう)」(観世流) 梅若玄祥ほか

薬の水が流れているという山奥で、調べにきた臣下がなんと七百年もの間同じ姿で生きている少年と出会います。少年は昔、周の穆王の枕をまたいだことで山に捨てられた時、経文を書いた枕を王より賜り、菊の葉に経の文句を書いておくと、その滴が不老不死の妙薬となったことを語ります。少年は舞を舞い、不老不死の妙薬を捧げ山の中に帰っていくという話です。梅若家に受け継がれている美しい舞に息を飲む幻想的な世界が広がりました。

黒石よされ 青森県黒石市/黒石よされ実行委員会

「黒石よされ」の起源は、およそ500年といわれ、盆踊りの時の男女の恋の掛け合い唄であったといわれています。毎年8月に約3千人が踊るお祭りとなっています。黒石つゆ焼きそばでも有名となっている黒石市の段々暮れゆく町並みを背景に4つの舞を披露いただきました。司会のお二人と、また会場の皆様も座席で盆踊りに加わり、とても華やかな舞台となりました。

芦別(あしべつ)獅子 北海道芦別市/芦別獅子保存会

1日目の最後を飾っていただいたのが、別名、百足獅子ともいわれ全長7.5mの芦別獅子です。胴幕の中に10人が入り舞うのは、現代の獅子舞の中では最大規模とされています。1895年に富山県砺波地方から芦別に入植した人々が、郷里に伝わる獅子舞を再現しようと、1900年に獅子舞を神社に奉納したのが芦別獅子の起こりです。子どもたちに先導されて動く大きな獅子舞は迫力があり、親子3代で伝統を受け継いでいるという出演者が印象的でした。

第2日 2月28日(日) 午後2時30分開演

銚子はね太鼓 千葉県銚子市/銚子はね太鼓保存会

2日目のオープニングを飾る演目となったのは、千葉県銚子市のはね太鼓です。江戸時代大漁祈願の太鼓を叩いたことが起源とされています。徐々にパフォーマンス要素が加わり、"魅せる太鼓"として海外でも上演されています。二人の打ち手が首とあばらで太鼓を支え担ぎ、打ったり跳ねたりし、クライマックスは「ねかせ打ち」と呼ばれる相手を地に這わせ、太鼓を打つものでした。客席の側までくる迫力ある演目に会場が盛り上がりました。

武雄の荒踊 佐賀県武雄市/中野荒踊保存会

「武雄の荒踊」は旧佐賀藩武雄領のみに伝わる芸能です。その起源は約470年前、戦いに勝利したことを祝して、足軽たちが即興的に踊ったのが始まりとされています。今回は優美で手の振りに特徴のある「中野の荒踊」を披露いただきました。刀をさして踊り、独特の息づかいと歌があり、最後には手で叩いた足が真っ赤になるほどの勇壮な舞でした。出演者の多くが子どもの頃から舞の練習に励んでいるという頼もしいコメントがありました。

白石踊 岡山県笠岡市/白石踊会

笠岡市白石島に古くから伝わる盆踊りです。源平水島合戦で戦死した人々の霊を慰めるために始まったと伝えられています。一つの音頭と大太鼓で男踊・女踊・娘踊・奴踊など4種類の異なる踊りが一つの輪になり踊ります。今回は「那須与一」という演目を披露いただきました。今年80歳になられる音頭取りになって60年という長老の音頭に合わせて踊られる盆踊りは洗練されており、背景の大海原と調和し、趣きのある舞台となりました。

大海の放下(おおみのほうか) 愛知県新城市/大海放下保存会

白石踊に続いて披露いただいたのは、お盆の行事である愛知県新城市の大海の放下で、高さ3mもの大団扇を背負い、腹に太鼓をくくりつけ、古くから伝わる歌謡に合わせて舞い踊るものです。平安末期、歌と念仏をもって放浪した放下僧のわざが、時代を経て大道の芸となり、この地に根を下ろしたものといわれています。哀調を帯びた節回し、鉦や笛の音が会場に響き、大団扇と太鼓で合計6キロの重さを中腰で踊る熱演に会場が魅了されました。

