一般社団法人 地域創造

平成29・30年度「公共ホール音楽活性化アウトリーチフォーラム事業」鹿児島セッション報告

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左上:伊佐市でのアウトリーチ(平出水小学校)
右上:知名町でのアウトリーチ(上城小学校)
左下:宝山ホールでのガラコンサート
右下:宝山ホールでのアウトリーチ研修(通し稽古)

 アウトリーチフォーラム事業は平成16年度に始まり、地域創造が都道府県と連携し、地域での演奏活動を通して創造性豊かな地域づくりに資することを目的とした事業です。今回の開催地は23・24年度に続き2回目となる鹿児島県です。公益財団法人鹿児島県文化振興財団(宝山ホール)が主体となり、県内4市町(姶良市、伊佐市、長島町、知名町)と連携して実施しました。

 平成29年10月に行われた宝山ホール主催のアウトリーチ・セミナーでは、講師に仲道郁代(ピアニスト)とセレノグラフィカ(コンテンポラリーダンスの振付家)を迎え、音楽とダンスという異なるジャンルの芸術が、互いにリスペクトすることにより生まれる「新たな世界」を参加者がワークショップを通して体感し、その後のシンポジウムで、地域や社会における芸術の役割や可能性について語り合いました。

 2カ年事業の2年目となる今年度は、市町担当者向けの研修のあと、6月末に6日間の合宿形式によるアウトリーチ研修を行いました。オーディションによって選ばれた2組のアーティスト、「トリオ・リラ(ピアノトリオ)」と「Glück Saxophone Quartet(サクソフォン四重奏)」が、現代演劇の演出家(田上豊)とコンテンポラリーダンスの振付家(セレノグラフィカ)らコーディネーターと共に、45分間の限られた時間で「自分たちは何を伝えたいのか」「どうすれば伝わるのか」をひたすら試行錯誤し、音楽に演劇やダンスの手法を取り入れたオリジナルのプログラムが出来上がりました。

 そして、平成30年9月から翌年1月にかけて、それぞれのアンサンブルが担当する2市町(トリオ・リラ:姶良市・伊佐市、Glück Saxophone Quartet:長島町・知名町)で、小学校等でのアウトリーチ6回とホールでのコンサートを実施しました。多くの子どもたちや地域の人との出会いを重ね、彼ら自身も得難い経験となりました。

 この事業の集大成となったガラコンサート。市町公演で行ったプログラムを中心に、前半はトリオ・リラが自分たちも大好きな曲「ピアノ三重奏曲第1番ニ短調Op.49」(メンデルスゾーン作曲)を、後半はGlück Saxophone Quartetが担当コーディネーターであるセレノグラフィカの2人とコラボによる「ジャズ・ワルツNo.2」(ショスタコーヴィチ作曲、ヴェルハート編曲)などを披露したほか、アンコールでは、2組のアーティストによる合同演奏をお届けしました。昨年、鹿児島が舞台となった大河ドラマ『西郷どん』のオープニングテーマ曲が流れると、場内が一気に沸き上がり、大成功のうちに幕を閉じました。

今回、県の担当者としてこの事業に携わった川原誠さんは、「2年にわたる事業実施を通して、アーティストはもとより、さまざまな人の思いが込められて各種の演奏会が成り立っていることを、改めて実感しました。また、公共ホール相互の連携に加え、地域の方々とのネットワークづくりを強化することが、県全体の文化芸術活動の活性化に繋がるのだと再認識しました。今回学んだ手法を活用し、今後も文化芸術の振興に努めていきます」と言います。

 コンサートではアウトリーチで出会った子どもたちとの再会もあり、この事業を通して、今後の鹿児島県内における、さらなる連携の可能性と展開が期待できるものとなりました。来年度は、秋田県内でプログラムづくり、アウトリーチとコンサートを、長野県でシンポジウムを実施します。

 

●公共ホール音楽活性化アウトリーチフォーラム事業に関する問い合わせ
芸術環境部 音楽担当
Tel. 03-5573-4069

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