一般社団法人 地域創造

令和3(2021)・4(2022)年度「公立美術館活性化事業」募集

 公立美術館活性化事業における4事業5種類のプログラムについて、令和3・4年度に実施される事業の参加館を募集します。

募集締切:2020年11月30日(月)

 

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*1 公立美術館活性化事業における美術館とは、博物館その他を含め、美術作品の公開および保管を行う施設をいいます。
*2 [Ⅰ]の開催年度および[Ⅱ]-①については、対象経費の合計額から収入を控除した額の助成率です。その他については、対象経費の合計額に対する助成率となります。

[Ⅰ]令和3年度準備・4年度開催「市町村立美術館活性化事業」

 この事業は、地域創造が提示する、公立美術館の所蔵品を活用した共同巡回展を、市区町村の設置する美術館が共同で実施するものです。

 今回、令和4年度開催の共同巡回展として、「土どもん門拳けん記念館所蔵『土門拳写真展─真実を見つめる眼』展」(仮称)の参加館を募集します。土門拳記念館から土門拳のライフワークや代表作を含むシリーズをお借りできます。

 土門拳(1909~90)は、激動の昭和を独特のカメラアイで切り撮り、日本の写真界に大きな足跡を残した写真家です。戦前、戦中、戦後、復興、高度成長と、日本社会全体が目まぐるしく変化していく中、強烈な個性とこだわりをもって、一貫してそこに生きる日本人や現実社会を撮り続けました。また、同時に、伝統的な文化や古寺を大型カメラで見据え、独特の美意識で、連綿と続く日本人の心を追求し続けました。発表された数多くの作品と土門の写真に対する考え方は、その時々の社会に大きな影響を与え、日本の写真文化の形成にも大きな役割を果たしてきました。

 作品の貸出協力館である土門拳記念館は、一人の作家をテーマにした世界でも珍しい写真専門の美術館として、土門の郷里である山形県酒田市に1983年10月に開館しました。土門のライフワークであった『古寺巡礼』をはじめ、『室生寺』『ヒロシマ』『筑豊のこどもたち』『文楽』『風貌』などの作品約7万点を収蔵しています。今回はその中から代表作である『古寺巡礼』をはじめ、戦前~戦後の日本社会を映し出した作品(「土門拳の愛した下町」「戦後の地方」「昭和のこどもたち」ほか)や、土門自身が尊敬する人、親しい人たちなど各界の著名人を撮影した肖像写真『風貌』など360点が展示可能となります。

 土門拳は、第二次世界大戦後の混乱と激動の日本において、「日本人の姿と日本の心」を写し止め、どの分野のテーマにも、“ほんもの=真実”にこだわり続けました。土門の「眼」と作品が、私たち日本人が進むべき心の拠り所となり、また生き方を考える道標になるような展覧会になれば、と貸出協力館・本展アドバイザーを務める土門拳記念館の想いがあり、「真実を見つめる眼」をテーマに本展に貸出可能な作品を選定していただきました。

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飛鳥寺金堂釈迦如来坐像面相詳細(1964年)
撮影:土門拳
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母のない姉妹 るみえちゃん(1959年)
撮影:土門拳
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梅原龍三郎(1941年)
撮影:土門拳

 今回は、土門拳記念館の協力のもと、日本の写真を牽引してきた土門拳を紹介する共同巡回展の参加館を募集いたします。携帯電話にもカメラ機能が搭載され、写真を撮るという行為が身近になった昨今、写真やカメラの文化を改めて見つめ直すことのできる企画内容にもなっていますので、皆様のご応募をお待ちしております。

 この事業では、参加館による実行委員会を結成し、令和4年度に巡回展を開催するほか、準備年度事業として、令和3年度から学芸担当者会議等を行い、アドバイザーの助言のもと、企画の具体化や調査研究、制作実務を分担して進めます。

