一般社団法人 地域創造

「第5回地域伝統芸能まつり」のご案内

─祭りの根源である「福」をテーマに開催─

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 日本各地で脈々と受け継がれている地域伝統芸能や古典芸能を毎年多くの方々に紹介している「地域伝統芸能まつり」。今年もいよいよ2月26日、27日の両日、東京・渋谷のNHKホールで開催されます。
 5回目となる今年のテーマは「福(ふく)」。「福」とは、子どもの健やかな成長であり、家族のつつがない暮らしや収穫時の豊かな実りでもあります。私たちは、いつも「福」を願い、祭を通じて「福」に感謝してきました。「福」は、祭の最も根源的なテーマともいえるでしょう。今回は、そんな「福」にまつわる演目を北は青森県八戸市から南は沖縄県まで、14地域でそれぞれ継承されている地域伝統芸能と古典芸能を中心にご紹介します。
 地域伝統芸能のうち1日目に登場する福島県・二本松市の「石井の七福神」は、もとは旧暦の小正月に行われていました。七福神と道化役が登場し、おどけた仕草を交えて踊ります。また2日目に登場する鹿児島県伊集院町の「徳重(とくしげ)大バラ太鼓踊り」は、通称「ウバラデコ」とも呼ばれています。直径約1.5メートル、重さ30キロ近くにもなる大太鼓を振り回したり、抱えて走る姿は、独特で勇壮なものがあります。大太鼓の者が将棋倒しになり自力で立ち上がれなくなるコミカルな場面も。
 ほかにも、全国でも珍しい笑いの神事である山口県防府市の「笑い講」、高さ約10メートルのはしごに獅子が昇って舞う千葉県東金市の「北之幸谷(きたのこうや)の獅子舞」、全国的にも有名な長野県岡谷市の「御諏訪太鼓(おすわだいこ)」、伊勢万歳(三重県鈴鹿市)、加賀万歳(石川県金沢市)、伊予万歳(愛媛県北条市)の3つの古典万歳の共演や、高さ6メートル長さ10メートル以上の曳山が登場する「大蛇山(だいじゃやま)」(福岡県大牟田市)など、さまざまな地域伝統芸能が登場します。
 古典芸能は、狂言『居杭(いぐい)』が登場します。ちょっといたずらな「福」をお楽しみいただけることでしょう。また、ロック文楽『曽根崎心中』は、近松門左衛門の悲劇をロックと文楽のコラボレーションで表現した作品。このほかに、今回初めて歌舞伎舞踊を取り上げます。出演は、坂東三津五郎ほかで、演目は「お祭り」。祭礼を仕切る鳶頭の粋でいなせな様子は必見です。また、ホール北ロビーでは、地域を紹介するブースが出展され、各地域の情報発信や物産品の販売などが行われる予定です。
 なお、観覧ご希望の方は、下記の方法に従ってご応募ください。

 

プログラム紹介(予定) ※演目は変更される場合もあります。ご了承ください。

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●埼玉県/川越市
「南大塚の餅つき踊り」

かつては「接待餅」「祝儀餅」と呼ばれていた餅つき踊りは、上棟式や子どもの帯解き祝い、米寿の祝いなどに餅つき連中が招かれて行われます。餅をつくだけでなく、杵で臼を叩きながら面白い所作とおめでたい唄を交えた芸能です。

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●福島県/二本松市
「石井の七福神」

二本松市の石井地区には、稲と養蚕の豊作を祈願して演じられる仮装風流の「七福神」が伝えられており、正月の予祝行事として郷土色が濃いことに特色があります。初めに先導役の稲荷が登場し、続いて七福神が次々と舞い込んで祝福の寿ぎをします。

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●山口県/防府市
「笑い講」

毎年12月の第一日曜日に行われる全国でも珍しい笑いの神事。鎌倉時代(1199年)小俣八幡宮創建の時、当地の21戸の農家が集まり、大歳神を迎え、収穫と豊作を願って行われたのが起源。祭は頭屋~講員21人の各家~から頭屋へと引き継がれています。

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●千葉県/東金市
「北之幸谷(きたのこうや)の獅子舞」

北之幸谷の稲荷神社の氏子に伝承された2人立ての獅子舞では、高さ約10メートルのはしごに2匹の獅子が昇ります。北之幸谷では本地獅子連に加わっている18歳から34歳までの若連が主体となって芸能の保存・伝承を行っています。

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●長野県/岡谷市
「御諏訪太鼓(おすわだいこ)」

諏訪大社の舞楽伝承であり、戦国武将武田信玄が川中島の戦いにおいて武威を高めたと伝えられています。御諏訪太鼓流家元七代目宗家、小口大八により昭和28年に御諏訪太鼓保存会を結成。その豪壮たる太鼓の響きは国内はもとより、海外にも広く知れわたっています。

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●鹿児島県/伊集院町
「徳重(とくしげ)大バラ太鼓踊り」

