一般社団法人 地域創造

新年度を迎えるにあたって~林省吾理事長に聞く~

知事・市町村長の皆さまへ
新年度を迎えるにあたって
財団法人地域創造理事長 林 省吾

 

 3月11日に発生した東日本大震災で未曾有の被害を受けられました地域の皆さまに、心からお見舞いを申し上げます。また、地域の復興のリーダーとして大変なご苦労をされている市町村長の皆さま、最前線で尽力されている自治体職員、公立文化施設職員の皆さまに、心から敬意を表します。地域創造といたしましても、被災地の皆さまのご心痛とご苦労を心に留めながら、その声をしっかり受け止め、どうすればお役に立てるかを考えてまいりたいと思っております。

  今回の大震災によって、被災地の皆さまだけでなく、私を含めた全国民、そして世界中の人々が人智を超えた自然災害の恐ろしさを思い知らされました。そして、改めて「生きること」の大切さ、日頃当たり前に思っている「安全であること」の大切さについて考えさせられました。と同時に、避難所で地域の皆さまが支え合う姿を拝見し、人と人とが助け合う「共助の精神」を育んできた地域社会・コミュニティの大切さについて再認識しました。これから新しい時代の地域社会をつくっていくにあたり、このことを肝に銘じなければならないと痛感した次第です。

  財団法人地域創造は、設立以来、文化・芸術の振興という手段を通じて「地域社会の活性化」を図ることを究極の目標にして事業を実施してまいりました。今回の事態に鑑みても、財団の使命がいかに重要なものであるかを改めて痛感した次第です。責任ある財団として、地域社会の活性化のために一層の努力をしてまいりたいと決意を新たにしています。

  このような状況をふまえて、当財団では被災地域の皆さまを支援する取り組みを考えてまいります。
  まず、財団ホームページを通じて、被災地域に関する情報やメッセージの収集・発信を始めました。被災地域における公立文化施設の被災状況や被災地域の皆さまから全国の公立文化施設等に向けたメッセージのほか、被災地域の施設に向けた全国からのメッセージも収集・発信しています。併せて、全国でスタートしている支援の取り組みなども取材し、被災地域の皆さまに役に立つ情報もお伝えしています。このメッセージなどで寄せられた相談にはできる限り対応を考えたいと思っており、皆さまからの相談の窓口になってまいりたいと思います。

  次に、地域を再生する一助として文化・芸術活動を行いたいと考えておられる被災地域の公立文化施設に対する「被災地支援プログラム」を考えてまいりたいと思います。これについては、どういう形が皆さまのお役に立てるのかをしっかりとご相談し、知恵を出しあいながら時間をかけて内容を検討したいと思っております。被災地の児童・生徒、あるいは高齢者の方々の心のケアや生きることの喜びを感じ、これから地域を復興していく活力になるような企画については、できる限りのお手伝いをさせていただきたいと考えていますので、ご遠慮なくご相談ください。

  当財団としても、昨年の事業仕分けを踏まえながら、宝くじの普及宣伝事業としての支援事業は廃止せざるを得なくなりましたが、都道府県・市町村を支援する助成事業を新設するなど、新年度事業で新しいステップに踏み出しました。相談窓口を充実しながら地域の事情を勘案して柔軟に対応してまいりたいと思っております。そして新しい時代の地域づくりに向けて、効果的な事業を戦略的に展開してまいる所存ですので、皆さまのご理解とご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。

2011年4月

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