一般社団法人 地域創造

平成25年度「地域創造大賞(総務大臣賞)」受賞施設決定

地域創造大賞(総務大臣賞)発表

平成25年度「地域創造大賞(総務大臣賞)」が次のとおり決定いたしました。
十和田市現代美術館(青森県十和田市)
いわき芸術文化交流館アリオス(福島県いわき市)
世田谷区立世田谷文学館(東京都世田谷区)
神奈川県立音楽堂(神奈川県)
みのかも文化の森 美濃加茂市民ミュージアム(岐阜県美濃加茂市)
武豊町民会館(ゆめたろうプラザ)(愛知県武豊町)
つなぎ美術館(熊本県津奈木町)


 この総務大臣賞は、地域における創造的で文化的な表現活動のための環境づくりに特に功績のあった公立文化施設を顕彰するものです。併せてその活動を全国に広く紹介することにより、公立文化施設のさらなる活性化を図り、美しく心豊かなふるさとづくりの推進に寄与することを目的として、平成16年度に創設されました。今年度は節目となる10回目の表彰です。

表彰の主なポイント
・ 地方公共団体等が、文化・芸術による地域振興やふるさとづくりという地域を豊かにするための行政の目的に沿った芸術文化振興ビジョンや公立文化施設の理念、使命を持ち、それを達成するための施設運営がなされているかどうか
・ 先進性、テーマ性を有する自主企画作品の制作、公演や自主企画展覧会の開催等創造的な活動に取り組むとともに、内外の優れた作品の鑑賞機会の提供に意欲的に取り組んでいるか
・ 地域住民の文化・芸術活動の育成支援、教育普及活動、住民参加・参画など地域住民との協働(コラボレーション)に意欲的に取り組んでいるか

 全国の地方公共団体から応募・推薦のあった施設を対象に、これらを基準として、専門家で構成する「地域創造大賞審査委員会」において厳正に審査を行い、その結果を受けて決定いたしました。

 応募していただきました施設は、いずれも限られた予算を工夫して地域の方と一緒に運営しているユニークな施設です。とりわけ今回受賞した7施設は、いずれも専門性を有しつつ、地域と連携した事業や創意工夫を凝らした事業を継続的に実施していることが高く評価されました。なお選考に当たっては、事業の継続性にかんがみ、施設の開館経過年数のほか、地域およびジャンル等のバランスも考慮いたしました。

 今回の賞は、受賞された施設の設置者のみならず、それらの施設を支え、文化・芸術による地域づくりに参加していただいている地域の皆様のご活躍に対する評価を込めて贈られるものです。心よりお祝い申し上げますとともに、今後のさらなるご発展を期待しております。

 

●地域創造大賞審査委員会
【委員長】扇田昭彦(演劇評論家)
【委員長代理】田村孝子(静岡県コンベンションアーツセンター グランシップ館長)
【委員】加藤恒夫(一般社団法人芸術資源マネジメント研究所代表理事)、梶田信一郎(財団法人地域創造理事長)、熊倉純子(東京芸術大学音楽学部音楽環境創造科教授)、小林真理(東京大学大学院人文社会系研究科准教授)、坪池栄子(株式会社文化科学研究所編集プロデューサー)、仲道郁代(ピアニスト)、柳沢秀行(公益財団法人大原美術館学芸課長)、吉本光宏(株式会社ニッセイ基礎研究所主席研究員・芸術文化プロジェクト室長)
*五十音順

●平成25年度地域創造大賞表彰式
[日時]2014年1月17日(金) 14:00~
[会場]グランドアーク半蔵門

 

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十和田市現代美術館│青森県十和田市

“まちなか美術館”として新境地
十和田市の新たなまちづくり「Arts Towada」計画の中核施設。国内外で活躍する現代アーティストの親しみやすいコミッションワークを常設展示するユニークなコンセプトにより観光施設としても定着。屋外のアート広場、商店街との交流事業、十和田奥入瀬芸術祭、多彩なイベントなどにより地域の活性化に貢献し、美術館の新たなあり方を提示した。
運営:ナンジョウアンドアソシエ イツグループ 
開館:2008年

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いわき芸術文化交流館アリオス │福島県いわき市

“地域のプラットフォーム”として新境地
PFI方式を活用した大規模複合文化施設。市嘱託職員として専門職員を雇用し、クラシック音楽を中心にした鑑賞事業、ダンス・演劇の市民参加事業などを実施。学校にアウトリーチする「おでかけアリオス」、地域住民と協働する「アリオス・プランツ!」、共有スペースでの「あそび工房」など、地域に向き合うプラットフォームとして文化施設の新たなあり方を提示した。
運営:いわき市
開館:2008年

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世田谷区立世田谷文学館 │東京都世田谷区

“文学を体験するミュージアム”として新境地
「文学のまち 世田谷」の拠点施設。世田谷ゆかりの文学者の資料約10万点弱を収集・展示する他、文学と美術、映像、音楽、演劇を横断するユニークな体験型企画展を実施。また、教育普及事業として自然と芸術を野外で学ぶ「子ども文学さんぽ」や連続ワークショップ「ことのははくぶつかん」を実施するなど、文学を体験するミュージアムの新たなあり方を提示した。
運営:公益財団法人せたがや文化財団
開館:1995年

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神奈川県立音楽堂 │神奈川県

“日本初の公立音楽ホール”として音楽文化を振興
公立施設としては日本初の本格的音楽ホール。戦後モダニズム建築の祖である前川國男が設計し、“木のホール”として知られる。オーケストラ、室内楽、古楽、日本の伝統音楽など多彩なジャンルで独自企画を実施するとともに、アマチュアの合唱団など市民の音楽活動の場としても定着。素晴らしい音響を誇る施設として60年にわたり愛され、戦後の音楽文化の振興に貢献した。
運営:公益財団法人神奈川芸術文化財団
開館:1954年

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みのかも文化の森 美濃加茂市民ミュージアム │岐阜県美濃加茂市

“複合型体験施設”により文化力を向上
歴史・民俗・自然・美術を対象とした総合博物館。広大な森に立地し、自然と芸術をテーマに滞在制作を行う現代美術の企画展や地元作家の野外展「文化の森ギャラリー」を実施。また、自然観察、地域の行事体験、朗読、アート・ワークショップなど様々な体験講座を催し、学校教育と連携した学習活動の場となるなど、複合型体験施設として文化力の向上に貢献した。
運営:美濃加茂市
開館:2000年

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武豊町民会館(ゆめたろうプラザ) │愛知県武豊町

“町民参画型運営”により文化力を向上
施設構想段階から町民参画を推進。特定非営利活動法人武豊文化創造協会(NPOたけとよ)を設立し、多彩な自主事業を実施。春の音楽祭、ゆめプラサロンコンサート・モーニングコンサート、武豊町民劇団、各種講座などに加え、ネットワークにも積極的に取り組み、近隣5市5町とともに「知多半島春の音楽祭2013」を実現。町民参画により文化力の向上に貢献した。
運営:武豊町
開館:2004年

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つなぎ美術館 │熊本県津奈木町

小さな美術館による“心豊かな生活”を推進
「緑と彫刻のあるまちづくり」のシンボル施設。“人間の創造力による美と自然の美は一体”との考えから重盤岩(熊本百景)に登るモノレールを併設。人口約5000人の町の小さな美術館として、婦人会有志と協力した運営、1年かけて町民やアーティストとともにつくりあげるアートプロジェクトを実施。アートによる新しい経験を提供し、心豊かな生活の実現に貢献した。
運営:津奈木町
開館:2001年

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