一般社団法人 地域創造

平成28年度「公共ホール音楽活性化事業」全体研修会報告

平成28年度公共ホール音楽活性化事業全体研修会
2016年4月18日~20日

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写真
左上:平成28・29年度公共ホール音楽活性化事業登録アーティストによるプレゼンテーション。喜名雅さん
右上:ヴィタリ・ユシュマノフさん
左下:セレノグラフィカによるダンスワークショップ
右下:グループ別企画検討の成果発表

 

 平成28年度公共ホール音楽活性化事業(おんかつ)の参加団体やコーディネーター、登録アーティストが一堂に会する全体研修会が、4月18日から20日まで地域創造会議室とHAKUJUホールを会場にして開催されました。今回の研修会では、今年度から2カ年にわたって活動する新規登録アーティスト(平成28・29年度)7名による公開プレゼンテーションに加え、今年度の事業に参加する担当者を対象にしたワークショップやレクチャーが行われました。

 

 

●平成28年度「公共ホール音楽活性化事業」全体研修会スケジュール
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●担当者の熱意が伝わる事例
 研修では、担当者同士の交流を図ることを目的に、公共ホール現代ダンス活性化事業(ダン活)支援登録アーティストのセレノグラフィカ(隅地茉歩さん、阿比留修一さん)によるワークショップが行われました。その後、おんかつについての基礎や、事業に参加したことのある担当者とアーティストから実際の現場について学ぶ講義が行われました。
  平成26年度に参加した太宰府市の事例では、事業を担当した文化学習課の北郷寛樹さんと派遣された登録アーティストの森岡有裕子さん(フルート)から取り組みを学びました。
「太宰府には市直営の中央公民館(602席のホール)しかなく、貸館事業だけでした。しかし、平成26年度に機構が変わり、自主事業に取り組むことになったのですが、どうしていいかわからなかった。コーディネーターに一から事業運営を学びたいと思い、おんかつに応募しました」と北郷さん。初めてのチラシ・パンフレットづくりやチケット販売、照明や映像を生かしたコンサートに挑戦。丁寧な根回しに加え、ビデオレターなどを活用し、「どこに行っても地域の人がアーティストのことを知っている状況」をつくり出し、おんかつを成功に導きました。
  森岡さんは、「曲目だけでコンサートやアウトリーチの内容が決まると思われるかもしれませんが、土地のことや子どもたちの様子でやり方を決めることも多い。太宰府ではホールに入ってからこうしたいというイメージがはっきりし、真っ暗なところから始めて徐々に照明を明るくし、最後はアクティビティの様子を映し出しながら演奏しました」と話していました。
  このほか、「アウトリーチが子どもたちのためになること、アウトリーチで心と耳を解してからコンサートを聴くと音楽の聞こえ方が違うことを先生に体験してほしい」という担当者の熱い思いを実現した福井市や、音楽を聴きながら絵を画くワークを行った亀山市の事例なども紹介されました。

 

●個性溢れるプレゼンテーション
 2日目に行われた平成28・29年度登録アーティストによる公開プレゼンテーションは、初年度にもかかわらず、それぞれの演奏家の人間性が全面に出た堂々としたプレゼンテーションが揃い、聴衆を魅了していました。
  自宅には1,000本以上のマレットがあるという塚越慎子さん(マリンバ)は、マレットによって無限に広がるマリンバの音づくりの秘密を伝えるとともに力強い演奏を披露。また、「ホームセンターは音楽家にとって音楽の宝庫。まな板、釘など身近な素材を使って音楽をつくり上げられることも打楽器の魅力」とアピールしていました。
  子どもたちにプロとして仕事をしている姿を見せたいため必ずドレスで演奏するという岩崎洵奈さん(ピアノ)は、自らの編曲によるプログラムで勝負。坂口昌優さん(ヴァイオリン)は、将軍の凱旋風、女の子のウキウキ・デート風で弾き比べ、「言葉を介さずに思いやイメージを伝えられるのが音楽」と話していました。
  舞台に上げた聴衆に囲まれながら演奏した喜名雅さんは、「今日は、テューバが旋律も吹けることを知ってもらえれば」と沖縄出身らしい大らかなパフォーマンスで楽器の魅力をアピール。おっとりした口調で聴衆のイマジネーションについて話した加藤文枝さん(チェロ)は、「主役はあなたです」と客席の心を掴んでいました。また、客席から登場した福川伸陽さん(ホルン)は、楽器のルーツについての知識で客席の好奇心をくすぐっていました。
  なかでも異色だったのは、サンクトペテルブルク出身、ドイツのライプツィヒで音楽を学び、現在国分寺市在住のヴィタリ・ユシュマノフさん(バリトン)です。6カ国語を話す国際派で、ロシア民謡の『ふるさと』など5曲を披露し、誠実な人柄と“声”の力で会場を魅了していました。

 

●平成28・29年度公共ホール音楽活性化事業登録アーティスト
・岩崎洵奈(ピアノ)
・坂口昌優(ヴァイオリン)
・加藤文枝(チェロ)
・福川伸陽(ホルン)
・喜名雅(テューバ)
・ヴィタリ・ユシュマノフ(バリトン)
・塚越慎子(マリンバ)

 

●平成28年度「公共ホール音楽活性化事業」参加団体一覧(全17団体)
・青森県平川市(平川市文化センター)
・茨城県日立市(日立シビックセンター)
・埼玉県吉川市(吉川市中央公民館)
・埼玉県美里町(美里町遺跡の森館)
・埼玉県宮代町(宮代町立コミュニティセンター進修館)
・千葉県鎌ヶ谷市(きらりホール)
・東京都文京区(文京シビックホール)
・富山県滑川市(滑川西地区コミュニティホール)
・山梨県韮崎市(東京エレクトロン韮崎文化ホール)
・長野県須坂市(須坂市文化会館)
・岐阜県関市(関市文化会館)
・京都府城陽市(文化パルク城陽)
・奈良県王寺町(王寺町文化福祉センター)
・和歌山県上富田町(上富田文化会館)
・島根県安来市(広瀬中央交流センター)
・徳島県小松島市(小松島市ミリカホール)
・大分県九重町(九重文化センター)

 

●公共ホール音楽活性化事業に関する問い合わせ
芸術環境部 阿比留・水上
Tel. 03-5573-4069
onkatsu*jafra.or.jp(*を@にかえてご利用下さい。)

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