令和8年度リージョナルシアター事業の実施予定団体担当者と派遣アーティストが集まり、事業についてのオリエンテーションやディスカッション、企画打ち合わせ等を行う全体研修会を11月17日、18日の2日間にわたって開催しました。
地域の課題やホールの展望などを踏まえながら、住民等を対象にしたワークショップや学校へのアウトリーチ等を行う当事業は、派遣アーティストと実施団体が協働しながら企画し、プログラムを実施していきます。この研修会には、令和8年度に事業実施予定の5団体から7人の事業担当者が参加し、地域のこと、ホールがやりたいことや課題、演劇の手法を使ったワークショップの効果や可能性などを、事業担当者と派遣アーティストとの対話を通して共有することを目指しました。
研修会の初日は、派遣アーティストと事業担当者とで顔合わせを行った後、本事業で行うワークショップについての理解を深めるため、アドバイザー兼派遣アーティストの田上豊さんと多田淳之介さんによる演劇の手法を使ったワークショップを体験しました。田上さんのワークショップでは、「勝ったら逃げるじゃんけん」のペアワークや「“他”己紹介」などのアイスブレイクとコミュニケーションのワーク、多田さんのワークショップでは、グループで行った「しりとり」をその時の雰囲気やかかった秒数も含めて再現するワークを行いました。それぞれ異なるアプローチから45分ずつ“演劇を教えない”ワークショップを実施し、参加者からは、「実際に体験できたことで事業をイメージしやすくなった」「演劇ワークショップの魅力と可能性を改めて実感する機会となった」などの意見がありました。
続いて行われたディスカッションの冒頭では、多田さんと津村卓プロデューサーから「公共ホール概論」と題して、地域における公共ホールをめぐるこれまでの変遷や今後の在り方、拠点として求められるミッションなどについてお話しいただき、その後、演劇ワークショップ体験や「公共ホール概論」を踏まえた意見交換を行いました。ワークショップ体験の感想やお互いの地域についての現状、悩みを共有し、解決に近づく方法を探り課題についてアイディアを出しあったり、過去の事例から事業実施後のホールが向かう先を考え、地域の特性に合わせてアーティストと一緒にできることを探ったり、それぞれにホールと地域との関わり方について考える機会となりました。
2日目は、事業の流れや注意事項などのオリエンテーションのほか、それぞれのホールのミッションや地域課題を基に、その地域ならではのプログラム実現に向けた話し合いがグループごとに行われました。派遣アーティストと各地域の状況や目的を話し合うことで、プログラムの内容だけでなく、新たな課題や、今後検討していくべきことが徐々に形になっていきました。
企画打ち合わせの後には、「自分の届けたいものより市民が欲していることを見据えてくれたことがプロの視点だと思った」「リージョナルシアター事業がもつオーダーメイド型の柔軟性を改めて実感した」「目的を見失わず、皆に協力をお願いしながら進めていきたい」など、事業内容のほかに、研修会を終えての変化や実施に向けた意気込みが語られました。
今後、実施予定団体は、来年度の企画実施に向けて地域課題や地域資源のリサーチを続けながら、派遣アーティストとの打ち合わせを行っていきます。各地域で行われる来年度の企画実施にご期待ください。

多田さんによるワークショップ体験

ワークショップ体験と公共ホール概論を踏まえての意見交換
令和8年度「リージョナルシアター事業」
◎派遣アーティスト
•有門正太郎(演出家・俳優、有門正太郎プレゼンツ主宰)
•福田修志(劇作家・演出家、F’s Compa ny代表)
•越智良江(劇作家・演出家、演劇ユニットKOKOO主宰)
•志賀亮史(演出家、百景社代表)
•樋口ミユ(劇作家・演出家、Plant M主宰)
◎アドバイザー兼派遣アーティスト
•多田淳之介(演出家、東京デスロック主宰)
•田上豊(劇作家・演出家、田上パル主宰)
◎実施予定団体
•札幌市(札幌市教育文化会館)
•山梨県甲斐市(甲斐市双葉ふれあい文化館)
•愛知県大府市(おおぶ文化交流の杜allobu)
•大阪市(大阪市立芸術創造館)
•宮崎県西都市(西都市民会館)
問い合わせ
芸術環境部 藤原・桑山
Tel. 03-5573-4124
