一般社団法人 地域創造

リジョーナルシアター・シリーズ開催

リジョーナルシアターシリーズ公演迫る

 昨年も大好評いただいた「リージョナルシアター・シリーズ」。その第2弾を、今年は11月にシアタートラム(東京・世田谷)ほかを会場に開催します。 このシリーズは、地域を拠点に活動する劇団の東京連続公演を行うというもので、地域創造と東京国際舞台芸術フェスティバルの共催により昨年スタートしました。出演劇団については、各地の公立劇場などから公募した推薦をもとに決定。東京一極集中の構造が崩れ、各地から新しい才能が生まれている演劇界の現状を受けたタイムリーな企画として大きな注目を集めました。今年は、北は北海道から南は山口県まで6つの劇団が登場します。今号では、出演劇団と関連企画について詳しくご紹介します。

 

◎ここに注目!各劇団の見どころ

 東京以外の演劇シーンが大きな注目を集めるようになったある“事件”。それが京都の2人の劇作家─松田正隆氏と鈴江俊郎氏─による96年第40回岸田國士戯曲賞(*1)のダブル受賞でした。今回のシリーズには、この鈴江俊郎氏が率いる劇団八時半が参加。劇団としての東京公演は今回が初めてとなります。日常の何気ない会話から現代人の深層心理を鋭く描く鈴江氏の戯曲は高い評価を受けており、まさに待望の公演です。大阪から参加するPM/飛ぶ教室代表の蟷螂襲氏も、第5回OMS戯曲賞を受賞し(*2)今関西で最も注目を集めている劇作家のひとり。大阪弁を用いた人情味溢れる作品で、着実にファンを獲得しています。そして、札幌のA.G.Sが、99年日本劇作家協会優秀新人戯曲賞を受賞した『ゴッホからの最後の手紙』を東京で初めて上演するのも注目でしょう。
 そのほか3劇団も、新鮮な魅力溢れる劇団ばかり。まず、山口県柳井市を拠点とするPOP THEATRE Я。柳井弁を用いた爽やかな会話劇が印象的です。また、琵琶湖畔での公演など、野外公演の多い劇団異国幻燈舎(滋賀)は、そのスピード感、スケールの大きい演出で観客を圧倒します。そして、どこか懐かしい舞台をつくる劇団赤い風(盛岡)。いずれも自信作をもっての東京公演となります。

 

◎地域の公立劇場のあり方を考える「リージョナルシアターズ・ミーティング」

 11月22日には、出演劇団代表ほか多彩なゲストを迎えたセミナー「リージョナルシアターズ・ミーティング」を開催します。 地域のホール・劇場が、東京の“受け皿”としてだけでなく、文化拠点として機能するためには、地域を拠点とするアーティストとどう付き合っていくかが今後の大きな課題です。ミーティングでは、「創作プロセスを支える劇場・稽古場運営」、「人材の育成と発掘」といったテーマを設け、これからの公立劇場の運営について議論したいと思います。関心のある方はどなたでも参加できますので、担当までお気軽にお問い合わせください。

 

●リジョーナルシアターズミーティング

[日時]11月22日(水)13:00~17:30

[会場]くりっく世田谷文化生活情報センター セミナールーム

 

○セッション1 13:00~15:00


「創作プロセスを支える場~稽古場・拠点劇場を考える」

 鈴江俊郎(劇団八時半代表)
 久保田修治(POP THEATRE Я代表)
 宮沢十馬(劇団異国幻燈舎代表)ほか

 

セッション2 15:30~17:30


新しい人材を育てる~各地の"演劇学校"の役割と今後

 坂田裕一(劇団赤い風代表)
 斉藤歩(A.G.S.代表)
 長谷川孝治(弘前劇場代表)ほか

 

○参加費無料

○参加方法要申込。申込書をお送りいたしますので、お問い合わせください。(Tel.03-5573-4065)

 

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「蛇口」 
[作・演出]自由下僕

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「みかん」(99年) 

父(夫)の法事が行われる日の朝を舞台に、それぞれの思いを胸に秘めた母娘が織りなす家庭劇。新作。
11月7日(火)、8日(水)
北沢タウンホール
93年、山口県柳井市で代表の久保田修治らを中心に結成。翌94年旗揚げ。以降、自由下僕(じゆうしたぼく=久保田修治)の作・演出作品を中心に、山口・広島両県で公演を行う。99年に上演した『みかん』では、静かで温かい柳井地方の生活口語(方言)を用い、両親を亡くした二人姉妹の微妙な心情を描き好評を博した。
劇団問い合わせ Tel. 090-1187-9079


