一般社団法人 地域創造

講座・シンポジウム・募集等

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●愛知芸術文化センター・オリジナル映像作品10年の軌跡

 来る10月30日に開館10周年を迎える愛知芸術文化センターで、第7回アートフィルム・フェスティバルの第1期として、「愛知芸術文化センター・オリジナル映像作品10年の軌跡」を開催する。「オリジナル映像作品」とは、愛知芸術文化センターの自主制作による、“身体”を統一テーマに設定した実験的な映像作品の連作で、開館以来、1年に1本のペースで制作を続けてきた。
 “身体”というテーマの設定については、現代の芸術のみならず哲学や思想の領域でも関心が持たれていて、かつ一般にも比較的なじみやすいもの、という理由もあるが、実際の製作において、個々の作家が独自の解釈をし、おのおのの解釈によって作品をつくることが可能だという、創作的な自由度を高めることも念頭においていた。
 日本における先駆的フィルム・ダンス作品となった勅使川原三郎『T-CITY』(1993)やダニエル・シュミット『KAZUO OHNO』(95)、映画における独自の演劇的表現を実現した天野天街『トワイライツ』(94)、ドキュメンタリーの新たな可能性を提示したキドラット・タヒミック『フィリピンふんどし 日本の夏』(96)、大木裕之『3+1』(97)、園子温『うつしみ』(99)、ドラマ的な実験を試みた和田淳子『ボディドロップアスファルト』(2000)、白川幸司『眠る右手を』(2002)、ノンリニア編集を全面的に導入した初期の作例でもある前田真二郎『王様の子供』(98)、そしてこれと対をなすような、全編手描きによる抽象アニメーションの石田尚志『フーガの技法』(2001)――実際、完成した作品群は、それぞれがユニークでバラエティに富むものになった。
 これらの作品からは、海外の映画祭で受賞するものも出るなど高い評価を得ているが、公立文化施設における、映像作品製作の企画としても稀有な事例なので、この機会にぜひシリーズの成果をご覧いただきたいと思っている。

(愛知県文化情報センター学芸員・越後谷卓司)

 

●名古屋市
[日程]10月30日、31日、11月2日
[会場]愛知芸術文化センター アートスペースA
[問い合わせ]愛知県文化情報センター Tel. 052-971-5511

 

 

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●ラブリーホール開館10周年記念事業
交響カンタータ『ゲルニカ』公演

 

 大阪府東南部に位置する新興住宅地の河内長野市。人口増加率府内トップクラス(現在人口12万人)のこのまちに、河内長野市文化会館「ラブリーホール」がオープンして今年で10周年になる。その記念事業として、同館が大阪芸術大学教授で作曲家の野田燎氏に委嘱した新作合唱交響曲「交響カンタータ『ゲルニカ』」が、市民による「河内長野ラブリーホール合唱団」と大阪シンフォニカー交響楽団によって初披露される。
 この作品は、スペインの詩人ジュゼップ・パラウ・イ・ファブル(1917~)が戦争の悲惨さを詠った「ゲルニカ」を題材にしたもの。開館以来、大阪シンフォニカー交響楽団の練習場として協力したり、市民オペラや「かわちながの世界民族音楽祭」を実施するなど、音楽事業に力を入れてきたラブリーホールの集大成とも言える企画だ。
 「もともと河内長野には小さな市民合唱団がいくつかあったのですが、ホールができたのを機にみんなで集まって市民合唱団をつくりました。これまで大阪シンフォニカーに協力していただきながら、『第九』や『レクイエム』など計15回のオーケストラ付き合唱公演を行ってきました。5年前からは、新規参加者が入りやすいように演奏会ごとに団員を募集して、解散する方式に変えましたが、毎回150名を超える市民が参加しています」と、事業担当の宮地泰史さん。
 合唱団の運営は、設立メンバーなど中核になる市民10余名が常設の世話人会をつくり、ホールと連携しながら行っている。「今回の企画では合唱団のステップアップを目指し、芸術性の高い作品にしたかった。野田さんにも遠慮しないで作曲してくださいとお願いしたら、難しい曲になってしまって。今、みんな必死で練習しています」。
 これからはほかの合唱団とも交流を深めたいと、広報のために今回の演奏を録音するとのことなので、興味のある方はぜひご連絡を。

 

●大阪府河内長野市
[日程]10月27日
[会場]ラブリーホール大ホール
[問い合わせ]河内長野市文化振興財団 Tel. 0721-56-6100

 

 

募集

 

山形国際ドキュメンタリー映画祭2003 作品募集

 

来年10月に開催される第8回山形国際ドキュメンタリー映画祭の参加作品を募集中。長編ドキュメンタリーを選考する「インターナショナル・コンペティション」部門と、アジアの新進作家を紹介する「アジア千波万波」部門の2部門。前者は予選で選ばれた作品を映画祭で上映し、最優秀賞にはロバート&フランシス・フラハティ賞(賞金300万円)を授与。後者には小川紳介賞(賞金50万円)が授与される。
[募集期間]インターナショナル・コンペティション:9月1日~2003年3月31日/アジア千波万波:9月1日~2003年5月31日
[問い合わせ先]山形国際ドキュメンタリー映画祭実行委員会
Tel. 023-624-8368

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