一般社団法人 地域創造

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「よみがえるオオカミ─飯舘村山津見神社・復元天井絵」展

 東日本大震災後、2013年の火災で焼失した飯舘村山津見神社のオオカミを描いた天井絵を復元する作業が東京藝術大学保存修復日本画研究室を中心に行われ、今年3月に完成。5月から福島県立美術館で公開され、併せてオオカミ信仰に関わる絵馬などの資料、同研究室の活動を通じて最新の文化財保存技術なども紹介されます。
 天井絵は拝殿の焼失前に和歌山大学の加藤久美教授、サイモン・ワーン特任助教授らが細部を撮影していたため、その写真を元に242枚の天井絵復元が始まりました。プロジェクトには飯舘村の復興を支援するNPO法人「ふくしま再生の会」も、地域住民との連絡や情報発信など多方面にわたって協力しています。
 「古来から馬産の盛んな飯舘村では、オオカミから馬を守るため、山の神の使いとして祀られるようになり、明治末に地元の画家・伏見東洲とその一派が天井絵を描きました。今回、多くの人たちの尽力によって天井絵が完成し、文化財とは何かを一緒に考える機会となりました。地域の歴史や文化を引き継いでいく、貴重な文化財になると思います」と担当の増渕鏡子さん。
 飯舘村は現在も避難指示解除準備区域・居住制限区域・帰還困難区域であるため、村民の多くは福島市で避難生活を送っており、観賞機会を設けるため市内の県立美術館で展示することに。天井絵は展示後に神社に設置予定で、このプロジェクトを機に、飯舘村の現状や地域の民俗・文化を紹介し、また天井絵を飯舘村の新たな文化・観光資源として広く発信していく予定です。

●福島県福島市
[日程]5月28日~7月3日
[会場・問い合わせ]福島県立美術館
Tel. 024-531-5511
http://www.art-museum.fks.ed.jp

 

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