狂言「楽阿弥(らくあみ)」(大蔵流) 山本東次郎ほか

坂東方の僧が伊勢大神宮に参詣する途中、別方の松原で尺八が下がった不思議な松の木に出会います。所の者にいわれを聞くと、楽阿弥という下手な尺八吹きが、尺八を吹きすぎて吹き死にしたという供養のしるしとわかります。夜もすがら尺八を吹き弔う僧の前に楽阿弥の亡霊が現れ、吹き死にした有様を語り舞います。能の要素と狂言の要素が入った演目となっていました。

組踊 「二童敵討(にどうてきうち)」 子の会

組踊は沖縄に古くから伝わる伝統芸能で、首里王府が中国皇帝の使者である冊封使を歓待するために、1719年「玉城朝薫」により創作、初演されました。組踊の台本の約9割が仇討ち物である中、今回は、組踊の名作『二童敵討』の後半部分を技芸の継承に励んでいる研修修了生の、子の会(しーのかい)により披露いただきました。紅型の幕、衣装、当時の言葉、伝統楽器による演奏により会場が沖縄の雰囲気に染まりました。

萩野鹿子踊(はぎのししおどり) 山形県新庄市/萩野鹿子踊保存会

この地方では五日ごとに風が吹き、十日ごとに雨が降ると豊作になるという言い伝えから、五穀豊穣を祈願する踊りと考えられています。7人の踊り手と"ささら"という楽器を用いた2人の「地方」で構成され、カモシカを模した鹿子踊りは全国唯一のものといわれています。小学4年生から始めたという現在24歳の若い継承者が同じく出演していた父親を見てやりたいと思ったというコメントがあり、伝統の継承の姿を伝えることができました。

長崎くんち 龍踊(じゃおどり) 長崎県長崎市/籠町龍踊保存会

龍踊は、長崎諏訪神社の大祭「長崎くんち」の奉納舞の一つです。舞台上の諏訪神社には、当日の出演者が見物客として観覧しました。客席から登場した長さ20mの龍体が唐服を着た玉使いが操る玉を追って独特な唐楽拍子に合わせて、まるで生きているかのように踊る様は実に壮観でした。また、会場とともに練習したアンコール「もってこ~い、もってこい」の掛け声とともに会場が一体となり、最高潮に達し、2日間の熱演が締めくくられました。

地域情報PRコーナー

2階のホールホワイエには、出演団体の地元物産展として、千葉県、福井県坂井市、岐阜県飛騨市(27日のみ)、岡山県白石市、佐賀県武雄市の5団体が参加しました。また、その他の出演団体の観光文化パンフレット等もご来場の方に自由に持って帰っていただけるコーナーも設けました。各コーナーともたくさんの方にご利用いただき、地域文化に対する注目度の高さが窺えました。

当日のアンケートに寄せられたご感想

・それぞれ実際に村の祭を見に行きたくなりました。
・伝統を継承する皆さんの熱気が伝わってとても楽しかったです。
・アナウンサーの説明もポイント絞ってわかりやすく、インパクトある楽しいもの個性的なものばかりで最高でした。ずっと残してほしい文化だと思いました。
・どれもとても上手で、感動しました。
・背景がその土地の雰囲気を出していて情景も合わせて祭りを楽しめました。
・初めて鑑賞したが、この催しは地域伝統芸能を広く知らしめ、保存、普及に役立っていると感じた。
・東京で全国の郷土芸能が見る事が出来、嬉しいです。有難うございました。
・能や狂言など古典芸能は見ごたえあり、又遠くからきて下さり素晴らしかったです。
・伝統芸能が若い人に引き継がれている様子が良くわかり非常に頼もしく思われました。

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