通称「ウバラデコ」とも呼ばれる太鼓踊りで、島津義弘公の追悼の祭りにはなくてはならない踊りとされています。大太鼓は直径1.5メートル程、重さは30キロ近くもあり、踊りの中で大太鼓の者が将棋倒しになり、自力で起き上がるのが困難な場面があり、見物人を笑わせています。

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●伊勢万歳(三重県/鈴鹿市)・加賀万歳(石川県/金沢市)・伊予万歳(愛媛県/北条市)
「古典万歳(こてんまんざい)」

正月に家々を訪問し、五穀豊穣・無病息災などを祈り、歌い舞う民間芸能。昭和初期まで全国に多くの流派が生まれ、「萬歳」「万歳」「漫才」と文字も芸も時代にあわせて変化しています。「人々に笑いと福をお届けする」各地の万歳をお楽しみください(写真は伊予万歳)。

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●青森県/八戸市
「八戸えんぶり」

春を告げる豊年祈願のお祭りであるえんぶりは、その昔「えぶり」という農具を手に持って舞い、それがなまって「えんぶり」となったと言われています。唄やしぐさのゆっくりした「ながえんぶり」と、テンポが速く勇壮活発な「どうさいえんぶり」が、見る者の目を奪います。

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●広島県/千代田町
「本地(ほんじ)の花笠踊り」

千代田町の本地地区に伝わる花笠踊りは、細く割った竹に桜の花を型取った和紙をつけ、笠から地面近くまでたれ下げた大きな花笠が特徴で、これを頭にかぶって踊る様は、さながら清楚で優雅な万華鏡のようです。地元では豊年踊りとして踊り伝えられています。

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●福岡県/大牟田市
「大蛇山(だいじゃやま)」

大蛇山は、300年以上の歴史をもち、大牟田夏祭りのメインイベントで五穀豊穣、無病息災を願う祇園祭です。高さ6メートル、長さ10メートルの山車に、大蛇を模した幅6メートル、長さ2メートルの尻尾がついた曳山を約300人の引き手が道幅狭しと練り歩きます。

●広島県/三原市
「三原やっさ踊り」

やっさ踊りは1567年戦国智将小早川隆景が三原城を築城した際、人々がこれを祝って老若男女を問わず、三味線・太鼓・笛などを打ち鳴らし、祝酒に酔って思い思いの歌を口ずさみながら踊り出たことが始まりといわれ、現在では三原の夏の風物詩となっています。

 

●沖縄県
「琉球古典舞踊」

琉球舞踊は古典舞踊をはじめ、明治以降に登場した庶民的な雑踊り、近代の踊り手による創作舞踊、各地域で伝承される民俗舞踊等さまざまなジャンルに大別できます。今回は琉球王国時代、認証状を携えた冊封使を歓待するため披露された古典舞踊をご紹介します。

 

●古典芸能
狂言『居杭』大蔵流
伯父に怒られてばかりの子ども・居杭。清水の観音にお願いして、かぶると姿の消える頭巾を授かり、さっそくいたずらを…。 [出演(予定)]山本東次郎(大蔵流)ほか
ロック文楽『曽根崎心中』
[構成・作詞]阿木燿子 [作曲]宇崎竜童 [出演]桐竹紋寿、吉田文吾ほか
歌舞伎舞踊「お祭り」
文政9年(1826年)に市村座で初演された三変化舞踊『再茲歌舞伎花轢』の中の一幕。
[出演]坂東三津五郎ほか

 

観覧申し込み方法
「地域伝統芸能まつり」の観覧は無料です。
○応募要領
 官製往復はがきに、(1)郵便番号、(2)住所、(3)氏名、(4)年齢、(5)電話番号、(6)入場希望日(26日、27日のいずれかを記入。両日希望の場合は、それぞれ別に申し込みが必要です)、(7)入場希望者数を明記の上、下記事務局までお送りください。1枚につき2名まで入場できます(未就学児も1名といたします)。返信はがきにはご自分宛の住所、氏名をご記入ください。
※下記公式サイトからもお申し込みいただけます。
○応募先
〒160-8555 東京都新宿区舟町7-6-704
地域伝統芸能まつり事務局
○応募締切
2月7日(月) 必着
※応募多数の場合は抽選。発表は本人に直接通知いたします。
○問い合わせ
ハローダイヤル Tel. 03-5777-8600

 

第5回地域伝統芸能まつり
[日程]2月26日、27日
[開演]午後3時(両日とも)
[会場]NHKホール(東京都渋谷区)
[主催]地域伝統芸能まつり実行委員会、財団法人地域創造
[後援]総務省、文化庁、NHK
※地域伝統芸能まつり公式サイト
http://www.jafra.nippon-net.ne.jp/matsuri/

 

地域伝統芸能まつりに関する問い合わせ
総務部事業課 鈴木智行 Tel. 03-5573-4056

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