 地域創造は、準備年度・開催年度の2か年にわたる助成に加え、アドバイザーの派遣や制作実務に対する助言等により、事業の実施をサポートします。

[Ⅰ]「市町村立美術館活性化事業」参加申し込み方法

 参加を希望する市町村立美術館が、直接地域創造に申し込みます(各美術館の設置者である地方公共団体の長の副申が必要です)。なお、参加決定後に共同巡回展実行委員会を設立していただきます。また、事業の参加に当たっては、準備年度に開催される実行委員会・学芸担当者会議への出席にかかる経費等についての予算措置が必要です。

[Ⅱ-①]令和3年度準備・4年度開催「公立美術館共同巡回展開催助成事業(2か年プログラム)」

[Ⅱ-②]令和3年度開催「公立美術館共同巡回展開催助成事業(単年度プログラム)」

 3館以上の公立美術館が共同で自主的に企画する、公立美術館の所蔵品を活用した共同巡回展に対し助成します。

 「2か年プログラム」は、令和3年度に企画の具体化や調査研究、出品交渉やカタログ編集等の準備作業を行い、令和4年度に巡回展を開催する事業を対象とし、準備年度150万円、開催年度2,000万円を上限に助成します(なお、開催年度助成金については、決定額の50%までの前金払い請求が可能です)。

 「単年度プログラム」は、令和3年度に開催される共同巡回展について、A.作品借用・展示関連経費への助成と、B.図録作成経費への助成のどちらかをご選択いただき、A.については500万円、B.については300万円を上限に助成します。

[Ⅱ-①]「公立美術館共同巡回展開催助成事業(2か年プログラム)」申請方法

  • 準備年度:各参加館が申請します。申請書類一式を代表となる館が取りまとめ、直接地域創造へ提出してください(各美術館の設置者である地方公共団体の長の副申が必要です)。なお、助成決定後に実行委員会を設立していただきます。
  • 開催年度:準備年度に助成決定を受けた共同巡回展実行委員会より申請します。

[Ⅱ-②]「公立美術館共同巡回展開催助成事業(単年度プログラム)」申請方法

 各参加館が申請します。申請書類一式を代表となる館が取りまとめ、直接地域創造へ提出してください(各美術館の設置者である地方公共団体の長の副申が必要です)。なお、助成決定後に実行委員会を設立していただきます。

[Ⅲ]令和3年度実施「公立美術館共同巡回展企画支援事業」

 2館以上の公立美術館による、「公立美術館共同巡回展開催助成事業」の申請に向けた、企画内容の検討や調査研究等の取り組みを支援します。地域創造は学芸担当者会議の開催や調査活動のための経費に対し、100万円を上限に助成するほか、アドバイザーの派遣、会議室の提供、他の参加館募集の告知等による支援も行います。

[Ⅳ]令和3年度実施「公立美術館共同地域交流プログラム助成事業」

 2館以上の公立美術館が共同で企画する、公立美術館の所蔵品を活用した地域交流プログラムの実施に対し、100万円を上限に助成します。参加館や他の公立美術館のコレクションを活用した展覧会(異なる展覧会も可)に関連し、各館の展示内容やテーマ(作家、素材、技法、様式、モチーフなど)をもとに自主的に企画・実施される地域交流プログラムが対象です。

[Ⅲ]「公立美術館共同巡回展企画支援事業」および[Ⅳ]「公立美術館共同地域交流プログラム助成事業」申請方法

 各参加館が申請します。申請書類一式を代表となる館が取りまとめ、直接地域創造へ提出してください(指定管理者制度を導入している施設の場合に限り、設置者である地方公共団体の長の副申が必要です)。なお、実行委員会の設立は必要ありません。

「公立美術館活性化事業」に関する問い合わせ

総務部 三田・高野
Tel. 03-5573-4184

 

各事業の詳細については、実施要綱をご確認ください。
各実施要綱および申請書類は、当財団ホームページからダウンロードできます。
「募集要項・申請書式」美術

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