一般社団法人 地域創造

平成26年度「公共ホール現代ダンス活性化事業(ダン活)」第2回全体研修会報告

●平成26年度「公共ホール現代ダンス活性化事業(ダン活)」第2回全体研修会&公開プレゼンテーション報告

 新年の幕開けを告げる平成25・26年度ダン活登録アーティストによるプレゼンテーションが、1月7日、8日にティアラこうとう(江東公会堂)で行われました。
  ダン活では、事業を実施する前年度に、参加するホールの職員を対象にした2回の研修会を実施しています。今回は昨年11月に開催した入門編に続くアーティストプレゼン編で、登録アーティスト6組が各30分のデモンストレーションとワークショップを行いました。また、各館の企画についてコーディネーターを交えて意見を交換するグループディスカッションも実施しました。
  2年目となる登録アーティストは、1年目からさらに工夫を凝らした魅力的なプログラムでアピール。堤康彦コーディネーターから「ダンスと言うと音楽に乗って元気よくというリクエストも多いように思いますが、実は静かに触れあって感覚を分かちあうことも望まれています」と紹介されたのが、コンタクトインプロビゼーション(CI)の勝部ちこ+鹿島聖子。勝部さんは、「私たちはひとりではできない動きを他の人と触れあうことでつくり出していく即興のダンスをやっています」と自己紹介。「今何をしていますか」と自問自答しながら「スピーカーのノイズが聞こえる」など五感で今をとらえて身体と心を一致させていくウォームアップ方法などを伝授していました。
  また、拠点にしている前橋市への地域愛をアピールした山賀ざくろさん、舞踏の世界観をわかりやすく楽しく紹介した田村一行さん、参加者に使い捨てカメラを配布してフラッシュを照明効果にしたオープニングアクトと被り物をしたパフォーマンスで楽しさをアピールした赤丸急上昇、自分と他者の距離感や信頼関係を発見できるというCIのワークショップを実演した坂本公成+森裕子さん、身体を動かすことの解放感を前面に押し出して参加者を誘導しながら参加型作品をつくり上げた田畑真希さんと、コンテンポラリーダンスらしいバラエティに富んだプレゼンテーションが続きました。
  プレゼンテーションを踏まえて行われたグループディスカッションでは、平成26年度に事業を実施する8ホールの職員が3グループに分かれて「地域でどのようなことを実施したいか(狙い、ビジョン、事業内容)」「どのアーティストを招聘したいか」「アーティストのどこに魅力を感じたか」などを題材にディスカッション。その後、各ホール担当者によるプランの発表が行われました。
  「地元にある古墳をフィーチャーした事業を行いたいと、文化財保護係と相談している」(福岡県うきは市・うきは市文化会館)、「子どもから大人まで参加した音楽劇をつくっている。今後の展開のためにも振付ができる人材育成をしていきたい」(北海道滝川市・たきかわホール)、「いろいろなアーティストに震災支援で来てもらっているが一過性になりがち。子どもたちから働きかけて長期的にまちの文化芸術の下支えをつくっていきたいし、仮設住宅で引きこもりがちになっている人たちに元気になってもらいたい」(岩手県大船渡市・大船渡市民文化会館)など。参加者の熱い思いに満ちたグループディスカッションとなりました。

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勝部ちこさんと鹿島聖子さんのデモンストレーション
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赤丸急上昇のデモンストレーション
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田畑真希さんのワークショップ

●平成25・26年度「公共ホール現代ダンス活性化事業」登録アーティスト
・田畑真希
・田村一行
・山賀ざくろ
・赤丸急上昇(赤松美智代+丸山陽子)
・勝部ちこ+鹿島聖子
・坂本公成+森裕子(Monochrome Circus)
●公共ホール現代ダンス活性化事業に関する問い合わせ
芸術環境部 栗林・小林
Tel. 03 -5573 -4055・4077
dankatsu@jafra.or.jp

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