地域創造では、文化・芸術による地域づ くりへの理解を深めていただくため、全国 の市町村長を対象とする「市町村長特別セ ミナー」を実施しています。4月23日に、市 町村職員中央研修所(市町村アカデミー) との共催により、文化・芸術による地域づくりについての講義とおんかつ支援登録アー ティストによるミニコンサートを実施しまし た。
講義は、元長崎市長で長崎地域力研究 会代表の田上富久さんを講師に迎え、16年間の長崎市長の経験を踏まえた話題を中心に、「ひとの文化、まちの文化、社会の文化」と題し、お話をいただきました。田上さんは判断のポイントとして、「長期的にみる」 「多面的にみる」「本質をみる」ことを大切にされており、「長崎さるく博」や交流により栄えた長崎の歴史を踏まえた交流都市ビジョンなどの例を取り上げながら、解説をいただきました。逆に、短期的には結果が出ず、 成果が数字では表せない、目に見えない価 値をもつ「文化」について、この3つのポイントを踏まえて表していくことで可視化することができるのではないか、という点などもお話いただきました。
文化がなければ、人はただの“役割”に、まちはただの“場所”に、社会はただの“仕組み”となってしまう、文化はひとがその人であるために必要なものであるという、まちづくりにとっても大切な視点をご講義いただきました。
講義に続いて、地域創造おんかつ支援登録アーティストのチェリスト・奥田なな子さんによる模擬アウトリーチコンサートを行いました。目の前で繰り広げられるチェロやピアノの演奏の迫力に、参加者は圧倒されるとともに、実際に子どもたちに向けて実施しているアウトリーチの雰囲気を、プログラムを通して間近に感じていただくことができました。
なかでも、紙コップで即席楽器をつくり、全員で共演するコーナーでは、奥田さんの解説に合わせ、弦楽器の奏法・ピッツィカートを体験していただきました。音楽の中の強弱を付けたり、ピアノの伴奏を聞くところはきちんと聞いたりなど、音楽を演奏する上で大切な点も、全身を使って感じていただくことができたのではないでしょうか。
最後は、アウトリーチにおいて奥田さんが大切にしている子どもたちへの想いなどもお話いただき、「おんかつ」の魅力を存分に感じていただくことができました。


上:田上富久さんによる講義
下:奥田なな子さん(チェロ)、ゴウ芽里沙さん(ピアノ)によるミニコンサート
