一般社団法人 地域創造

平成22年度「公共ホール現代ダンス活性化事業」全体研修会

 
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写真
左:楠原竜也さん
右:東野祥子さんによるプレゼンテーションの模様

●平成22年度「公共ホール現代ダンス活性化事業(ダン活)」全体研修会(後期)終了

 地域創造の新年を告げる公共ホール現代ダンス活性化事業(ダン活)の平成21・22年度登録アーティストによるプレゼンテーションが1月6日、7日に東京芸術劇場リハーサル室で開催されました。
  ダン活では、実際に地域で事業を実施するまでに、事業に参加するホール職員を対象にした2度の研修会が企画されています。1度目は昨年11月に実施された、コーディネーターを講師にした基礎知識研修です。2度目が今回で、登録2年目になる8組のアーティストが各30分ずつプレゼンテーションを行うとともに、各館の企画についてコーディネーターを交えた意見交換会が併せて行われました。
  今回のプレゼンテーションでは、アーティストの活動をより理解していただけるよう、短い時間でしたが、ダンスのデモンストレーションと22年度にダン活を実施する10館の担当者全員に参加してもらうワークショップの両方を実施しました。昨年はイタリア留学中のためビデオでの参加だった楠原竜也さんが初めてのプレゼンテーションに挑戦。俳優経験を活かした軽快なトークで、二人の参加者が鉛筆を指で挟んで行う子どもたちにも人気のワークショップなどを披露しました。
  このほか、アーティストとしての独特の言葉遣いが文学研究者の研究対象になっているという黒沢美香さんは、参加者に手をクロスさせて歩かせながら「動きにくくてもその動きにくさを肯定することがダンスになる」と、簡潔な言葉で黒沢流ダンスの極意を伝授。また、踊りで触れ合いながら子どもたちの輪の中に入っていくウェルカムダンスを披露したセレノグラフィカ、小指の爪や足の踵を合わせるワークショップでユーモアに富んだ身体の動きを引き出した伊藤千枝さん、言葉のリズムや語感を活かした身体遊びを披露したキリコラージュ、懐中電灯を使って光の軌跡を描くなどダンスの造形的な魅力を伝えた新井英夫さん、ボールが体の中を通っていくイメージで普段意識しない体の部分を動かす方法を提示した東野祥子さん、有無を言わせない強靱な身体が繰り出す独特の動きで参加者を驚かせた鈴木ユキオさんなど、コンテンポラリーダンスの幅の広さが実感できる個性豊かなパフォーマンスとなりました。
  コンテンポラリーダンスの事業を実施するのは初めてという調布市・せんがわ劇場の大久保有花さんは、「皆さん根底にある身体に向き合うという姿勢は同じなのに、こんなに多様な見え方やアプローチがあるというのがとても面白かった。アウトリーチは初めてなので、今回をきっかけに学校との関係をつくっていければと思います」と話していました。
  平成22年度からは、事業を継続できるよう「公共ホール現代ダンス活性化支援事業」も本格的にスタートします。地域創造の事業を活用していただきながら、すべての基本となる身体に向き合い、身体を使ったコミュニケーションを図るコンテンポラリーダンス事業に取り組んでいただければと思います。

●公共ホール現代ダンス活性化事業
平成21・22年度登録アーティスト
新井英夫、伊藤千枝、キリコラージュ、楠原竜也、黒沢美香、鈴木ユキオ、セレノグラフィカ、東野祥子
*詳細はホームページ参照
http://www.jafra.or.jp/jinzai/dance/index.php

●公共ホール現代ダンス活性化事業に関する問い合わせ
芸術環境部 加藤・坂間・玉木・大澤
Tel. 03-5573-4056

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