「公共ホール音楽活性化事業(おんかつ)」では、クラシック音楽にふれる機会の少ない方や地域の方々にとって新たな発見や交流の場になることを目指し、工夫を凝らしたコンサートとアクティビ ティ(地域交流プログラム)を実施しています。令和7年度は、今年から一新した5組の登録アーティストが全国10カ所の地域に赴き、音楽を届けます。今号では、11月14日〜16日に開催した沖縄県宮古島市と、11月27日〜29日に開催した愛知
県阿久比町の模様をご紹介します。
宮古島市は、沖縄本島から南西約300kmに位置し、宮古島、池間島、来間島、伊良部島、下地島、大神島の大小6つの島で構成されています。 市制施行20周年を記念し、ユーフォニアム奏者の山崎由貴さんと共に、市の中心である宮古島と、大橋で結ばれた3つの離島(池間島、来間島、伊良部島)でのアクティビティを実施しました。
多くの留学生が在籍する宝塚医療大学宮古島キャンパスでのアクティビティは、身振り手振りを加えた優しい日本語でのコミュニケーションを図りながら進行しました。最後に「みなさんの国にいるお友達やご家族を思い出しながら聴いてください」という山崎さんのメッセージとともに『ふるさと』を演奏し、異国で暮らす留学生たちにエールを送りました。
最終日のコンサートは幅広い世代が楽しめるよう2部構成とし、1部は『さんぽ』のメロディーとともに、山崎さんが客席から演奏しながら登場。0歳から入場可能なコンサートとして子どもたちに 馴染みのある楽曲を披露しました。2部はよりユー フォニアムの音色を楽しめるプログラムとして、クラシックの名曲や『宮古島市歌』を演奏し、客席との一体感に包まれるステージとなりました。最後は山崎さんが「いつか挑戦したいと思っていた」と語った沖縄出身の作曲家・M.ケンツビッチによるユーフォニアムの名曲『レジェンド』を演奏。沖縄音階とともに描かれる美しい海や伝統、そして戦争の記憶や平和への願いを込めた難曲に、会場全体が聴き入りました。
阿久比町は、名古屋市の南側、知多半島の中央部に位置しており、豊かな自然と都市近郊の利 便性を併せ持つ町です。子育て世代も多いこの町で若い世代が音楽にふれて楽しさや面白さを感じ、そしてその思いを家族間で共有してほしいという担当者の思いのもと、バス・バリトン歌手である小野寺光さんと、町内にある4つの小学校でアクティビティを実施しました。
初日に訪れた英比小学校では、日本では『鬼のパンツ』として有名な『フニクリ・フニクラ』を小野寺 さんがイタリア語で歌いながら登場。2番は日本語で担任の先生と一緒に歌うなど、直前で決まったコラボ演出もありました。『闘牛士の歌』では、初めに「viva(ヴィーヴァ)!」「bravo(ブラーヴォ)!」の掛け声をみんなで練習。会場の音楽室を闘技場に見立て、マントを羽織って闘牛士に変身した小野寺さんへ力いっぱい声援を送りました。
最終日のコンサートでは、1部で小野寺さんの思い入れの深い『星めぐりの歌』や次々に登場人物が入れ替わる『結婚万歳』などを、2部ではモーツァルト作曲のオペラをメインに情緒たっぷりに歌い上げました。MCでは、曲の説明やアーティストの人となりを知ることができるトークも交えつつ、和気あいあいとした雰囲気の中、オペラの魅力を存分に楽しめる素晴らしい公演となりました。ほぼ満席になった会場には小学校のアクティビティに参加した児童が家族と来場している姿もあり、未来への一歩を感じさせたおんかつとなりました。

山崎由貴さんによるアクティビティ(沖縄県宮古島市)

小野寺光さんによるアクティビティ(愛知県阿久比町)
令和7年度公共ホール音楽活性化事業
◎実施団体(主会場/アーティスト/日程)
•沖縄県宮古島市(宮古島市文化ホール/ 山崎由貴/11月14日〜16日)
•愛知県阿久比町(アグピアホール/小野寺光/11月27日〜29日)
•岐阜県高山市(こくふ交流センター/山崎由貴/12月5日〜7日)
•宮城県登米市(水の里ホール・Abebisou /山崎由貴/12月18日〜20日)
•福井県おおい町(おおい町総合町民福祉センター/小野寺光/12月18日〜20日)
•佐賀県嬉野市(嬉野市社会文化会館[リバティ]/小野寺光/1月15日〜17日)
•山形県大石田町(大石田町町民交流センター虹のプラザ/山崎由貴、小野寺光/1月22日〜24日)
•静岡県藤枝市(藤枝市民会館/三原未紗子/1月29日〜31日)
•鹿児島県知名町(おきえらぶ文化ホール あしびの郷・ちな/北垣彩、山崎由貴/2月19日〜21日)
•三重県鈴鹿市(ハヤシユナイテッド文化ホール鈴鹿/鈴木舞、北垣彩/3月5日〜7日)
問い合わせ
芸術環境部 金山・北川
Tel. 03-5573-4168
