一般社団法人 地域創造

講座・シンポジウム・募集等

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●「今、ここにある風景=コレクション+アーティスト+あなた」展

 黙考する男の顔をいつまでも見上げる一匹の灰色の犬。まるで導き出されることのない答えを虚しく待ち続けているかのようだ(写真参照)――これは、静岡県立美術館の企画展「今、ここにある風景」において、アーティスト・菱山裕子がロダンの彫刻「考える人」の隣りに自作の「犬―待っているんですけど」を並べてつくり出した新たな「風景」である。同展は、菱山を含む4人のアーティストが、約2,300件にもおよぶ所蔵品の中から自由に作品を選出、その作品と自分の作品を一緒に展示するという企画だ。ユベール・ロベール、セザンヌ、池大雅などの所蔵品約30点と4人のアーティストの作品約60点が出品される。アーティストはほかに大岩オスカール幸男、日高理恵子、吉田暁子。いずれも日本の現代アートの中で注目される若手アーティストである。

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左:菱山裕子「犬―待っているんですけど」
(1993年) (C)早川宏一
右:オーギュスト・ロダン「考える人」
(1880年/静岡県立美術館所蔵)

 同館学芸員の李美那さんは、「もともとは現代美術をどのように観てもらうかというところから始まっています。敬遠する方が多いのですが、現代美術にしてもそれまでの美術の流れを踏まえたところに成立するもの。アーティストが名品に挑むバトル、そこから生まれてくる『風景』を観てもらえれば。それと『風景』が成立するためには観客の参加が不可欠なように、この展覧会は、アーティストが名品を見る『視線』と、観客が名品とアーティストの作品を観る『視線』の二つが重なり合って初めて成り立つのです。アーティストにお願いしたテーマの一つもこの『視線の重層化』ということでした。市民や県民の『参加』ということが言われますが、大仰なことをしなくても『観る』ことの中でも十分に『参加』できるのではないでしょうか」と言う。
 今までの美術館のあり方、つまり学芸員が美術史的な「視線」でコレクションを集め、展示し、観客はその見方を受け取るだけという一方通行を変革していこうとする姿勢がうかがえる。観客の「観る」をサポートするため、美術専攻の学生が1対1で対応するワークショップも開かれる。観客とアーティストが共同で作品を再発見する試みに期待したい。

 

●「今、ここにある風景=コレクション+アーティスト+あなた」展
[日程]7月27日~9月8日
[会場]静岡県立美術館
[問い合わせ]静岡県立美術館 Tel. 054-263-5755

 

 

第3回佐野ルネッサンス鋳

 

募集

 

金展作品募集

 

一千年の歴史をもつ天明鋳物のふるさと佐野市が開催する鋳金作品のコンペティション。用途性のある工芸品を対象とする部門と表現の可能性を探る造形部門がある。大賞賞金は各部門100万円。
[審査員]青木宏(栃木県立美術館学芸課長)、清水九兵衛(造形作家)、戸津圭之介(東京芸術大学教授)ほか[会場]佐野市文化会館
[作品募集締切]9月15日
[問い合わせ先]佐野ルネッサンス鋳金展実行委員会事務局
Tel. 0283-22-5111

 

 

「千里が街にやってくる~PIANISMU」

 

参加ホール募集
財団法人ソニー音楽芸術振興会では、ポップシンガーの大江千里と一緒に地域参加型のコンサートを企画するホールを募集中。子どもたちの詞に大江が即興で作曲する、地域の音楽を作曲するなど、企画内容は参加ホールと検討して決定するというもので、2003年度に実施予定。
[問い合わせ]財団法人ソニー音楽芸術振興会 Tel. 03-3261-9831

 

 

第1回奈良県万葉日本画大賞展作品募集

 

昨年秋に開館し、万葉歌をモチーフにした日本画を収蔵する万葉文化の総合拠点・万葉文化館。新たに万葉日本画大賞を創設し、万葉に取材した日本画作品を公募。入賞および入選作品は、来春に開かれる展覧会にも出品される。
[賞]大賞1点300万円、準大賞2点100万円(以上入賞作品は買い上げ)
[審査員]上村淳之(日本画家)、中路融人(日本画家)、平山郁夫(日本画家)ほか
[募集締切]10月31日
[問い合わせ先]奈良県立万葉文化館 Tel. 0744-54-1850

 

 

「第7回漂流紀行文学賞」「第6回漂流物拾った写真展」作品募集

 

“海岸にフィルムの入ったままのカメラが流れてきた”――高知県大高町の砂浜美術館事務局では、この漂流してきたカメラをテーマとした漂流紀行文を募集している。審査員はコラムニストの天野祐吉。併せて海岸に打ち上げられた漂流物を写真に収めた作品も募集。入賞作品はともに砂浜に流れてきた漂流物を展示する「漂流物展」の会期中(10月22日~31日)に発表される。
[募集締切]第7回漂流紀行文学賞:9月2日、第6回漂流物拾った写真展:10月1日
[会場]大方あかつき館
[問い合わせ先]砂浜美術館 Tel. 0880-43-4915

 

 

BOOK・VIDEO

 

「舞台芸術と法律ハンドブック―公演実務Q&A―」

 

舞台芸術に携わる人を対象に、公演事業に関する法律的な問題点を解説した実務書。「上演権は誰にあるか」「公演中の事故の責任」「出演者への支払いと税務処理」など、具体的なポイントが挙げられて、Q&A形式でやさしく説明されている。定価2300円(税別)。
[問い合わせ先]芸団協出版部 Tel.03-5353-6606

 

「舞台技術基礎講座」ビデオ版

 

道内の市町村向けに「舞台技術基礎講座」を行っている北海道文化財団がその蓄積を活用したビデオを作成(60分、VHS版)。内容は「舞台用語の基礎知識」「基本的な照明作業」「式典舞台・民謡舞台・反響板舞台での仕込と調整作業」。送料自己負担で無料配布中。
[申し込み先]北海道文化財団 Fax. 011-272-0400

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