一般社団法人 地域創造

平成24年度「リージョナルシアター事業」終了報告

 12月3日から7日まで、リージョナルシアター事業のメインプログラムである研修会が北九州芸術劇場で実施されました。この研修は、地域で活動する演劇表現者と公共ホール等の職員がアドバイザーを交えて、演劇の手法を活用した地域交流プログラムを企画・検討し、地域で何ができるかを考えるというものです。平成24年度のアドバイザーは、演出家の内藤裕敬さん、ミュージアム・エデュケーションプランナーの大月ヒロ子さん、北九州芸術劇場の津村卓館長です。
  5日間の研修期間中、前半2日間はセミナーとワークショップ(以下WS)、後半は各館が提案した地域交流プログラムの練り直しと発表が行われました。また、今回のWSでは、内藤さんと大月さんのプログラムを合体した新たな取り組みが行われました。
  まず、内藤さんが演劇創作のベースに据えている「見えない物を見る」力を体験するWSとして音楽を使ったイメージ遊びからスタート。音楽のイメージに近い絵を選ぶゲームをした後、参加者は武満徹の曲を聴きながら「穴」をテーマにドローイング。虹色の穴もあれば、暗い洞窟のような絵や穴を見つめる巨大な目など、想像以上にバラエティに富んだ絵が完成しました。

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内藤さんのレクチャー

 その後、ヴィジュアル素材から物語をつくり上げる大月さんのWSの手法を体験し、最後にはみんなで描いた「穴」の絵を舞台の背景画として用い、3グループに別れてパフォーマンスづくりに挑戦しました。夜の町に飲みに行った男性が遭遇するミステリー・ホラー、死神に誘われて穴の中にトリップする寺山修司を彷彿とさせる前衛パフォーマンス、痔もちの父親を家族がミクロの決死隊となって助けるヒューマン・コメディ。同じ絵素材を使っているにもかかわらず、ストーリーも伝え方も全く異なる出来映えで、手順を踏めば誰でも創作の醍醐味が味わえることを知った充実の時間となりました。

 

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左:ワークショップでドローイングを使って発表の準備/右:ドローイングをバックにパフォーマンス

 なお、本事業はより参加しやすいプログラムとするため、25年度からモデル事業としてリニューアルが予定されています。詳しくは、地域創造レターでの発表をお待ちください。

 

●リージョナルシアター事業に関する問い合わせ
芸術環境部 堀木・大垣
Tel. 03-5573-4073

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