一般社団法人 地域創造

平成27年度「公共ホール音楽活性化事業(おんかつ)」スタート

 「おんかつ」は公共ホールとクラシック音楽のアーティストが、お互いにアイディアを出しあい、その地域ならではのアクティビティ(地域交流プログラム)とコンサートを共同で企画・実施する事業です。今年度も福島県白河市(白河市民会館)を皮切りに全国14カ所で事業が実施されます。
  白河市では、9月2日~5日にソプラノの廣田美穂さんがアウトリーチを実施しました。大屋小学校では、廣田さんから予め出されたクイズを解こうと一生懸命『ふるさとの四季』に聴き入っている子どもたちの姿が印象的でした。白河市では2016年に白河文化交流館がオープンする予定になっています。「開館したらこんなに素晴らしい演奏を体験できることを知ってもらいたい」という担当者の思いから、建設に携わる現場作業員の方を対象にしたアクティビティも実施されました。コンサートでは、『小さい秋』『落葉松』など馴染みのある曲からコミカル芝居入りの『うぬぼれ鏡』など、幅広いプログラムで客席を沸かせていました。また、白河市の「餅まき」の風習を知った廣田さんが、コンサート終了後にお餅を配りながら観客と交流するなど、クラシック音楽を身近に感じてもらう工夫が一杯でした。
  9月11日~13日には、宮古市でフルートの森岡有裕子さんとトランペットの高見信行さんによる事業が行われました。宮古市は平成23年度おんかつ参加決定後に被災し、津波の被害によりホールが使用できなくなり、アクティビティだけを実施した経緯があります。今回は、去年12月に再オープンした宮古市民文化会館の新たな展開を模索する中で、おんかつに再挑戦することになりました。
  仮設住宅にお住まいの方や復興支援に携わっている方などを対象にしたアクティビティでは、参加者が体を揺らして聴き入ったり、時間が止まるような静けさに包まれたり、思い思いに音楽との出会いを楽しむ様子が印象的でした。コンサートでは、「ホールやコンサートを身近に感じて欲しい」という担当者の思いから、舞台上の客席で観客と演奏者が間近に向き合って演奏を行いました。地元の読み聞かせの会メンバーによる絵本の朗読とのコラボレーションなども行われ、クラシックコンサートの可能性を広げたユニークな公演となりました。

平成27年度「公共ホール音楽活性化事業」開催地
(主会場/日程/派遣アーティスト)
・福島県白河市(白河市民会館/2015年9月2日~5日/廣田美穂)
・岩手県宮古市(宮古市民文化会館/9月11日~13日/高見信行、森岡有裕子)
・広島県呉市(呉市文化ホール/10月7日~9日/金子三勇士)
・静岡県川根本町(川根本町文化会館/10月15日~17日/前田啓太)
・静岡県裾野市(裾野市民文化センター/10月15日~17日/高見信行)
・山口県下関市(下関市川棚温泉交流センター/11月5日~8日/高見信行、中井亮一)
・宮城県加美町(中新田バッハホール/11月19日~21日/金子三勇士)
・山形県南陽市(南陽市文化会館/11月27日~29日/田村真寛)
・東京都町田市(和光大学ポプリホール鶴川/12月9日~11日/金子三勇士)
・滋賀県長浜市(浅井文化ホール/12月10日~12日/高見信行、田村真寛)
・長崎県時津町(とぎつカナリーホール/12月15日~17日/金子三勇士)
・山口県山口市(クリエイティブ・スペース赤れんが/2016年1月14日~16日/田村真寛)
・富山県高岡市(高岡市生涯学習センターホール/1月21日~23日/前田啓太)
・佐賀県白石町(有明スカイパークふれあい郷自有館ホール/1月28日~30日/金子三勇士)

 

Photo04.jpg
コンサートでアクティビティ先の子どもたちと共演(岩手県宮古市)

 

●公共ホール音楽活性化事業に関する問い合わせ
芸術環境部 下川
Tel. 03-5573-4069
onkatsu*jafra.or.jp(*を@に変えてご利用下さい)

カテゴリー

ホーム出版物・調査報告等地域創造レター地域創造レターバックナンバー2015年度地域創造レター11月号-No.247平成27年度「公共ホール音楽活性化事業(おんかつ)」スタート