一般社団法人 地域創造

「平成26年度 地域の公立文化施設実態調査」② 専用ホール

今回は「地域の公立文化施設実態調査」のうち、舞台芸術を主目的としている「専用ホール」について主な結果を紹介する。なお、今回調査の対象となった「専用ホール」1,490施設のうち、施設側から有効回答があったのは1,452施設となっている。

施設概況

 平成19年度調査と比較すると全体の公立文化施設数が減少している中、専用ホールは1,211施設から1,452施設へと19.9%増加している。設置主体別に見ると、都道府県が94施設で全体の6.5%、政令市が126施設で8.7%、市区町村が1,231施設で84.8%、広域行政が1施設で0.1%となっている[表1]。
  管理運営形態別に見ると、指定管理が887館(61.1%)、直営が564館(38.9%)となっており、指定管理が直営を大きく上回る(ちなみに「その他ホール」では指定管理が31.1%、直営が68.9%と圧倒的に直営比率が高い)。平成19年度調査と比較すると、指定管理が52.1%から61.1%となり、直営から指定管理への移行が進展したことがうかがえる。また、指定管理の中では、公募が535施設(全体の36.9%)、非公募が352施設(24.3%)となっている[表1]。

施設の運営状況(スタッフ数・専門職員の有無・収入)

 専用ホールのスタッフの平均合計人数は9.7人で、その内訳は、事業系スタッフ2.6人、施設管理系スタッフ3.4人、舞台技術計スタッフ1.7人、総務系スタッフ2.0人となっている。設置主体別でみると、施設規模の大きい都道府県が平均合計人数が20.7人と多くなっている。平成19年度調査(全体平均10.2人、都道府県21.7人、政令市17.9人、市区町村8.4人)と比較すると、全体平均で若干の減少となった[表2]。
  また、芸術文化領域の専門職員(芸術監督やプロデューサー等)が「いる」と回答した施設は、全体で8.8%。設置主体別に見ると、都道府県25.0%、政令市17.9%であるのに対し、市区町村では6.7%と低くなっている。
  平成25年度決算金額による施設収入金額は、直営施設で平均52,847千円、指定管理施設で平均177,180千円だった[表3]。平成19年度調査と比較すると、直営施設で63,401千円から52,847千円へ16.6%の減少、指定管理施設で206,883千円から177,180千円へ14.4%の減少とこの6年間で大幅に低落している。

自主事業の実施

 平成25年度の自主事業の実施率は「自主事業のみ」が56.7%、「自主事業と設置主体からの委託事業の両方」が20.0%、「設置主体からの委託事業のみ」が3.3%で、合わせて80.0%の専用ホールで自主事業が行われていることが明らかとなった[図1]。また、自主事業を実施している施設における事業実施本数は年間平均19.0件で、分布では「1.5件」が33.4%と最も多い。設置主体別に見ると、自主事業を21件以上行っている割合が都道府県では47.6%、政令市では38.1%となっている[図2]。
  自主事業・委託事業の種類を見ると、実施率が最も高いのは「鑑賞事業」の84.7%だが、「子どもを対象とした事業」(60.8%)、「ホール内で実施する体験型事業」(42.8%)、「普及型の鑑賞事業」(42.2%)、「アウトリーチ」(38.6%)、「市民参加によるプロデュース公演事業」(34.9%)など、さまざまな普及型事業が高い割合で実施されていることが明らかとなった。また、「地元アーティストの育成・支援を目的とした事業」(36.5%)、「地元アーティストを起用したプロデュース公演事業」(32.3%)など、3割以上の施設でアーティストの育成を目的とした事業が実施されている点も注目される[図3]。
  また、アウトリーチについて詳しく見ると、実施回数の全体平均は12.6回だった。設置主体別に見ると、実施率と回数は、都道府県(65.5%、22.6回)、政令市(53.0%、11.0回)、市区町村(34.4%、11.2回)となっている。平成19年度調査と比較すると、全体の実施率が25.9%から38.6%と大幅に増加し、設置主体別に見ても都道府県、政令市、市区町村ともにアウトリーチ事業が進展していることが明らかとなった[図3]。

 
  • 表1 専用ホールの概況(設置主体調査結果)

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*管理運営形態の有効回答数は1,451施設(100%)。 

  • 表2 スタッフ数・専門職員の有無

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  • 表3 平成25年度決算金額

●直営 [有効回答施設数:472]

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●指定管理 [有効回答施設数:709]

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*1 指定管理料以外に設置者からの事業補助金がある場合に記入。指定管理者である文化財団本部に対する事業補助金で当該ホールの事業を実施する場合を含む。
*2 設置者から事業の委託を受け、その費用を指定管理料とは別に事業委託費として受け取っている場合記入。
*3 上記以外の費目で、指定管理料とは別に設置者から受け取っている収入がある場合記入。
*4 複合施設で他の施設からの収入が充当されている金額を含む。
*5 利用料金制を取っている場合記入。 

  • 図1 自主事業数の分布

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  • 図2 自主事業の実施状況

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  • 図3 自主事業・委託事業の種類
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平成26年度「地域の公立文化施設実態調査」調査概要

  • 調査対象
    公立文化施設のうち、「ホール(専用ホール、その他ホール)」、「美術館」、「練習場・創作工房」およびそれらを含む「複合施設」と、施設の設置団体にあたる地方公共団体。
  • 調査時期
    平成26年9月~11月
  • 調査方法
    全国の地方公共団体の文化振興ご担当者に、当該団体が設置主体となっている調査対象施設を記入する「施設設置一覧記入票」と「地方公共団体向け調査票」、「施設調査票」を配布。当該団体において「施設設置一覧記入票」と「地方公共団体向け調査票」の記入および「施設調査票」の各施設への配布と取りまとめをしていただいた。なお、今回は一般財団法人地域創造の独自調査として行い、前回の調査(平成19年度)とは配付・回収方法が異なる。
  • 調査回収数
    ・館からの施設調査票の有効回収数
     3,416館 延べ3,772施設
    ・地方公共団体票の有効回収数
     1,623(都道府県47、政令市20、市区町村1,556、広域行政2)

 

*「地域の公立文化施設実態調査」報告書は、地域創造ウェブサイトに掲載しており、閲覧・ダウンロードが可能です。

http://www.jafra.or.jp/j/library/investigation/026/index.php

調査研究に関する問い合わせ

芸術環境部 宇野・角南
Tel. 03-5573-4066

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