一般社団法人 地域創造

「市町村長セミナー」終了報告

●「市町村長セミナー」終了~全国の市町村長等69名が参加

 「地域創造では市町村アカデミーとの共催により、毎年、全国の市町村長等を対象に文化・芸術による地域づくりへの理解を深めていただくための「市町村長セミナー(旧アートアプローチセミナー)」を実施しています。今年度は、4月24日、千葉市の市町村アカデミーを会場に、クラシック音楽を題材にした空前の大ヒットマンガ『のだめカンタービレ』のクラシック音楽監修者であり、演奏者のキャラクターを楽器別にコミカルに紹介したロングセラー『オーケストラ楽器別人間学』の著者でもある茂木大輔氏(オーボエ奏者・指揮者・随筆家、上写真)による講義が行われました。また、財団の事業紹介の一環として行っている恒例のおんかつ登録アーティストOBのミニコンサートでは、メゾソプラノの菅家奈津子さんとピアニストの御園生瞳さんが登場(下写真)。同じ歌詞に異なる作曲家が曲をつけた作品の聴き比べや『アヴェマリア』という歌詞しかないカッチーニの作品など、音楽の表現力を体感できるプログラムを披露し、喝采を浴びていました。
  茂木氏の講義では、教会と宮廷のための音楽として発達したクラシックの成り立ちから始まり、ベートーベン以降に市民が楽しむ音楽となっていった経緯、20世紀のレコードの普及とともに爆発的にヒットしたカラヤンの時代までクラシック音楽の歴史を概観。そうした流れを踏まえ、日本の“のだめブーム”についての分析が行われました。
  「これまでも音楽マンガはあったが、それはクラシック音楽の高級なイメージを使って憧れをつくる類いのものだった。しかし、『のだめ』は楽器の形、演奏している姿もとても正確で、プロの演奏家さえ知らない曲を取り上げるなどとてもマニアック。これがクラシック音楽を知っている人たちに評価されたのがヒットに火をつけた。それはつまり、日本にそれだけクラシック音楽にふれた層が育っていたということ。ピアノ、合唱、吹奏楽、アマチュア楽団……。そのことに我々業界人は一番驚いた」
  クラシック音楽は特別なものではなく、今の日本では市民ひとりひとりが楽しむ音楽となった現状を改めて実感させられた講義でした。

 

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