 

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「盛岡八幡楼G・Iブルース」 
[作]おきあんご、みずいろいずみ 
[演出]坂田裕一

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「盛岡八幡楼G.Iブルース」
(98年・初年) 

舞台は戦後間もない盛岡・八幡町。98年に上演され好評を博した作品の再演。
11月11日(土)、12日(日)
北沢タウンホール
78年旗揚げ。“明るいアングラ”をキャッチフレーズに、挑戦的でエネルギッシュな舞台をつくり続ける。中でも寺山修司の作品に対する評価が高く、渋谷ジァンジァン主催「寺山修司祭」へも参加を果 たしている。また、盛岡出身の作家、故森荘已池氏の直木賞受賞作「蛾と笹舟」を舞台化するなど、幅広い演劇活動を展開している。
劇団問い合わせ Tel. 019-635-1924


 

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「ゴッホからの最後の手紙」 
[作]宇都宮裕三 
[演出]本間盛行
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「ゴッホからの最後の手紙」
(2000年・初年) 
99年日本劇作家協会優秀新人戯曲賞受賞作品を上演。印象派の巨匠、ゴッホとゴーギャン。二人の天才をめぐる男たちのドラマ。
11月14日(火)、15日(水)
世田谷パブリックシアター
93年に斎藤歩を中心に結成。劇団ではなく、北海道在住のプロフェッショナルな俳優、演出家などによるユニットで、作品ごとに、俳優、演出家をキャスティングし、プロデュースする集団として活動している。役者として東京での活躍も増える斎藤歩ら個性ある役者陣に注目が集まる。
劇団問い合わせ Tel. 011-615-9467


 

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「ブルペン」 
[作・演出]宮沢十馬
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「ブルペン」宣伝写真より 
ハウジングセンターと化した大阪球場が舞台。打たれても打たれてもへこたれない不屈の男たちを熱く描く。99上岡演劇祭参加作品を改訂上演。
11月18日(土)、11月19日(日)
世田谷パブリックシアター
84年京都にて旗揚げ。翌85年、拠点を滋賀に移し、宮沢十馬の作・演出により、野外公演を中心に行う。2m×10mの大きな川を作った『百合の睡眠』(94年)をはじめ、イントレで駐車場に芝居小屋を作った『500万下王者』(95年)など、仮設劇場でのスケールの大きな作品が人気を呼んでいる。
劇団問い合わせ Tel. 070-5387-8045


 

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「すずかけさん、ガルボン・ブエノ通りで唄う」 
[作・演出]蟷螂襲
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すずかけさん、ガルボン・ブエノ通りで唄う」宣伝写 真より  
舞台はブラジル・サンパウロの日系人街にある映画館「シネ・ニテロイ」。PM/飛ぶ教室ならではの人情話、初の海外編。
11月21日(火)~23日(木・祝)
シアタートラム
94年旗揚げ。中島らも率いる“リリパット・アーミー”に在籍した蟷螂 襲(とうろうしゅう)、福井玲子、山藤貴子の3人により結成。以降すべて蟷螂襲作・演出作品を上演。テンポのよい大阪弁で綴られる、温かみのある人情芝居が人気。震災から3年後の神戸を舞台にした『滝の茶屋のおじちゃん』(97年)で、蟷螂襲が第5回 OMS戯曲賞大賞を受賞した。
劇団問い合わせ Tel. 06-6363-2226


 

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「素足の日記」 
[作・演出]鈴江俊郎
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前回公演「頬を赤くして」
東京初となる岸田戯曲賞受賞作家・鈴江俊郎の作・演出公演。新作。
11月25日(土)、26日(日)
シアタートラム
93年旗揚げ。京都を中心に公演を重ねる。代表の鈴江俊郎は、95年シアターコクーン戯曲賞、同年第2回OMS戯曲賞、96年『髪をかきあげる』で第40回岸田國士戯曲賞を受賞するなど、現在最も注目される劇作家のひとり。日常の何気ない会話から、現代人の深層心理を鋭く描いた作品に定評がある。
劇団問い合わせ Tel. 075-352-3220

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